熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

珍しい本の紹介

2022-04-29 00:00:01 | 川柳一般

知人から写真の貴重な狂句集をいただきました。掲載されている句は一般に肥後狂句(ひごきょうく)と言われているものです。出された笠(かさ)につけて下句の七五を肥後弁で詠むのが肥後狂句ですが、芦北(あしきた)のこだわりでしょうか表紙には「肥後」が抜いてあります。句の笠(かさ)の下に読点(、)があるのも現在の肥後狂句とは違う表記です。中表紙には芦北高齢者大学肥後狂句クラブとあります。(Y)

 

『芦北狂句集』昭和五十五年四月一日   編集者 山本江鮒   発行者 芦北ふるさと会

つっこけて、差し上げとらす一升びん  豊光

鯉のぼり、子より孫にがはるこます  江鮒

足らん、へそくってみたばってんが  ちを

まっ暗すみ、手さずりで子の頭数  百重

どっちもどっち、話の太うすぎるばい  一子

ぬけ作が、あん道だけは抜けとらん  白竜

つまらん、孫が走らん運動会  春恵

どんこん、とうとう警察頼ました  江鮒

まっ最中、夫婦げんかに水の入る  春恵

やめた、手銭出しては引き合わん  江鮒


第2回熊本県川柳研究協議会川柳大会のお知らせの再アップ

2022-04-24 09:31:28 | 句会・大会

 写真はサクラマチ前のくまもと花博のもよう。本川柳大会当日の5/22まで開催されています。みなさまのお越しをお待ちいたします。事前投句は拝辞とさせていただきます。

と き 2022年5月22日(日)10:00開場 投句締切11:00 13:00開会

ところ 熊本県民交流館パレア9階第1会議室(鶴屋東館9階)

参加料 千円

主 催 熊本県川柳研究協議会


第十回卑弥呼里誌上川柳大会入選作品集

2022-04-19 00:00:01 | 川柳一般

「第十回卑弥呼の里誌上川柳大会入選作品集」が発行されました。

 発行日:二〇二二年四月  発行人:真島久美子(佐賀県)

毎年マンモス投句者数を誇る誌上大会です。今年は867名とあります。各選者につき特選1、佳作5、平抜き80句が掲載されています。熊本県からは13名の投句がありました。県関係分を紹介します。

「自由吟」津田 暹 選

医食同源レシピそろえてカップメン  中川しのぶ 

蟷螂も男もポーズだけだった      松村 華菜

「自由吟」大西泰世 選

造花とも知らずに水をやっている   中原たかお

いいこともあるさ鯛焼き頭から    いわさき楊子

「変 化」濱山哲也 選

不可能を可能に変えるパラ選手    中山 和

暖房を一度上げたら消えた島      落合洋人

「変 化」鈴木順子 選

老化とは進化のひとつ茶が旨い(佳作)いわさき楊子

久久の君は眩しい羽化したね     前田秋代

生き方の加減乗除に見る五欲     北村あじさい

「試 す」阪本高士 選

化野を行きつ戻りつ試される     黒川孤遊

雑踏にジキルとハイド募金箱     落合洋人

試されているのか鐘が鳴りやまぬ   中川しのぶ

ほほ笑みも薔薇もナイフも試したが  いわさき楊子

「試 す」樋口由紀子 選

ほほ笑みも薔薇もナイフも試したが  いわさき楊子

あれがよかこれがよかよでおわるよか  奥村田子作

「ポスト」横尾信雄 選

引っ越しのポストに残る請求書    村上哲子

ふるさとのポストどっしり母の膝   中川しのぶ

めぐみさんへ届くポストがあればなあ  いわさき楊子

栄転のポストに踏絵置いてある    松村華菜

「ポスト」赤松ますみ 選

南南東のポストに入れる別れ文    いわさき楊子

「 夜 」村山浩吉 選

真夜中に妻が包丁研いでいる     中原たかお

「 夜 」木本朱夏 選

言い訳を奏でる夜のバイオリン    阪本ちえこ                           

   (報告とスズランの写真 北村あじさい)                   


「壺」28号発行

2022-04-13 00:00:01 | 句会・大会

2022年4月10日「壺」28号を発行しました。私たちの熊本番傘お茶の間川柳会もいよいよ8年目に入りました。毎月第1金曜日に熊本鶴屋東館パレアで句会を開催しています。是非一度見学にお越しください。

                         

壺の詩 黒川孤遊選から5句 

おしゃべりは今日の恵方に背をみせて と も

チョイ悪に魅かれやんちゃの匂い嗅ぐ 紀美代

冷えた手が釣れたメバルに春を知る  徹 則

古希なんてタンスの奥にあったはず  としお

初孫の顔を見ぬままもう二歳     光三郎

 

私の川柳創世記㉒ 萩原奈津子

ご本人は川柳歴十数年と謙遜されるが、熱心に取り組まれている姿勢に頭がさがります。

  新茶の香しずく一滴つぎ分ける

  眠れない書きたいことがあるのです

  月だったか太陽だったのか おんな

 

流花 女性川柳家伝 黒川孤遊 

今回は近藤十四子さんです。大正4年東京に生まれ、14歳の時に母親が通りすがりの男に殺され一家離散、その後波乱の人生と句が紹介されています。

  底の無い悩みを神に責め立てゝ

  沈黙の骸は過去を閉じこめて

  公然の秘密 人間 屠×業

  このいのち天地の愛のひとしずく

  七十路の峠 はるけき野の眺め

 

私の好きな川柳 井芹陶次郎

「誹風柳多留」の初篇巻頭句などを紹介、解説しています。

  五番目は同じ作でも江戸生まれ

  ふる雪の白きを見せぬ日本橋

  子を捨てる藪とは見えぬ五丁町

 

熊本の川柳 歴史散歩 ③ 嶋本慶之介

大嶋濤明の後、熊本川柳会をリードし、後に全日本川柳協会長を努めた吉岡龍城とその仲間たちを紹介します。吟社の垣根を越えて読んでいただきたい内容です。吟社の壁を越えて読んでいただきたいと思います。

                              「壺」編集人 井芹陶次郎 (ご購読の申し込みは陶次郎または孤遊まで)