北朝鮮の中距離弾道ミサイルの発射が4月15日の失敗に続いて28日も発射が失敗した模様です。
これで2回の連続失敗となりました。
北朝鮮は国内向けに成功をアピールしていますが、中距離弾道ミサイルの発射が連続失敗した、この背景に何が??
4月28日17時40分に中央日報日本語版が「北、ムスダンミサイルまた失敗…発射直後に空中爆発」の題で次のように伝えました。
『北朝鮮が28日午前6時40分ごろ、江原道元山(カンウォンド・ウォンサン)付近からムスダンと推定される中距離ミサイル(IRBM)を発射したが、直後に空中で爆発したと軍関係者が伝えた。
この関係者は「韓米情報当局がきょう(28日)朝、未詳の発射体が元山付近から発射された兆候を確認した」とし「しかし、発射直後に墜落したと推定され、発射に失敗したとみられる」と述べた。
北朝鮮は今月15日にも同じような地域からムスダンミサイルを発射したが空中で爆発した。韓国国防部当局者は、「前回失敗した後に十分補完を行って発射したものと判断されるが、短期間に無理に再発射を試みたものの失敗したと推定される」とし「金正恩(キム・ジョンウン)が先月15日に核実験と多様なミサイルをやれと命じた指示を履行しようとして問題が繰り返されているようだ」と説明した。
来月6日の党大会を控えた状況で、金正恩が多様なミサイルと核実験をやるようと命じた指示を履行しようとしているが、一回失敗したあとに十分補完しないままで次を急いだため事故が繰り返されているということだ。
射程距離3500キロ前後のムスダンミサイルは北朝鮮がグアムなどを攻撃するために開発したが、発射試験をせずに2007年に実戦配備した。ムスダンミサイルはUDMH(非対称ジメチルヒドラジン)を燃料とし、N2O4(四酸化二窒素)を酸化剤として使っている。
だが、この2つは不十分な管理などで接触した場合に自然発火するだけでなく、毒性が非常に強いため管理が難しい。このため、北朝鮮が一度も撃ったことのないムスダンミサイルで武力示威をしようとして事故を起こしたのではないかみられている。
特に、2週をおいて相次いで発射が失敗したため、これを管理している金洛兼(キム・ラクギョム)戦略ロケット司令官などに対する問責は避けられないのではないかとの指摘もある。』
中央日報日本語版の見解では、ミサイルの不十分な管理が問題であるとの事ですが、化学的に申し上げるならば、ロケットの液体燃料として多用されているUDMH(非対称ジメチルヒドラジン)を燃料とし、N2O4(四酸化二窒素)を酸化剤として使うことは以前から世界で広く行われていますが、その管理方法などのノウハウが全くないか、またはその技術が未熟であると、筆者は見ています。
北朝鮮から亡命した脱北者の著書などを読めば分かりますが、ゴムパッドや電子部品、電線ケーブル一つでも日本製は信頼性が高く、北朝鮮のものは信頼性が全く無くて駄目だということです。
ましてや、ロシアから導入した潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)を原型とするムスダンと推定される中距離ミサイル(IRBM)であれば、ノズル、外壁、噴射制御装置などの品質管理や性能管理をしっかり行っているかどうかも怪しいシロモノです。
JAXAにて各種ロケットのノズル系統などを見学させて頂いた経験や知見に基づいて筆者が申し上げるなら、移動式の弾道ミサイルの管理はかなり厳しい環境下に置かれるので、決していい加減な管理は許されず、部品や資金の不足があればトラブルは避けられません。
以上の理由により、北朝鮮の中距離弾道ミサイルの発射が連続失敗の背景には、各種技術力や製造力の不足だけではなく、いい加減な管理、部品や資金の不足があるのは否定出来ないのです。
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北朝鮮で金正日の元専属料理人が金正恩第1書記と会談 これから見える北朝鮮の現状と意図とは??
北朝鮮が4月に入っても挑発行動を繰り返し実施しています。
そのような中で、今月、北朝鮮で金正日の元専属料理人が金正恩第1書記と会談していたことが明らかになりました。
弾道ミサイルの発射などが続く中で、これから見える北朝鮮の現状と意図とは??
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『北朝鮮が28日午前6時40分ごろ、江原道元山(カンウォンド・ウォンサン)付近からムスダンと推定される中距離ミサイル(IRBM)を発射したが、直後に空中で爆発したと軍関係者が伝えた。
この関係者は「韓米情報当局がきょう(28日)朝、未詳の発射体が元山付近から発射された兆候を確認した」とし「しかし、発射直後に墜落したと推定され、発射に失敗したとみられる」と述べた。
北朝鮮は今月15日にも同じような地域からムスダンミサイルを発射したが空中で爆発した。韓国国防部当局者は、「前回失敗した後に十分補完を行って発射したものと判断されるが、短期間に無理に再発射を試みたものの失敗したと推定される」とし「金正恩(キム・ジョンウン)が先月15日に核実験と多様なミサイルをやれと命じた指示を履行しようとして問題が繰り返されているようだ」と説明した。
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だが、この2つは不十分な管理などで接触した場合に自然発火するだけでなく、毒性が非常に強いため管理が難しい。このため、北朝鮮が一度も撃ったことのないムスダンミサイルで武力示威をしようとして事故を起こしたのではないかみられている。
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中央日報日本語版の見解では、ミサイルの不十分な管理が問題であるとの事ですが、化学的に申し上げるならば、ロケットの液体燃料として多用されているUDMH(非対称ジメチルヒドラジン)を燃料とし、N2O4(四酸化二窒素)を酸化剤として使うことは以前から世界で広く行われていますが、その管理方法などのノウハウが全くないか、またはその技術が未熟であると、筆者は見ています。
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ましてや、ロシアから導入した潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)を原型とするムスダンと推定される中距離ミサイル(IRBM)であれば、ノズル、外壁、噴射制御装置などの品質管理や性能管理をしっかり行っているかどうかも怪しいシロモノです。
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