熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

会員しろ猫エッセイ

2023-07-31 07:59:24 | 川柳一般

       📚 本の絆コーナー

我が町には「ミナテラス」という図書館併設の施設があります。玄関ホールのすぐ左側には椅子とテーブル、それに窓際のカウンター席には誰でも自由に使える4台のPCがならんでいます。ちょっとした待合室兼多目的室といった小部屋です。

デッドスペース的な壁際に本棚があって、手造りのデザイン文字で「本の絆コーナー」と貼り紙があります。このコーナーはマンガ本以外なら誰でも持込み持帰りが自由で、それなりに利用者は多いようです。以前に美術全集や文学全集が数十刊単位で持込まれ本棚が一杯になったものの、1ヶ月もするとなくなっていました。

年に一度は図書館の長期管理処分対象本の展示持ち帰りがホールで行われ、親子や古本好きの町民が集い興味ある本を何冊も持ち帰ります。その際、さらに残った本はこの「本の絆コーナー」へ持込まれます。

リサイクル本や、個人が持込んだ本のなかには、ときどき掘出しものや興味を引くようなものもあって、私の本棚には約30冊ほどが並んでいます。読み終えたらすぐ「本の絆コーナー」に持込みますが、今のところ、収支は持ち帰り超過です。

図書館の本は返却期限があり優先して読むので、いつでも読めるリサイクル図書は残っていくのです。豪華な装丁の本もあって、きっと悩んだ末の断捨離でしょう。

断捨離本を申し受け大切に使い、そしていつかは私が申し送るのです。

散りやすい場所から花の咲き始め・・・しろ猫

            byしろ猫

押し花はこれでなくっちゃブリタニカ Y


投句案内のいくつか

2023-07-26 09:49:47 | 川柳一般

暑中お見舞い申し上げます 

学校は夏休みに入りました。7月末は締切が多いような気がします。チェックをお忘れなく。もちろん投句は自由です。

大きなものは次の国民文化祭でしょうか。下の写真は「壺」第33号に掲載されているものです。

次の「第45回県民文芸賞」は 8月11日ら の募集です。複数句(5句)での投句は書く方も選ぶ方もじっくりと句に向かうことができるいい機会です。練り上げるには少し時間が必要です。今年からエッセイ部門が新たに加わりました。下は熊日新聞7/14の掲載です。


「壺」33号が発行されました。

2023-07-18 00:00:01 | 川柳一般

        熊本番傘お茶の間川柳会の「壺」第33号(2023.7.10・季刊)が発行されました。   

                    

◇巻頭言  

「血のにじむ努力を忘れまい」 黒川孤遊

  私たちは句会や大会で、大きな賞や、天地人、五才に選ばれることに集中しすぎてはいないか。

◇壺の詩

飲み仲間気心知れて行く至福      山下 華子

車懸りや鶴翼を聞くウクライナ    村岡    義博        

紫陽花は五月雨をまつ逃さない    宮本 とも

燃え尽きるまでは男の愚を通す    小川 清隆

◇各月句会報告   4月  5月  6月

◇川柳の間口③   いわさき楊子

◇私の好きな川柳   入来わくわく番傘   石神 紅雀

◇流花 女性川柳家伝   宿命を背負って生きた大石鶴子   黒川 孤遊

◇お茶の間の団欒   句ができなくて行き詰まったら  村上 哲子      

◇年間秀吟賞  津下 良さん  書を閉じて携帯切って除夜の鐘

◇坪井文化村第7回文化祭

  7/18 13:00~8/2 16:00 熊本市男女共同参画センター ハーモニー にて会員の川柳色紙を展示

◇熊本番傘お茶の間川柳会創立10周年協賛 暑中見舞い広告

                               (レポート 黒川孤遊)


句集紹介

2023-07-12 00:00:01 | 川柳一般

          汗牛充棟』古閑萬風川柳句集 を読む

       かんぎゅうじゅうとう こが まんぷう

                

「感謝」、「出逢い」、「好奇心」の3章立てて綴られ、作者の思いが強く伝わってくる渾身の第一句集です。

特に各章の最終句は、次章への導入句となっているなど、構成にも作者の細かい配慮がうかがえます。

大根を抜いて大地に感謝する

夕焼けに出世払いの恩がある

と自然への感謝も忘れません。家族をはじめこれまで出会った人々への感謝の気持ちが綴られていきます。

正直な家族でいつも揉めている

と楽しく微笑ましい家族を紹介したかと思えば

全身で父の怒りを聞いている

裏切りに一つ貰った知恵袋

震災がくれた絆という褒美

など、怒りも裏切りもそして自然からの試練も、自分を高めてくれたと感謝しつつ

神様がくれた出会いに感謝する

と、次章の「出逢い」へとつなげます。

新しい朝をクリックするマウス

老いてなお出会いに燃える好奇心

で、次章の「好奇心」へと誘われますが、タイトルの「汗牛充棟」を選ばせたのが、取りも直さずこの好奇心なのです。

好奇心僕をどんどん太くする

蝉時雨負けぬ破調のバイオリン

絵皿溶くなかなか出せぬ私色

趣味三昧カレンダーに空きが無い

とにかく、好奇心の塊といった風情で毎日が充実しています。

セピア色の恋を小指が悔いている

優しいが芯は突いてる女文字

など、時々ニヤリとさせられる句も。

私が、特に共感できた句は

出直せばいいよと夕陽あたたかい

老化への美学素敵な物忘れ

残された勇気で約束を破る

詠まれた句が巾広く多岐にわたるのも、圧倒的な情報量のなせる技で「汗牛充棟」の面目躍如というところでしょう。第二句集が待たれます。

       令和川柳選書  『汗牛充棟』 2023年2月19日初版  著者  古閑萬風  発行所 新葉館出版

                B6判96ページ264句 1200円(税別)

                                           (紹介 村上和巳)