このホテルでは希望者には崖下の日本一大きい海蝕洞門という白門洞門を巡るおよそ４０分の早朝散策ツアーがあるというので一行の半数ほどが参加する。まだ開けやらぬ６時２０分スタートとあってこの時期は特に日の出が遅く、懐中電灯持参で地元の案内人に自生する亜熱帯樹木や台風時の話など聞きながらのコース案内、洞門は薄暗い姿を見るのみでしたが気分は爽快になって、この日は暖かくてよかったですねぇ。
旅行三日目も８時には出発してすぐの足摺岬公園にまず到着、この地出身のジョン万次郎の銅像にまず迎えられ、太平洋に向って建てられた灯台までをグルリと回って、駐車場前の四国霊場３８番札所の金剛福寺にこのパック旅行で唯一の霊場お参りとなる。多宝塔もある立派なお寺さんで、バスガイドさんに四国霊場８８箇所の寺は皆こんなに大きいのかと訊いてみれば、かなりマチマチでここは大きいほうだそうです。
ここから次のトイレタイムの四万十市のドライブインまでに３７番札所岩本寺があって、さきほどの足摺の３８番金剛福寺とは１００ｋｍ離れるという遍路道で一番距離がある行程なんだそうだけれど、この旅行中でこの間だけお遍路さん発見、歩くお遍路さんと自転車のお遍路さんの姿を車窓から見つけましたが、冬場のこの時期はお遍路さんも少ないとか。我々は霊場逆周りをしていることになったのですが、一番がある徳島県で発心、次の高知県が修行、そして愛媛県は菩提、最終香川県は涅槃の霊場巡りというのだそうです。それにしてもこの３日間の瀬戸内バスのガイドさんは経験５年ほどらしいのですが、かなりの時間をしゃべりまくってもうベテランの域になっていましたよ。
須崎経由でまた現れた高速道で高知市に入り桂浜手前の珊瑚会館で昼食と土産物タイム。こういう旅行では昼食はオプションがお決まりですが、その場所では他の選択があまり無いことやすぐ食べられて楽なこと、またお値段も安め、昼にご馳走では夜に差し支えるしで、パック旅行はそれに乗ったほうがいいようですね。次は桂浜、日本一大きいという坂本竜馬像を眺め、これが青年団の呼びかけの寄付で建ったことを知り、さっきの万次郎や今回は行かなかった室戸地域に中岡慎太郎の像があるというしで、高知県には戦前日本のように銅像が喜ばれる土地柄がいまも残っているのでしょうか。ここもしばしの海岸砂浜の自由散策で、名物にしては勝手に持帰っていっていいという五色石を拾ってバスに戻る。
高知市街に戻ってバス車窓から唯一大手門と天守閣が両方で現存するという高知城脇を通り、何ということも無い小さなはりまや橋にはこれがあの有名なと呆れながら市街をあとに高速に乗り、この旅行最終の観光地大歩危に向う。ここ高知は土佐漆喰、土佐造り建築が多く残る職人の活躍する土地、土佐和紙なども有名だしで、そういうものが見られる工芸会館みたいなところも見学したかったし、次回は有名な日曜朝市も狙ってみましょうか。
山に分け入ってから高速を降りて東側の一般道を北上して祖谷川の渓谷は平家落人の里伝説があるところ、今回の旅行中に愛媛、高知の山の斜面のかなり上のほうに人家をよく見つけたけれど、ここの川沿いは観光施設だけが渓谷崖上にあぶなっかそうに建つだけで、その他の人家は見上げるような斜面の上のあちこちに点在、こういう情景が落人の隠れ住んだということになったのでしょう。ここもちょっとだけの見物でかの有名なかずら橋まで行く時間は無し、もう更新の天然素材がなくなってきたという吊橋の見物はお預けで出発、あの甲子園での山彦野球で有名になった池田高校のある町のＩＣから高速に乗り一路帰りの徳島空港に向う。
高速道では脇町ＩＣの看板を見つけここにも寄ってみたかったなと思いながらあっという間の６時半に空港に到着。夕食をとる時間もない待ち時間でＪＡＬ便に乗り込み５０分のフライトで羽田着。リムジンバスで午後９時には我家帰還とは忙しくも便利楽チンな旅行でしたね。
次の四国旅行では本当に旨い讃岐うどんを食べ、善通寺、丸亀城、松山城、高知城を組み入れ、道後温泉にゆっくりしてから内子と砥部を訪ね高知市内は朝市も目当てにして産品を探し、徳島は祖谷温泉にでも泊まって脇町の卯立の町並みや藍染の伝統などを見て回りたいものです。
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