「今日は夕方から さなぶり だから、
ウコンでも飲んでおこう!笑」
って、大笑いしながらおっしゃって、
正直、私は???って思いつつも、
さとられないように
「あはははは、・・・ですねえ。」って微笑みがえし。(苦笑)
帰宅後、早速伴侶に調査を依頼。
「ねえねえ、さなぶり ってなんだろうか?
半世紀も人間やってて、知らない言葉が
まだまだあるよお~。
この地域の方言だろうか?」
ということで、
「なんだあ、和尚のくせにそんなことも知らんのか?」
ってお思いの方もいらっしゃるでしょうが、
「なんだあ?さなぶりって。」
と思ってる方もいらっしゃると推察しますんで、
紹介します。
「さなぶり」とは、「さのぼり(早上り)」のことで、
結論から云えば、
田植えが終わりますと、
それまで見守ってくれていた田の神様をお送りするための行事、
なんですな。
さのぼりの「さ」は、神さまの意味で、
神様が神の国へ上(のぼ)る、ということらしい。
で、具体的には、
田植え作業で疲れた人や馬、牛を癒しねぎらう為の行事が行われるわけです。
だから、「うこん」ドリンクが必要なんですね。(笑
ちなみに、田植えの作業を始める頃を、
「さおり(早降り)」といって、
神様をお迎えして無事に田植えができますことを祈念するんですね。
こんな話を聞き及ぶにつけ、
大自然への畏敬や感謝の心、
そして共同体の大切とか、
農業や漁業を営む人々の中には、
とても自然な形で伝承されているんだなあ、って感じました。