「芝愛宕山」 (東京都港区愛宕)
右手に大きなしゃもじ、左手にすりこぎを持った人物は、落款部分に「正月三日毘沙門使」とあるように、愛宕神社の強飯式の中心人物である。強飯式は信者に大鉢の飯を食べさせる行事で、毘沙門天の使いと称する者が別当寺の真言宗円福寺に赴き、儀式を行なつた。図は、その行事のあとに六八段もあったという男坂を上り終えた場面である。仏教の四天王でもあり、愛宕山の地主神でもある毘沙門天になぞらえ、使者は頭に橙などの飾りをつけた兜ふうの笊をかぶっている。高台に位置するため、ここからは江戸湾を一望できた。
春日井市在住、1935年私的な挿絵等に全て自由にご使用ください。
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