魚だけ買出しに行くのなら那珂湊の方が種類は多いし値段もバカ安だしで銚子くんだりまで行くことはないけれど、春先のシーズンなど選べば通っていく道筋はイチゴ街道などと名付けられ、巨大で美味しいやつを売っているし、銚子名物旨いイワシ料理が好きという御仁であれば出掛ける手もあるんではと。
銚子までの道程は地図で見るよりも意外と遠くて、関東自動車道を出てから結構ダラダラと一般道を走ることになるが、この途中の東庄町あたりがイチゴ街道で、道路両側に農家の生産直売の小屋が旗をたてて並んでいる。ここで売られるイチゴは大きいものはピンポン玉を少し歪ました位のやつで、女房はあまりに大きいのは気味が悪いと中でも小振りの安いのを買ったことがあるが、甘味はこれでも十分で美味しいこと請合いである。
そこから先は一本道で、銚子へはそのまま中心街に入って行くのでやや混んでくることになる。銚子大橋からの交差点を過ぎるともう街中で、銚子駅前からの綺麗になった道にでて左折、突き当たって右折するとまもなくで第一市場前に魚屋が5~6軒並ぶ場所となり、市場前側に駐車してざっとどんな魚がいくら位か見ておいて損はないですぞ。
値踏みした後はもう一つのお目当てがあって、この場所の先の外れにある駐車場前に軽トラックを停め、その前に大きなポリバクツを置いて座っている変なオッサンが居たら是非立寄ってみることを勧める。この親父、蜆と蛤を自分で取ってきて1000円単位で売っているんですよ。その蜆はというと海蜆というやつでちょっとしたアサリぐらいの大きさがあって、味噌汁などにしてこれがめっぽう旨いんだ。2000円も買えば結構な量をサービスだー!と袋に入れてくれ、必ず泥抜き方法を聞きとりにくい話し振りで講釈をしてくれるので、適当に分かったふりをせずによーく聞き直して教えてもらって下さいよ。僕は教わった通りに、ここに来る時はスチロール箱や大型釣用アイスボックスを持参して、前の市場の海水が出る方の蛇口から海水を入れ、この中に蜆を漬けて帰って必ず一晩置くようにしている。次の朝これを何回も水を替えて綺麗になるまでよーく洗い(何回も水を換えながらというこれが大変で、女房にやらしたら文句の出ることオビタダシイから自分でやっているぞ)、一回に使う分づつビニール袋に入れて冷凍庫に保存すれば半年は大丈夫、多めに買ってくることをお薦めする。この汚れは蜆が食べるプランクトンだそうで、これを洗わず一晩置くと泥を綺麗に吐くんだそうで、水道水であれ錆釘を入れて1時間以上置いて塩水にして使えとも言っていた。これだけ書けばもうオヤジから聞かずにも済みますかね。<おそらく当時既にジイさんの仲間入りという年齢のオヤジさんだったからもうやっていないと思うが>
ここ第一市場の魚屋の2階などにも魚料理を食べさせる店がいくつかあるが、僕はここから少し戻った所を左折してすぐのイワシ料理が旨い小さな香海という店や駅前通にある老舗らしいかみちには何回か行った。あとは展望タワーに隣接するウォッセ21の2階のレストランは洋風魚料理もあって美味しかったのだが、最近は食べていない。そのウォッセ21にはさらに直進して大きく右回りして行けば案内板があるからすぐ分かる。その途中、東市場前には土曜日には夕市が開かれ、昼過ぎから始まって農産物なども売っているはず。ウォッセでは銚子の主要水産会社が出店していて、鮮魚、生マグロ、干物、鰯ツミレなどの海産物から銚子の名産品(大漁旗を模した染物もある)の販売や飲食店があるので、ここの魚の種類と値段を第一市場前と比べてから買うのが買い物上手というもの。またこれら水産会社の単独売店も別の場所にあって廻ってみたことがあるが、ここと同じ値段のようであった。ただ、ここでは練物しか売っていない嘉平屋はもっと先の売店に行くと鮮魚の販売をしているなどと、多少の違いはある。
ここから小名浜までの漁港付近の売店で、僕があれば必ず買うのがメヒカリという、緑色の目をしたハゼ位の大きさの深海で採れる魚。これは僕の故郷浜松でも時々焼いて食べた魚で、白身でも脂があってすこぶる旨く、一夜干になったものもあってこちらの方は唐揚げには向かないかもしれないが焼きやすいはず。かなり身が柔かいので注意して焼きましょうね、フライパンで焼けば簡単ではあるが、やはりサンマみたいに直火で焼いた方が美味しいんですよ。それに、小さな巻貝のナガラミの塩茹でや、小さくてもミソが旨いアサヒ蟹などの魚介類も是非買いたいもの。さらに刺身にもなる鮮魚(何種類かセットで売っている所もあるし中央市場側などで買い足すことも考えて)などもその時期お薦めを、あと必ず買うのがツミレ団子、これなど冷凍できるから多めに買い込むことにしましょうかね。また鰯のその他加工品など味見して買っておきたいものがいくつか見つかるはず、ここの鰯(浜松ではシラス、房総は目刺クラス、ここまで来て大きくなるのだそうだが本当かね)は何故か旨いのです。2階のレストランで食べるんだったらツミレ汁<以前は別途追加メニューだったが、そのあとは自由サービスとなっていたが今はどうか>は是非食べたいもの、いい味が浸みわたって旨いのなんの。
ウォッセ21までの道からも利根川の河口から海の方が覗け、風の強い日など波頭も大きく豪快な眺めが得られるはずだが、展望タワーに乗らないまでも屋上からの海を見て、次はやはり犬吠埼灯台の方まで足を伸ばして河口から太平洋を望み、海と海岸線の景色を是非とも楽しみましょう。この先端部近くには犬吠埼観光ホテルがあり、他にも外来入浴できる温泉旅館があるが我々は時間的に入浴する機会がこれまで無かった。またTVに良く出る回転寿司のしまたけが近くにあって、どんなものか一度食べてはみたが、評判通りの大きなネタがドカンと乗って、あれでは種類を多くはとても無理、一皿2カンを女房と一つずつにしてもねぇという大きさで、あくまでボリュームかという人にはいいかもしれないが、適度にということも考えてもらわないと、ここは好みの問題でもありますがね。あと銚子電鉄の旅がローカル線ということでよくTVで放映されていたことがあるが、僕自身は乗車していないのでそちらはまったく分かりませーん。
これで帰ってから魚を裁いて夕食とは、距離の割には結構往復時間がかかるので忙しいことになりますねぇ。
店データ
香海 銚子市中央町 6-30 0479-25-3703
かみち 銚子市西芝町 13-6 0479-22-5520
蜆売の丸石 第一魚市場前駐車場付近<今はおそらくでていないでしょう>
しまたけ 銚子市天王台 10195 0479-22-2862