ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

旧HPからの移行版***またまた静岡の隠れ家的鉱泉で宿2軒を比較 伊豆・駿河C 前半 2004.1.17(土)~18(日)

2014-06-23 16:10:42 | 旅日記

 またまた静岡油山温泉にぶらりと出かけ、もう一軒の宿、元湯館の方に泊ってきましたよ。こちら元湯館はTVでも紹介され囲炉裏で食事が売り、ここ続けて2年続けて始めにこちらに予約を入れようと電話したが満室とかでダメだったのが、今回は正月と3連休のあとということもあって空いていて、直前でも予約がとれた。主人が料理人でさらにイワナ養殖もしているなどと、TVの内容ではかなり期待できそうな話に、生憎の雪空を物ともせずにやや遅めの8時半に我家を出発した。

 東名高速では大井松田から裾野までチェーン規制で、4車線が南側の旧下り線2車線だけの通行となっていて、さらには一部区間が工事中で一車線と道中結構時間がかかって、工事していなかった登り側通行にすればもっとスムースなのにと、公団さんは何を考えているんですかねぇと女房が怒るまいことか、こんなだから民営化しなければいけないんですよ。

 11時も大分過ぎたので清水ICで降り、昼は河岸の市で食べることに。さすがこの日は空いていて、12時少し前でも例のおがわに待つことなく入ることができた。今回は刺身定食1000円なりを注文し、分厚く切られたマグロを頬張る。で相席の夫婦連れを見やれば、その奥方は鰻丼800円を食べながら鰻を頼んだのは私だけみたい、でもこんなに安いのに柔かくてタレも甘すぎずでとっても美味しい、マグロのお刺身もちょっとだけど付いているのも嬉しいとはしゃいでおられる。こんなのを見ると浜松出身の僕でも、次回はそちらにと思わずそそられるじゃありませんか。

                                刺身定食

 買物は明日にと市を出たもののこんな天気ではと、まずはここのところ2回続けて展示替えクローズで空振りした、登呂遺跡内にある市立芹沢介美術館に今度こそはと向かう。この美術館は白井晟一設計の建物もこじんまりながら素晴らしく、展示品も静岡市出身の人間国宝で民芸運動にも活躍した型染めの芹沢作品を中心に、作者本人が世界各地で自分の目で収集した民芸品など見事なものの展示もあってかなり見応えがあるのだ。でもいつ来ても来館者が少ないのはどうしてでしょう、やはり場所が不便だからでしょうか。僕ら夫婦は個人作品だけの美術館では、ここと酒田の土門拳記念館は建物と展示ともどもに好きなんですがねぇ。登呂遺跡も僕らが小中学校時代には、日本有数の遺跡として教科書には必ず載っていて、遠足などで訪れたものだが、今はもっと前の縄文遺跡で大きなものが発見され話題になって、こちらは霞んできたようで観光客がほとんどいませんものね。せいぜい美術館の方をもっとPRしたらどうでしょう、お役人さん。

                             登呂遺跡の復元竪穴住居

                            市立芹沢介美術館

                            旧芹沢邸を移築

 見終わって次は丸子にある駿河匠宿という施設に向かう。この施設は数年前にできたもので、漆器、陶芸、染、竹細工、指物、ショットブラストなど体験できる施設が中庭を取り巻くように配され、有料工芸館や販売棟、食事処などもある。体験は要90分程度のものが多いようだ。今回はざっと眺めるだけで、駿河の工芸は徳川家光が市内に今も威容を誇る浅間神社造営をするために、各地の職人を集めたことからは始まったということだけを勉強させてもらいました。この周辺には弥次さん喜多さんも食べた設定になっているとろろ汁で有名な丁字屋が街道筋にあるほか、北側奥には宗祇の弟子で今川家の連歌師匠だった宗長が晩年を送り、月が峰から吐き出されるようだと名付けた吐月峰なる旧跡もあるなど、かなり江戸以前を感じさせる趣が残るところだ。匠宿の裏手には西洋アンティーク家具を扱う一角に、それらで造作したレトロなカフェレストランや民芸と喫茶の古めかしい和風家屋の和楽なぞという店もあった。またこの時期にかなりの客がアイスクリームを食べていた森のミルク牧場なる店もあったりで、時間があればまだまだ楽しめそう、これで駐車料金1回400円さえ取らなければ立派なのにね。

                            駿河匠宿 

 そうこうするうちお時間もよろしいようでと、やや早めながら宿に向かう。前回泊った油山苑の奥、行き止まりの位置に今日泊る元湯館はある。宿の建物は何回か建て増ししたようで、宿泊棟は玄関からかなり長い登りの廊下を進んで、年寄りにはつらそうな最奥に2階建て8室ばかり。木造でやや古風になった漢字の部屋はそれでもバストイレが付いてかなり広めで、2階からの眺めがよくて桜のシーズンは狙い目と睨んだ。浴室と囲炉裏の食事処は玄関からの廊下の最初の棟に上下になっているので、これも部屋から遠くて何回も往復するとなるとえらいこっちゃと。また露天風呂が無かったので、静岡では珍しくも雪が降ったという時だったのに、雪見風呂としゃれ込むわけにはいかずで残念至極であった。風呂は男風呂の方が大きくて、18℃という源泉が常に岩からチョロチョロ流されていてのるめでいい感じ、でも女風呂は男風呂の大きさに合わせて温度監理しているため熱くなり過ぎるんだそうだ。女房曰く、客が少ない時には貸切スタイルにすればよいのにと文句を言ってましたよ。

                            元湯館

                             客室の窓から

 さて食事の方ではこちらも猪鍋がメインで、囲炉裏の炭火でグツグツというのはいいですねぇ、味噌が煮詰まってもしょっぱくならないのが不思議不思議であった。その他もかなり手が込んだ料理が最初から全部並べられているのは、その量からも圧巻ではある。でもそうなると案の定で、天ぷらやサワラ粕漬焼などは冷えていることに相成ってしまう。今夜の客は3組で5人だけと客数が少ないのに、いつもが忙しくてこの手でやっているのかもしれないけれど、何とか融通できないものでしょうかね。唯一鍋以外に温かかった茶碗蒸などは、ウニが入って旨かったのにと惜しまれますな。養殖しているという自慢のイワナはなぜか出ません、それはこの囲炉裏で保温すれば冷たくなったのを食べさせるはずはないでしょうから、売りなんだからサワラよりも良かったにね。さらに置いている日本酒が伏見の酒というのは頂けません、近くの藤枝、岡部、焼津の旨い地酒を置くべきだとよーく仲居さんに言ってやれば、お客さんによく地酒ですかと聞かれますからその通りですよね、女将に伝えますと、でも忘年会など地元客も多いらしいこの宿はよその酒のほうが良いのかもね。事実次の朝には別の広間で、昼の団体客用らしき料理の膳あつらえをもう開始していましたものね。

                             囲炉裏の食卓で

                             蓋物を取っての写真

 


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