「これおもしれぇぞ、読んでみ」と言ってポンと渡された一冊の本がこれ。厚さ1センチくらいの文庫本。kouichiにしてはこの手の本は珍しい。
読み出してみると、なるほど結構面白い。一気に読んでしまった。
「寝ずの番」とはお通夜のこと。最初は上方落語界の重鎮、笑満亭橋鶴、次がそのいちばん弟子、最後は橋鶴の奥様の、爆笑?寝ずの番の様子が弟子の橋太の語りで書かれている。
第1章の橋鶴師匠の場合は、そもそも最後の一言の「●●が見たい」から笑わせる。2章の橋次兄さんもとことん付いていないエピソードがいい。最後の章の静子姉さんの場合は春歌の歌合戦、最後はちょっとほろりとくる。全体がすこしHで、放禁用語なんかも結構出てくるけれど、ちっともいやらしくない、大人の本だ。
本の最後にこの話を映画化したマキノ監督(津川雅彦)の映画制作時のエピソードが書かれていて、それにつられて、映画も見に行った。
小説の雰囲気が映画でも良く出ていて結構笑え、楽しめる。