熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

会員しろ猫エッセイ

2023-04-28 07:42:47 | 川柳一般

         親切な音声案内 🍃

我家は町内の農家から米を購入しています。地産地消というわけです。

届けられた玄米は、普通10Kgくらいずつ近くのコイン精米機に持込んで精米しています。精米したばかりの米はいつまでも新米の風味が楽しめるのです。この精米機は「いらっしゃいませ!」から始まって、精米の要領、作業の進捗まで音声で案内してくれます。毎回のことで少しうるさく感じられるほどです。セルフレジと似た感じといえば分りやすいでしょう。

ところが、このコイン精米機が震災後の再開発で撤去されてしまったのです。しかたがないので探し当てた隣の町内のコイン精米機は、米を投入しお金を入れてもまったくの無口で、進捗状況もわからず、突然ガタンと機械が止り終了らしいと自分で判断しなければなりませんでした。以来その機械は避けて遠くの喋る機械まで2年ほど出向きました。

最近再開発が終了し集合店舗ができ、その駐車場の隅にあの喋る精米機が帰ってきて大喜びとなりました。うるさい指図の声が頼もしく安心できる声に聞えてきたのです。私達は目や耳で絶え間ない案内情報のなかで生活しています。この便利さに慣れてしまって、自分で判断し行動することが下手になってしまっていることに気づかされました。今やNHKのニュースもAIの音声が流されています。

便利さの享受と判断能力の堅持、難しい時代になりました。

AIに金太郎飴奪われる・・・しろ猫

 熊本県阿蘇杖立温泉(つえたておんせん)の杖立川にかかる鯉のぼり byしろ猫

AIにちょっと似てきた妻の声  Y   


いまごろの植物

2023-04-26 08:36:14 | 川柳一般

ものの本によると新暦4月20日ごろは穀雨とあります。この二三日降りましたね。

メール、ライン、ブログに到来の写真などからご鑑賞ください。

 ドウダンツツジ(満天星)の大木 あじさいさんから

 スズラン あじさいさんから

スズランの花に偽りなどはない 市岡靖之助 (川柳データバンクから)

 ヒメヒオウギの群生 楊子撮影

 

 白藤 楊子撮影

藤の花だらり時間は長くない 松島巳女(川柳データバンクから)

 

 カラー 楊子撮影

 

 ジャーマンアイリス 楊子撮影

 

 ホオズキ(鬼灯)の花 楊子撮影

ほおずきの花ひそひそと先のこと 小川千枝子(現代俳句データベースから)

 

 甘夏蜜柑の花 楊子撮影

夏みかんの花が少年期を揺する 高畑俊正(川柳データバンクから)

 

  紅葉の若葉 楊子撮影

 

  ムラサキカタバミとヒメヒオウギ しろ猫さんから

 

 黄スミレ(阿蘇の野焼き跡にて)しろ猫さんから

勝ち組に負け組わたしすみれ組 片野晃一(川柳データバンクから)


『近・現代川柳アンソロジー』より

2023-04-21 20:26:01 | 川柳一般

草むしり無念無想の地を広め  井上信子

 今から六十五年ほど前に書かれたようです。

このさきを考へてゐる豆のつる  吉川雉子郎

 のちの吉川英治さん。

音もなく花火のあがる他所の町  前田雀郎

 花火に誘ってくれた友人への、詫びのハガキに添えた句。

わくらばのいちまいにまいいぬのしり  高田寄生木

 すべてひらがなでかかれていてことばであることをみうしなってしまいそうになります。

フライパンの重さと春の水平線  加藤久子

 この句は、アンソロジー『はじめまして現代川柳』未収録。

残業がなければ川を見て帰る  楢󠄀崎進弘

 楢󠄀崎さん、楢崎さん、どちらが本来の表記なのでしょう?

鏡から小人が駆けてくる時間  坂東乃理子

 このかたの句集も新規参入組には入手困難なので助かります。

 

                しまもと莱浮(抄出)

 最後に。私が購入した初版本には訂正箇所が十六箇所ありました。初版本をお持ちのかたは、付属の正誤表を確認されることをおすすめします。

 

『近・現代川柳アンソロジー』 桒原 道夫/堺 利彦 編 新葉館出版 2021年12月21日初版 より

 


「壺」32号発行

2023-04-16 00:00:01 | 川柳一般

    熊本番傘お茶の間川柳会「壺」32号 が発行されました。

             

◇巻頭言  黒川 孤遊 

 「井の中の蛙」でいいのか

  外界を知り、柳友と交わる。そんな川柳の楽しみ方を味わってほしい。

◇壺の詩

風に乗り聞えてくるよ早春賦   南  高志

童心に戻り夫婦でいちご摘み   高木 遊楽

健康は友達と言う常備薬     佐藤 后子

春のドラマ風待草が香りだす   宮本 とも

 

◇川柳の間口②     いわさき 楊子

◇川柳の教科書     岸本水府の『川柳読本』より

◇私の好きな川柳    長崎番傘 平井 翔子

◇私の川柳創世記    川柳くろがね社  安川 聖

◇句集「汗牛充棟」   古閑 萬風

◇流花 女性川柳家伝  変身願望を川柳に託した 宮川 蓮子

◇お茶の間の団欒    菊池恵楓園に勤務 看護師として19年6ヵ月 岡田 理子

            ポジティブ思考で   薄田 保子

◇創立10周年協賛 暑中見舞い広告へのご協力のお願いとご案内

                                 (レポート 草間 呱呱)


第十一回卑弥呼の里誌上川柳大会

2023-04-12 00:00:01 | 句会・大会

はや第十一回となった 卑弥呼の里誌上川柳大会(主催:卑弥呼の里川柳会)の冊子から

              

合計902名というマンモス誌上大会。熊本からは15名参加。

10人の各選者の特選のみ紹介します。九州にも新風到来です。(Y)

「自由吟」森山文基選   薄荷でも乳房でもない雪のいろ  澤野優美子

「自由吟」大西康世選   春愁をキリンの首と分かち合う  萩原 良子

「熱 い」佐藤岳春選   九条の精神「イマジン」を歌う  北島  澪

「熱 い」鈴木順子選   今日は今日同じ熱さは二度とない 川瀬きみ子

「リズム」小林信二郎選  編み棒の先から虹色のマフラー  一戸 涼子

「リズム」赤松ますみ選  メトロノームこんな人生いやだなあ 阪本ちえこ

「 陸 」川合大祐選   僧帽筋を大陸と認めます     山上真悠子

「 陸 」樋口由紀子選  原っぱが祖母になるときガラパゴス 守田 啓子

「 乱 」横尾信雄選   乳房いま母かおんなか髪を梳く  若林 柳一

「 乱 」木本朱夏選   繰り返す歴史 先祖の乱杭歯   夕  凪子 

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※関連情報

・第9回については議論集をWeb上の<川柳本アーカイブ>で読むことができます。

・<わかば川柳会ホームぺージ>には真島久美子さんのエッセイ「初恋抄」が毎月更新されています。

第十回卑弥呼の里女流川柳大会開催予定。 2023年7月30日 於 吉野ケ里公園駅コミュニティーホール

「川柳の話」(発行人:月波与生 編集人:真島久美子) 現在第3号まで発行。

・真島久美子と月波与生のふたり川柳句集『いちご畑とペニー・レイン』第1集 2023年6月発行予定。

・Twitter句会「さみしい夜の句会」から『さみしい夜の句会』第2集(真島久美子さん句評担当) 2023年5月発行予定。