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我が日本はスペイン国王夫妻を罵倒するような国家になるな

2024-11-09 00:00:00 | 報道/ニュース
日本の天皇皇后両陛下は、正に我が日本の象徴であられます。

これを否定する日本国民は、いないでしょう。

貴方も貴女も、そのようにお考えでしょうね。

ところが、欧州は日本と違い、そうはいかないのです。


11月4日09時34分に産経新聞 THE SANKEI NEWSが「スペイン国王、泥と罵声浴びせられる 洪水被災地で住民の怒りの的に 死者200人超」の題で次のように伝えました。

『(前略)

【パリ=三井美奈】スペインのフェリペ国王夫妻が3日、200人以上が死亡した東部バレンシア州の洪水被災地を訪問した。支援の遅れに怒る住民が国王に泥を投げつけ、「人殺し」「帰れ」と罵声を浴びせる騒ぎになった。

騒動が起きたのは同州中部のパイポルタで、60人以上が死亡し、最も深刻な被害を受けた都市の一つ。公共放送TVEによると、国王が徒歩で被災地を歩くと数百人が取り囲み、警備隊ともみ合いになった。「なぜもっと早く来なかったのか。(10月29、30日の洪水から)4日もたっている」「何の防止策もとられなかった」と若者に詰め寄られると、国王は肩をたたきながら対話しようと試みた。レティシア王妃が泥を浴びた顔で、涙ぐむ女性を抱きしめる場面もあった。
(以下略)』


被災者の怒りは、ある意味で当然の事でしょうが、この怒りを理解するには、欧州の歴史的な背景、特にスペインの置かれた状況を理解する必要があります。

欧州は、古代ローマ帝国の隆盛と、その衰退により、「国家の基礎」が築かれ、その後は長く絶対王政や領主による貴族支配が続きました。

特に、スペインはポルトガルと共に中世では絶対的な世界支配をしていた程の国家であり、我が日本と戦国時代に遡る古くからの交流がありました。



日本では絶対王政は歴史的に経験していませんが、欧州では長く続いてきたため、現在でも国王=支配者、という、喩えるならばルイ14世~ルイ16世治世時のフランスのような政治体制や物の考え方が続いているのです。
現在でも貴族が幅をきかせていますしね。

スペインは、20世紀のスペイン内戦、その後のフランコ総統による独裁政治が長く続き、近年になって王政が復活した経緯もあるので、国王への反発心や反抗心も根強いものがありますね。

更に、その複雑な歴史や民族、地域間の対立、政治不信や経済の不振、移民問題等もあり、スペインは内外に大きな問題を抱え続けています。
最近筆者が出会った、あるスペイン人の若者も、スペイン国王や王室に尊敬の念は抱いていない様子でした。
今回の水害でも、スペイン国王や王妃には政治的な権限も責任すらも何も無いのですが、激しい批判は受けるという、実に気の毒なお立場に立たされているのです。


我が日本はスペイン国王夫妻を罵倒するような国家になるな




在京スペイン大使館 公式バナー
出典:同大使館 X


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