熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

会員しろ猫エッセイ

2023-10-10 00:00:01 | 会員エッセイ

               非日常は疲れます

定年になったら、あれもしたいし旅行もしたいと、夢は枯野を駆けめぐったものでした。日本中を車で旅をという夢のような話に夫婦で盛上がり、早速行程表作りを始めました。ある日道路地図の距離計算をしていた妻が、「こりゃつかれるわ」と言い始めたのです。25泊目で紀伊半島あたりをウロウロという話で、1県あたり数ヶ所の名所を巡るのは容易ではないと言い出したのです。

ならば旅行が可能な期間に数日単位で地域を区分しながら、年に数回出掛ける方法がいいのではという話になりました。そしていずれの日か気がついたら47都道府県を制覇していたというのが現実的だということになりました。年に数回長くて1週間短いときは2泊くらいの旅を続けてきました。あれから23年が経過し、北海道から沖縄・西表島まで42府県を廻り、いつでも行けると油断した首都圏5都県を残すのみとなりました。

コロナ禍明けの今回は、四国愛媛エリアの訪れていない地域を2泊3日で周りましたが、史跡等に付きものの階段の登り降りに、体力の衰えを実感させられました。いつでも行けるはずの首都圏も、夫婦共々のフットワークの衰えとあの喧騒を思うとき、いきなりハードルが上がったことを感じました。

日常を忘れてしばし非日常に遊んでいたつもりが、いつかワンパターンの日常に安心感を覚える自分になっていることを知りました。

何処で脱ぐ何処で捨てよか靴の石・・・しろ猫

       

                             独り旅景色ばかりのフォト日記 Y 

日本地図の赤丸が行ったところ。

 


会員エッセイ

2022-12-04 00:00:01 | 会員エッセイ

   🌏宇宙から地球を見るということ

東西冷戦の頃、超大国は核やミサイルの開発競争から宇宙開発競争へと進み、半世紀前には月面着陸も成し遂げました。ロケットも人工衛星も月着陸も世界中の人々は驚きの目をもって空を見上げていたのです。もちろん私も胸をときめかせていた一人でした。やがて後発の国も衛星を保有するようになり、見上げていた空から、今度は雲に包まれた青い地球を見下ろすようになってきたのです。地球というものへの見方が変わった一瞬だったと思います。地球を俯瞰的に見ることで、人々も世界の指導者の意識も変わるのではと思われました。

しかし、現実を見るとその考え方は夢物語だったようです。核戦争の可能性は冷戦当時よりむしろ危機的状況にあると言えるようです。今や核の脅威はそこにあり、宇宙を舞台にした人間同士の戦いも現実のものになりつつあります。

宇宙の平和利用という言葉も、そうした人間の弱さを自覚するゆえに叫ばれたことだったのでしょうか。青く丸い地球を宇宙から眺めた人類の体験は何だったのだろうと思います。丸い有限の地球を映像として眺めながらそれでも変われない世界の指導者とは一体何なのだろう。そうした指導者に異を唱えられない人間の集団とは・・。

人間は神が造った試作品・・・しろ猫

神はまだ完成品をめざしてテスト中なのでしょうか。

                by完成品または試作品   


会員エッセイ

2022-10-03 07:42:10 | 会員エッセイ

    🍜「こだわらない」にこだわる  

テレビを見ていると「こだわりの○○」とか「究極の○○」という文字が目立ちます。例えば人気のラーメン店紹介では、究極の麺やスープを追求する親父さんの徹底した食材の吟味や仕込みの技が披露され、タレントが大袈裟なリアクションをしてスタジオ一堂が喜ぶお定まりのパターンです。

コロナ以前の千客万来の頃、あるキー局でこだわりの店主への質問で「嫌だなと思う食べ方をするお客は?」という質問に「ちょっとだけスープを啜る同業者らしい客」「味見もせずにいきなり常備の薬味をどんどん入れる客」「スープを残す客」などの様々な答えがありました。

一人だけ「嫌いなお客はいません」というのがありました。「どんな食べ方をされようがお客様の勝手です。お金を払って食べて頂く、ご来店頂くだけで有難いことです」の答えにスタジオ騒然、親父さんの術中に嵌まっておりました。

いま一つは、ローカル局の食べ歩き番組で、こだわりを訊かれた店主が「こだわり?全くありません」と答え、「ラーメンにこだわりは必要ありません。お客様に食べて頂くだけです」と続けたのです。その直後に出されたラーメンを、一口啜ったレポーターの一言が苦しそうでした。相手の売り・こだわりが不明なのでリアクションの取りようが無かったのでしょう。当節の番組のこだわりに対抗して「こだわらない」にこだわるモッコス振りが見事でした。

焼酎の堕落うんちく多すぎる・・・しろ猫

 by しろ猫


会員エッセイ

2022-06-28 08:44:55 | 会員エッセイ

       よく頑張りましたね~

年に一度は夫婦共に人間ドックを受けています。今年は6月末になりますが、この期日は胃カメラの空き具合で決定されているようです。

若い頃に、胃透視のバリュームの排出困難に直面して以来、胃カメラ派に転向しました。その頃の胃カメラは大きく、しかも喉麻酔だけでしたので、飲み応え十分でした。

定年後のドックあたりから、喉麻酔の他に鎮静剤を注射すれば楽だと勧められ、使うようになりました。カメラの小型化などの技術の進歩と鎮静剤のお陰で胃カメラの苦痛はほぼ無くなり喜んでいました。

ところが、昨年から「この鎮静剤をやめてみないか」と勧められたのです。検査後に高齢者の転倒事故が散発しているそうで、「是非鎮静剤無しの検査にチャレンジしてみませんか」とのこと。以前の方法に戻るだけなので快諾したものの、それなりに神経は鋭敏でカメラの喉越しもシャープに感じられました。ビールならさしずめ、コクがあってキレが良いといったところでしょうか。

検査後に担当医と看護師さんに、「よく頑張りましたね」とおおいに褒められて、いやがうえにも老いを自覚させられました。多分、今年も昨年並に勧められ、格好つけて空元気を出すことでしょう。

妻は、ちゃっかり鎮静剤の注射をしていますが・・。

喉ごしが良くてカメラが癖になる・・・しろ猫 

   Byしろ猫


第2回 熊本県川柳研究協議会川柳大会開催なる

2022-05-23 21:05:31 | 会員エッセイ

さる5月22日、くまもと県民交流館パレア(鶴屋東館9階)にて本研究協議会(黒川孤遊会長)主催の大会を開催しました。一昨年の2月開催の第1回大会が直前に誌上大会に移行せざるを得ない状況となったあと、久しぶりのリアルな大会開催となりました。九州各地、大阪、和歌山などから選者さんを含めて93人が集い楽しみました。

熊本出身の八代亜紀さんの歌をバックに、熊本県の川柳の歴史や活動状況の映像が5分程度流れた後、徳丸浩二の司会で会長の黒川孤遊の挨拶から始まりました。

  

  落合さん差し入れの天草枇杷

■初めに川柳「塔」副理事長・木本朱夏さんに「私の川柳」の題で講演をいただきました。朱夏さんは幼いころから本に触れ、詩作、童話、日記など書くことが大好きな少女でした。高校生の時は国語の先生との出会いが大きく、短歌も深く学ばれました。その後も詩や小説を書くなど、常に文学と寄り添いながら歩まれています。40歳代に新聞やミニコミ誌に俳句や川柳投句を始めて、川柳「塔」の指導者との出合いが川柳の道に入るきっかけだったそうです。講演の後半は選者のお一人である森中惠美子さんの句集『水たまり』から数句を挙げて鑑賞されました。

■披講 (上位句のみお知らせします)

「パレード」 北村あじさい(熊本)選

準特選2 パレードの最後尾には兵馬俑 真島久美子

準特選1 武者行列お触れ太鼓にある矜持 杉野 羅天

特  選 張り詰めて期待昂るファンファーレ 田中 賢治

「そこそこ」 古谷龍太郎 (福岡)選

準特選2 そこそこの罪は持ってる背の丸さ 間瀬田紋章

準特選1 阿と吽の呼吸仲良くやってます 木本 朱夏

特  選 腹八分あたりで今日を舞い終える 小川 清隆

「抜  く」 小代千代子 (大分)選

準特選2 修飾語抜きで吉報跳んでくる 平田 朝子

準特選1 栓を抜く私はいつも終い風呂 髙尾 乙女

特  選 核心に触れたページが抜いてある 間瀬田紋章

「究 め る」 間瀬田 紋章 (宮崎)選

準特選2 透明人間の車が町走る 森永可恵子

準特選1 哲学を究め尻尾をかじる蛇 古閑 萬風

特  選 つきつめてみれば孤独な葦である 木本 朱夏

「自 由 題」  森中惠美子 (大阪)選

準特選2 人生とは人生とはと寝ています 矢村なお美

準特選1 薬にも毒にもならぬ友がいい いわさき楊子

特  選 色をなくしたウクライナのひまわり 井芹陶次郎

「 緑 」(字結び)出席者全員1句提出。全句発表誌に掲載。

 

3月19日から開催されていた花とみどりの祭典「第38回全国都市緑化フェア(くまもと花博)」もこの日に閉幕しました。

心よりお礼申し上げます。 一同