こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

写経奉納で物故者慰霊と復興支援

2012年01月23日 | 仏教

東北の方々を応援するために、様々な方向から支援が続いてきました。
若いお坊さんたちも必死に頑張ってきました。

あと2ヶ月もたたないうちに1年です。
きっと、これからが大事な時だと思います。
私たちを突き動かしていた熱意は、時とともにどうしても弱まってしまいます。
これからは、思いを新たにドッカと腰をそえて力強い支援を考えていく時だと感じます。

真言宗智山派という宗派では、
写経を通じて「生きる力」を、というコンセプトのもと、
被災地、被災者に向けて慰霊と復興成就の願いをお届けする
「写経奉納」運動を展開しています。

心を込めて書写した写経と、一巻1,000円以上の納経料をセットにして被災地に奉納します。
募集期間は平成25年の2月中旬までです。
潮音院でも受付してますので、是非ご協力を。

ちなみに写経用紙は市販のものでも結構ですし、
パソコンからダウンロードされてもよろしいかと思います。

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太子講

2012年01月22日 | 仏教

 今日は正月22日。
お不動様のご宝前に聖徳太子のお像がさげられ、
太子講が開かれました。

町内の職人組合に加盟する建設関連の業者さんや個人事業主が集って、
一年間の事業繁栄や作業の安全をお祈りします。
この地域では、大工さん、左官さん、水道屋さん、設備屋さん、土木やさん、
クロスやさん、塗装屋さん、廃棄物処理業、建築士さん、リフォーム屋さん、
材木屋さん、瓦屋さん・・・などが中心です。

お護摩の火があがると、組合長さんが大工道具を火にかざしてお加持をします。
そのあと、参列者の面々は護摩の火をいただきながら太子像に参拝。
一年間の無事故と事業の繁栄を祈ります。
祈願祭のあと、昔は賃金の協定をしたり、様々な申し合わせをしたり、
職人仲間の運営にとって、たいへん大切な日だったそうです。
今は、別途近代的な組織の中で行われています。

太子講のポイントは、なんといっても夕刻です。
三々五々所定の会場に集まって、新年の親睦会とあいなります。
酒豪たちが一堂に会します。・・・すごいです。^^;

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初ご縁日

2012年01月19日 | 仏教

正月18日、ご本尊「正観世音菩薩」さまの初ご縁日。
日頃特にお世話いただいている総代、役員さまをはじめ、
様々な行事を裏で支えてくださる方々に集っていただき、
ご縁日の祈願祭お昆布頂戴の儀がとりおこなわれました。

午後からは、会場を移して新年祝賀会。


今年は例年の趣向に加えて、
松浦市善福寺のご住職による「ミニミニコンサート」が。


歌も姿も長渕剛もどきのご住職は、汗ぐっしょりの熱演を見せてくださいました。
みんな大喜び。

お正月にふさわしい楽しい集いでした。
今年も一年、皆様にはいろいろと支えていただくことになりますが、
なにとぞ変わらぬ御信援をお願い申し上げます。

                                 住職 合掌

 

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お正月作法の一端 ~ おてがけ

2012年01月12日 | 仏教

懇意にさせていただいているご住職が、
お寺に伝わるお正月のお作法をつぶさに発信してくれました。

元旦の朝にお菓子の盛られたお盆が家族や来訪者にふるまわれることを
「おてがけ(おてがき)」をふるまう、といいますが、
この「おてがけ」が気になってしょうがないんで、
いろいろ調べてたら、何となくわかってきました。

これは伴侶が発見してくれたのですが、
中町泰子さんという民俗習俗の研究家がレポートしておられる
pdfファイルに詳しく提供してありました。
この方は「辻占菓子」をテーマに研究されてます。これもおもしろい。
たくさんの事例と写真もあって、とても興味深いです。

そのなかで、平戸の正月行事を研究された地元の木田昌宏先生の資料や、
柳田国男さんの資料などもあげて、かなりつぶさに探求されてあります。

このpdfの24ページには、
平戸松浦家の壺陽録の中に、松浦家23代藩主弘定が1492年に福岡箱崎の金胎寺で、
「住職が御蓬莱(おてがけ)を自ら持ってきてくれて大福茶までくれた。
元旦から金胎寺の御手懸をいただけることは、こりゃとても縁起のいいことだ。」
と述べたことを紹介してあります。

全国的に「おてがけ」にはいろんな当て字が使われるようですが、
元来の意味合いは、お手掛け、お手懸け、ということのようですね。
広い意味の「お年玉」と理解してもいいのかな。

蛇足ですけど、濁らずに「おてかけ」と発音するのはよした方がいいようで・・・。

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初祈祷(はつぎとう)

2012年01月10日 | 仏教

今年も、地区ごとに開催される「初祈祷」が始まりました。

一年間の地区内安全や家内安全、無病息災などを願って開かれます。

私のお寺が担当する地区は、かつては町内全域にわたっていましたが、

過疎とともに減少し、今では四つの地区だけになりました。

それでも各地区のお世話人様方は、地区のためにと私事を返上して準備に余念がありません。

年に一度のこととはいえ、たいへんな労力と気苦労であろうと思います。

お疲れ様でした。

地区の公民館の座敷床の間に祭壇を設けます。
本尊は、お寺の本堂にお祀りしてあるお不動様を、分霊開眼した木彫りのお不動様です。
各地区の公民館へと出開帳されます。
このスナップには映っていませんが、右の方には各家の玄関に下げるシメ縄がドサッとあります。
このシメ縄はナキリでつくられます。
今ではこのナキリがなかなか手に入らずに、各地区の世話人さんはたいへん苦労しています。

これは、地区の境目に建てる辻札の柱です。樫の木などの手頃な枝を利用して作られます。
昔は、様々な疫病が入ってこないように、地区の境目にこの辻札を建てて願ったそうです。

ご祈願がおわると、開眼供養の施された御札とナキリのしめ飾りが住民に手渡されます。
公民館の受付に地区の方々が行列します。寒いのにご苦労様です。

この御札渡しの作業が落着すると、お世話人一同が相集って御神酒をいただきます。
皆で一献飲み交わしながら、お互いの慰労と今年1年の安全と健康を願うわけです。

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