ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

会津で遊んで土湯の山奥1軒宿でじっくりしみじみ温泉に その2

2011-07-17 16:37:52 | 旅日記

 会津若松から快適なR115を一山越えれば1時間半ほどでこけしでも有名な土湯温泉街に到着、大型温泉旅館が密集する中心部の橋を渡ってすぐを左折して細い坂道を登っていけば約5kmのクネクネ道を進むことになって、かなりの悪路にゆっくり走らせてヤレヤレと到着、その目的の宿は駐車場奥の斜面にひっそりと古めかしく建っている。冒頭写真がそのレトロな一軒宿不動湯だ。

 後で知ったのだが今回のルートは以前と変えていて、町道の舗装が3kmあって残りの2kmだけが宿の私道の未舗装道となっていて、これでも昔より走りやすくなっているということだ。ということは以前5月に来たとき山林の中にいっぱいカタクリが咲いていた所は通らなくなったのかなぁ。

 この宿は大正に建てられたという南京下見張りの木造がそのまま残り、正面の眺めの良い2階は昭和初期に平屋の上に増築されたとかで、我々はその4室続く増築の一番奥の部屋に通される。都会から予約すれば一番高いと思われるこちらになるはず、でも1万円そこそこのお値段ではありますが。なんでも私道の整備や冬の除雪は宿の負担で、そちらにお金がかかり建物は建替えられなかったのを、昔からのお客さん達がこのまま残した方がいいとおっしゃるので、腹を決めてそのままにしたと話す宿のお婆さん。電話予約で若い人はトイレ付きですか、シャワーはありますかと聞くけど、そういうのがないとダメな人は下の温泉街には近代的旅館がいっぱいありますからそちらをどうぞと言ってあげるのとも。うちは旅なれた方がほとんどという話しを聞きながら様子を伺えば、若夫婦らしきも継いでいるようでまずは安泰ですね。廊下を歩く飼い猫も20歳とはこういう宿に似つかわしい、空気の良いところでは長生きできるんでしょうかね、でも猫は犬より長生きだからね。

 洗面や便所ももちろん古めかしいままで共同ながら、水は冷たい山の天然水が美味しいし、トイレも一応水洗にはなっている。風呂の方も2箇所ある夫人専用は小さく家庭の浴室といった広さのようだが、それよりはやや大きいものの、あくまでもつつましい鄙びた風呂3箇所は混浴となっているのです。ただしここの良さは3種類の異なった泉質の自家源泉があり、それぞれ湧出する場所に浴槽が作られていて、スコブル付きのかけ流し鮮度抜群の湯にある。その代わりに斜面に沿って上から炭酸鉄泉の茶色の湯、中段には透明な単純泉、さらに最下段の渓流脇に白く濁った硫黄泉とかなりの長い斜面の勾配に合わせた不揃いな急階段を下らないと風呂に行き着けません。、

 それに最下段の硫黄泉だけは露天の混浴しかなく、中段の風呂場前の廊下から外に出て野積み石段をサンダルで下り切って、やっと入いることができるというなんとも有難いものになっていて、それも浴槽は4~5人が入れば満杯で、38℃程度の温い温泉は先客に占拠され長く入られたものならこの季節、外で待っては風邪をひくこと請合いということになる。しかし寒くなるとこちらの露天風呂は冷え込む時間帯は皆さん遠慮するらしく、翌日の早朝は中段の羽衣の湯には先客があるもののこちらは我々夫婦が最初のようで保温用木蓋を開けて、二人でジックリと湯に浸かり空が明るくなるのを待ちながら目の前の小滝と紅葉を楽しんじゃいました。こういう時の我が女房は不思議にいい度胸で、浴槽傍にタオルと浴衣を置いて入り、他人が来たらサッと着込めば大丈夫とへっちゃらなのです。この朝の硫黄泉の匂いはその日一日肌に沁みこんでいて、いかにも温泉が効いているようで有難味をさらに増すことと相成りましたぞ。

                       野趣溢れる露天の硫黄泉

 泉質と風呂の造りなど混浴の3つの比較印象は、モルタル造りで素気ない雰囲気の炭酸鉄泉はやや熱め、後々まで体のポカポカが続く暖まりの湯で一番上の入りやすい場所にあるしで老人向き、単純泉は大小の湯の花が混ざっているのがいいなぁと体が引締まる感じの湯で、浴槽は使い込んだ木製の中を仕切ってやや温め浅めの小浴槽もあって、ジックリも入れる一番大きい風呂だから家族でどうぞかな、露天岩風呂風の硫黄泉はそれこそ温いので景色を楽しみながら明るい時間にタップリ長時間浸かりたい柔らかな湯で、大きな湯の花もいかにも効きそうな中年以上の我々向きの温泉と、それぞれが個性があって好ましい。ただし足腰が丈夫なうちにというのは必須条件になるかな。

 今回は襖が間仕切りとなった大正期建築の広間兼用の部屋にも若い学生風や留学生らしき外人女性などが、ほかの部屋にも若い女性グループが宿泊していて、若い人達にもこういうレトロさが見直され、町家改装のレストランやショップが流行る昨今は宿でも人気が出てきたのかな。あの有名な乳頭温泉の鶴の湯もトイレはウォシュレットに改装してあるそうだが、江戸時代の雰囲気が残って人気ですからね。ここもそれに習って水廻りだけは奇麗にリフレッシュするともっと良くなるでしょうにね。

 宿の食事は部屋に足付膳に載せて出され、食材で海のものは朝食の塩鮭ぐらい、これなど山で出されても保存食だし昔は山奥への塩の補給輸送も兼ねた食料品だったんだから不自然ではありません。夕食は秋のキノコ中心に山の幸尽しで、メインは雉鍋と低カロリーながらかなり腹一杯になり、最後はご飯を軽く半盃でと納得の内容、酒は会津の榮泉でこれも結構でした。

     夕食

 翌日も朝風呂に2回も浸かり、つごう3種の温泉に全て2回づつとは温泉三昧を堪能できて、朝靄がかかる山の風景を見ながら朝食も美味しく食べて、山奥の一軒宿というのもシミジミといいもんだねぇと改めて実感しちゃう。

               2Fの窓から朝の景色

               朝食


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