今日は叔母の誕生日です。
この題名は叔母というより、叔母とお付き合いしているPのお話です。
私やこどもが50代、叔母は70代、お付き合いしているPは80代。
という年齢構成を踏まえて読んでください。
叔母は、現在私の勤務していたメーカーの元支社長と、
コロナ前からお付き合いしています。
私が支社長に紹介したわけではなく(笑)、
※それなりの企業の支社長は、平社員から見れば雲の上の人です
すれ違えば、挨拶はしますが、あちらは私のことはご存じないでしょう
また叔母は、メーカーとは全然つながりがありません。
この二人が出会ったのは、実はもう20年以上前です。
私の勤めていたメーカーは、20年以上前に、
大幅なリストラを行い、その時対象外だった、
私もほぼ同時期に退職しました。
元人事部長Jが、有志に声をかけ、
食事会を開催するようになり、その時のメンバーに、
Jと仲の良かった、元支社長Pがいました。
※Pはリストラ組ではありません
そして、花見や街並み散策をそのメンバーとしていた時、
人事部長の幼馴染である叔母とバッタリ会いました。
その日は、参加者が少ないこともあり、
ほかの方の了解を取り、叔母も混ぜていただくことになったそうです。
そして、有志がその都度お金を払うということもあり、
『よかったら、今後も参加しませんか?』
と、Pに言われたそうです。
その頃、Pは奥さんがご存命でした。
ちなみにPは、転勤族で、定年退職済み。
この有志の会に来るには、毎回旅行感覚で来ていたそうです。
そして何度顔を合わせているうちに、
お互いのことも話すようになったそうです。
そして、姪(私の妹)と、Pの娘が病気療養中であることも知り、
二人を会わせて病気の克服をしようと、
Pの地元に、実母・叔母・妹を招待してくださいました。
年に2.3度訪問し、いろいろ観光名所も案内してくださったそうです。
そして数年後奥様が亡くなりました。
その時、三人は花を贈ったそうです。
喪が明けてからも、三人はPの地元に訪問していましたが、
妹が病状が悪化し、入院生活と自宅療養の日々となりました。
といっても、ずっと悪いわけではなく、一時的にいい時もありました。
約束したとき姪が悪くなったので、実母が、
「Pに悪いから、あなただけでも行きなさい」
と言われ、初めて一人で訪問。
そこから、徐々に自分だけ連絡を取り始め、
お付き合いしようとなったようです。
前振りがかなり長くなり、申し訳ありません。
ここからが本題です。
私の勤務していた支社長は、一部上場企業なので、
自分で確定申告が必要な金額は、年収としてありました。
少し前の言葉で言えば、勝ち組です。
年金も企業年金やら個人で掛けた年金があり、
老後の生活に困ることはありません。
なら幸せだったのか?
Pは、
「不幸とは言わないけど、幸せとは思えない」
と話していたそうです。
転勤族ということは、奥さんはずっとワンオペを強いられます。
娘さんは小学校の頃に不登校、中学受験を経て、
エスカレーター式の大学進学。
やっと落ち着いたかと思ったら、就職先の人間関係でつまずく。
しかも、立ち直ったかと思ったら、
次の就職先で失恋し、自殺未遂。
もう30年以上施設で入院生活をされているそうです。
奥様は、一人で娘さんの面倒を見ていたわけです。
ですから、連絡をすれば、
「仕事に逃げたあなたはずるい」
と言われ、だんだん連絡をしなくなっていった。
定年後奥さんと二人自宅にいるのは地獄で、
「とにかく外へ出よう」と、必死で仕事を探されたそうです。
奥様が亡くなられたのは、がんだけでなく、
精神的なことがあったと、自分を責められたそうです。
ここまでなら、そういう家庭もあるよねで終わります。
Pにはもう一人、子どもがいます。
有名国立大工学部卒業の自慢の長男です。
就職先も、だれもが知っている一流企業。
しかも結婚相手は、家柄・学歴とも素晴らしい女性。
もう彼の人生は安泰だ。
妹のことで縁談がどうにかなるかと心配したが、
「一生親が面倒を見ます」
といったことで、最初は難色を示されたが、
何とかまとまった。
長男には二人子どもに恵まれ、長女はともかく、
長男はやはり自慢の息子だと思われていたそうです。
そんな中、事件は起きます。
なんとこの長男、不倫をしました。
しかも、相手はパート女性で、妊娠までしてしまった。
会社にばれ、解雇。
この時、今は男性でも解雇される時代になったのだと、驚きました。
私がメーカー時代、そんなカップルもいましたが、
たいてい退職は女性でした。
離婚し、相手の旦那さんに慰謝料を払うことに。
奥さんと子どもは慰謝料+養育費。
相手の女性とは、遊びだったので、別れることになったそうです。
ただ、彼は、学歴や職歴が申し分ないので、
世界的有名企業に転職も、そんなに苦労はしなかったらしい。
Pは、この時には、実はまだ危機感を感じていませんでした。
ただ、この長男、常に女性関係で問題を起こすので、
世界的有名企業も、1年足らずで退職。
転職を繰り返しているそうです。
こうなると、もはや病気ですね。
と、傍から見れば、幸せそうな家庭が…
実際、Pの子どもが大学生ぐらいまでは、
誰もがうらやむ理想の家庭だったことでしょう。
また、一生長女は、病院から出られないと言われているので、
※妹と会った時とは違い、かなり進行してしまったそうです
Pは1日でも長生きをするため、常に健康には気をつけています。
延命治療もするつもりでいます。
親として、子どもにする。
おそらく彼にとっては償いに近い心境だと思います。
わが子も長い人生、どうなるのかわかりませんが、
自分が納得する人生を歩んでほしいものです。