一旦横浜に帰ってからまた戻ってきた信州の滞在後半では、一回ぐらいは日帰りの遠出しようかということになって、ゴン太も連れて一年ぶりぐらいとなる安曇野に、この日は北アルプスには雲が多くて雄大な山容全部は見通せなかったものの、山に囲まれているのに広々とした盆地の風景と豊富な湧水に暫し洗われるという一日となった。
軽井沢から安曇野へは一般道で三才山トンネルを通って松本トンネルに向かい、その有料道路の手前からR143に出て少しだけ旧四賀村方面に走って、公衆温泉の湯多里山の神の前を通り過ぎる道に左折してクネクネ道を走り、ぶつかって合流した犀川沿いのR19をまた少しだけ走って、光橋東で左折して安曇野は旧豊科に入って行くというのが毎回のコース。途中では農産物直売所に二ヶ所も立寄っても所要時間は2時間半までは掛からずに、最初の休憩を兼ねてプラザ安曇野に到着する。
全体は安曇野の里という複合観光施設で宿泊もあるというがそちらの中身は知らないけれど、安曇野在住の工芸作家の作品や隣接するあづみのガラス工房の作品などを展示販売するギャラリー喫茶やお土産や農産物の直売所などを漁ることにしている。それとここではまず安曇野の伏流水を流し出している場所で、ペットボトルにその天然水を汲ましてもらうことも忘れない。
プラザ安曇野
昔は無かった横の立て掛け看板にはこの水は日本の名水100選に選ばれたと書かれていて、有名になっちゃうと汲みに来る人が多くなっていて時には行列ができるらしい、いっぺんにあんまり多く汲んでいこうとする輩は顰蹙ものになるぞ。以前は汲む人は見当たらなくて、ペットボトル持参は僕ぐらいだったのにねぇ。
日本名水100選と
2Fにあるギャラリー喫茶は平日は我々が到着して暫く経った11時開店というのは遅すぎませんか、夏休み期間中は客が多いだろうからもっと早くオープンすればいいのにね。でもこの日の開店直後は11時でもガランとしていて、これでは昼までは客の入りは少なそうらしくてしょうがないか。
奥が喫茶スペース
1Fにある農産物やお土産などの売店の前には山野草や小灌木類など信州らしい植物を置いているのもここの特徴で、地植えしてダメでも惜しくはないぐらい安いのがあったら買ってみるんですよ。今回はタカクマホトトギスだけを、写真に黄色の花となっていたもんだから。店内では当然に名産のワサビを売っていますよ。
植物の販売
奥に隣接するあづみのガラス工房は多摩美術大学の施設という、中では吹きガラスなどの体験できるそうだが、8月も下旬の平日となると観光客はもう少ないようですな。工房内はガランとしていて、学生らしきが全部で三人で作業中であった。
あづみのガラス工房
工房内で作業中
ここにはもう一つ別棟があって、山岳写真家で蝶類研究家だったという田淵行男記念館があるのだが、いつ見ても入場者がいないみたいで僕もまだ入ったことは無い。
田淵行男記念館正面
連れて行ったゴン太を砂利の間から湧水が湧き出す場所のごく浅い場所に入れて見たら、冷たい水が気持ちいいらしく暫し場所を離れずウロツイテ、水を飲んだりと遊んでいる、しかし深い方には行かないで用心はしつつでなかなかにお利口さんだ。
ゴン太は水遊び
プラザ安曇野のあとは昼食を兼ねてと旧三郷村に、昨年の9月に食べたこむぎ亭は旬彩庵ふるやという名前に変っていて、この日の昼の時間帯は日差しが強くて、日陰が無い駐車場ではゴン太を車内に残して置けないと、食べるのは少し遅くなっても別の所にしようということにして、すぐ向かい側にあるHANAフラワーパークにゴン太は抱いて少しだけ立寄って行くことに。
HANAフラワーパーク入口
ここも一般の園芸種以外に山野草だけの販売ヤードがあって、屋根を遮光して中はクーラー風で温度調節しているからゴン太もこれなら一息つけると、この時期は多くは売れ残りだから値引き札が付いていて欲しかったものがあればお得だと思う。
山野草ヤード
そのヤードの一番手前には立派な鉢物や流木に寄せ植えした見事なものなども売り物として並べてあったが、この流木に寄せ植えは確か5万円ぐらいしていたんじゃないかな。こんなのを家に置いたら誰かが留守番しなくちゃいけなくなるシロモノだ。
高価な売り物も並ぶ
HANAフラワーパークからほど近くには松本の開運堂がやっている菓遊庭という店があって、女房が少し買いたいというので立寄ったら、ここには皆さんへのサービスでというのか湧水を汲める場所が店先にあって、駐車場に停まっている地元ナンバーは買物客よりも水汲みが目当てというほうが多いみたいで、老舗は太っ腹だねぇ。
手前のパイプから湧水が
そのあとは昨年探して行こうとしたらナビが分からなくなってしまい諦めた蔵久という店に、新しいナビはやはりお利口になっていて行き着いた場所は初めてだと実に分かりにくい場所であった。登録文化財という立派な古民家を店にしているがメイン商品はカリントウというのが面白くて、ほかには蕎麦が食べられる座敷や軽食喫茶の離れもあって、よくぞこれだけのをと驚く、これなら開店した時にはニュースでも取り上げたはずだと納得しちゃう。ここには目立たない方の駐車場には木陰があったが、地元客は良く知っているから満車になっていて、しからばとアッサリと蔵久での昼飯は諦める。
蔵久の本棟建物
中庭を挟んだ離れの棟が
それではと日帰り温泉も利用しながら昼食も出来てという施設で、駐車場はすぐ斜向かいの神社の林間の木陰に駐車できる松川村のすずむし荘に向かって1時半には到着。すぐに併設のレストラン鈴音でランチを、これが結構ボリュームがあって腹一杯に、でもすぐに温泉にとは消化に悪いことではあった。ここの温泉は馬羅尾天狗岩温泉という少し離れたところから引き湯しているというラドン含有の単純低放射能温泉、もうかなり前には宿泊もしたことがあるが、そのころよりもヌメリ感は少なくなっているような、着替え室などの内装はクタビレてきていて、そろそろリニューアルして総合的に改善しないといけませんぞ。
すずみし荘全景
松川村はスズムシの生息地として有名で、そのPR看板もあって、それで施設名にもすずむし荘としたわけだ、毎年通販で全国からの注文を受けているという話も聞いたことがある。
すずむし自然生息地とPR
安曇野の最後は川を渡って東側にある池田町の斜面に広がるクラフトパークに、ここの町立美術館は北アルプス展望美術館と名前を変更したように、北アルプスの眺望では一番じゃないかという場所、とにかく安曇野の盆地の広がりの向うに雄大な来たアルプス一望というロケーションは眺めを楽しむだけでも来る価値がある。冒頭写真はその180度パノラマである。
全体案内図
やや南方面の眺め
美術館の園内には犬は入れないようにとあったが、すぐ手前の芝生ならとちょっとだけゴン太を連れて行ってやったら、草地以上に芝生は気持ちがいいようでこんな格好で嬉しそう、お粗相はさせないようにしたからね。
ゴン太は腹ばいに転がって喜ぶ
帰りは青木峠越えをしたから時間は曲がりくねった山道で三才山経由より掛かってしまったが、途中は2台しかすれ違いしないような通行車両が少ない道路で改善は望めそうにないですな、改良するとなるとトンネルを掘る以外には方法が無さそうで費用が問題だものね。