一月九日 2
また、向笠三之丞も諸職人に何かさせたり買ったりの支払額が夥しいのを捨て置いて伊勢へ旅立っていったそうな。
旅立つ前夜にはお金お払いくだされときた十九人を上に上げ一室にとどめ、酒を出し「今、客人ゆえに帰られるまで待たれよ」と言われて町人たちが酒を吞んでいる内に0時頃に向笠は旅立ってしまった。
皆々はあまりに遅いので取次人に事情を話してどうぞ「なんとかお払い下さい」と頼んだら、訳を知らない取次人は「旦那さんはもう出立されました」と言う。
皆々、それを聞いて呆れ、怒り、口々に悪口を言いながら帰っていったという。
岩井やという合羽やも人を雇い元手もかかり精出して日夜精出してこしらえたのに八百目を森吉で受け取れとのことで出向くと三分かえりとか言って八百目のうち二百目少し寄越しただけで難渋しているそうだ。
その他にも多くの左様な大迷惑をかけているらしい。
また、向笠三之丞も諸職人に何かさせたり買ったりの支払額が夥しいのを捨て置いて伊勢へ旅立っていったそうな。
旅立つ前夜にはお金お払いくだされときた十九人を上に上げ一室にとどめ、酒を出し「今、客人ゆえに帰られるまで待たれよ」と言われて町人たちが酒を吞んでいる内に0時頃に向笠は旅立ってしまった。
皆々はあまりに遅いので取次人に事情を話してどうぞ「なんとかお払い下さい」と頼んだら、訳を知らない取次人は「旦那さんはもう出立されました」と言う。
皆々、それを聞いて呆れ、怒り、口々に悪口を言いながら帰っていったという。
岩井やという合羽やも人を雇い元手もかかり精出して日夜精出してこしらえたのに八百目を森吉で受け取れとのことで出向くと三分かえりとか言って八百目のうち二百目少し寄越しただけで難渋しているそうだ。
その他にも多くの左様な大迷惑をかけているらしい。