熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

令和3年噴煙川柳大会 が開催されます。

2021-09-28 00:00:00 | 句会・大会

開催の問い合せが多いようですが川柳噴煙吟社主催の上記大会は開催される予定です。

熊本県は新型コロナウイルスのまん延防止期間が終了してひとまずのところです。リアル開催にあたり、当事務局の方々もいろいろと気を遣われることでしょう。

ところで、事前に投句はすでに締め切られています。出席者題「デビュー」2句をご用意してご参加ください。出句用紙は事前投句用紙といっしょにすでに配付済みです。昼食も各自済ませてご参加ください。

と き 令和3年10月3日(日) 12:00から受付開始 13:00大会開始

    12:45までに出席者出句「デビュー」を済ませること。*出席者出句分も成績に含まれます。

ところ 熊本市民会館シアーズホーム夢ホール 2階 大会議室

 (黄色彼岸花 あじさい撮影)


第35回国民文化祭・みやざき2020 入選作品集

2021-09-23 19:38:37 | 句会・大会

昨年予定されていた大会が今年に延期となり、しかも大幅な内容変更に、お世話された宮崎の方々のご苦労はいかばかりだったかと推察いたします。お疲れ様でした。熊本人の事前投句入選句をお知らせします。

『メダル』浪越靖政 選

(佳 作)長生きのメダルだったら貰えそう  松村華菜

『牛』熊谷岳朗 選

(佳 作)専守防衛殺意など無い牛の角    長瀬狂

『高千穂』西岡南風 選

(準特選)高千穂は寝台列車夢運ぶ      池嶋元子

(佳 作)高千穂に龍馬の高い志       森永可恵子

(佳 作)神々のお告げ民への応援歌     北村あじさい

(佳 作)神話から心の遺産掘り当てる    いわさき楊子

『趣味』伊達郁夫 選

(佳 作)趣味だけを書いた名刺を持っている 村上和巳

(佳 作)趣味一つ心の隙間埋める糧     村上耕一

(佳 作)趣味の道ホームステイであげた腕  杉村かずみち

(佳 作)究極の趣味は寝ること食べること  山本あかね

『遊ぶ』金子美知子 選

(佳 作)日暮れまで鬼ごっこした昭和の子  北村あじさい

(佳 作)生き甲斐になった遊びのはずの筆  徳丸浩二

(佳 作)キャッキャッとはしゃぐ声待つすべり台  森永可恵子

『忘れる』森中惠美子 選

(佳 作)人の輪にあった平和な忘れ物    太田黒文采

(佳 作)あまびえよコロナ退治を忘れたか  福田遊心

『神話』黒川孤遊 選

(佳 作)神様も人に言えない事がある    山本あかね

(佳 作)深層を手繰る神話の奥深き     太田黒文采

 

※本ブログの2021.7.12にもみやざき大会の様子や上位句を掲載しています。


『椿守』復刻

2021-09-18 22:40:14 | 川柳一般

 

 八木 千代(やぎ・ちよ)さんの『川柳句集 椿守』が復刻されました。

 

   

 

 この句集は、1999(平成11)年に葉文館出版より発行されました。  

 また、2012(平成24)年には、あざみエージェントより、未収録七句を加えた『椿抄』として発行されました。

 しかし今となっては、どちらも手に入れることが難しい状況でした。

 2021(令和3)年7月より、川柳塔 電子化事業の一環として、データファイルをパソコンに取り込んだり印刷したりすることはできるようになりました。

 https://senryutou.net/wp-content/uploads/2021/07/tubakimori-yagi.pdf

 資料として参照できるようにしてくださったことは、とてもありがたいことです。

 

 ですが私も昭和生まれのせいか、かなうならば紙の本というかたちで手許に置いておきたい、と思っていたのも正直なところでした。

 このたび 満天の星現代川柳叢書として復刻されると聞き、早速買い求めたしだいです。

 あっというまに付箋だらけになりました。

 復刻版ならではの要素として木本朱夏さん、桒原道夫さん、月波与生さん のトリプル解説が楽しめます。読みの勉強にもなってうれしいかぎりです。

 

 木の机 鳥の匂いがしてならぬ

 桃の咲く丘は線路のずっと向こう

 まだ言えないが蛍の宿はつきとめた 

 どうしても眠れぬときは木を植える

 椿守 死なぬ限りは椿守

 

著者略歴(句集より一部抜粋)

 本名 信子

 大正十三年一月二十九日生まれ

 昭和三十九年 川柳を始める

 昭和四十年 川柳塔同人

 平成四年 鳥取県川柳作家協会副会長

 

 

 満天の星現代川柳叢書2

 川柳句集 椿守  八木千代

  https://www.amazon.co.jp/dp/4910541012

 

 

                                      (しまもと莱浮)

 

 


東北の川柳誌「川柳 信濃川」

2021-09-14 08:23:42 | 川柳一般

月例投句句会専門誌「川柳 信濃川」

平成十六年創刊、毎月発行の比較的新しい柳誌といえるでしょう。代表は新潟県の相田柳峰さん。

はっきりとした独自の川柳理論をもつ柳社です。最初から座をもたず投句句会専門です。定型のリズムを尊重し、破調句、不定形句は否という姿勢が貫かれ、柳誌にはっきりと記してあります。

2021年9月号に200号記念の誌上大会発表がありました。大会の題は「拗音の入った句」2句。全国各地から712名もの投句があり、熊本からも17名の投句がありました。大会の上位8句を紹介します。(Y)

自粛にも慣れてじっくり豆を煮る   石田ひろ子

復興の街へ車窓が広くなる      四分一周平

遮断機がいきなり降りてくる老後   井本 健治

周波数たまに合うからまだ夫婦    原田しずか

真っ白なシャツに社会というインク  安井 貴子

樹海まだ深く仏の手を探す      中島 翠花

挑発に乗らず漬物石になる      四分一 泉

方言のシャワーが心地好い帰省    三浦 幸子

 表紙 

 裏表紙 「時事吟は拝辞」とあります。


会員エッセイ

2021-09-10 10:47:21 | 川柳一般

  🍂 秋が来た    

駅前の図書館は休みだった。

ぶ厚い本を屋外にある返却ボックスに投函するとことりと鳴った。そのとき誰かが入れた本の派手な表紙が入れ口の隙間からちらりと見えた。本を返すと長い陸橋を来たとおりに戻り、一人分の幅の野外エスカレーターで降りて無意味に広い駅前広場に出た。広場を横断してゆく先は決めていない。

どうしてあの本を借りたのだろう。しかもわざわざパソコンでリクエストして本館から取り寄せたのだ。どこかで情報を得て気になっていたのは確かだが。手に取ると本はペギー葉山の歌う図書館の匂いがして、無意味にぶ厚かった。無意味だと読む前に思ったのはなぜだろう。

本は昭和34年出版のあまり有名ではないタイトルのロシア文学だった。直訳とわかる翻訳がかえって心地よかった。昔のプロの翻訳家の勤勉さと誠実さと心意気のようなものを感じた。

ぶざまに太ったただただ怠惰に見える主人公の日常の細かい描写が何百ページも続く。1800年代のロシアの貴族社会や庶民の生活や宗教などについての知識は私にはない。それらを知っていたらまた違った感想をもったかもしれない。裕福な主人公は同じ部屋であるがままに暮らす。何も主張せず自らは行動しない。ストーリーにもわくわくするような展開はない。読み終えても目の覚めるようなオチも感動もない。代えがたい大事なことは一見無意味にみえる日常の中にまぎれているので気づかないのかもしれない。

また、秋が来た。   

オトリカエクダサイと掃除機がいう

                                       会員Y