知人から写真の貴重な狂句集をいただきました。掲載されている句は一般に肥後狂句(ひごきょうく)と言われているものです。出された笠(かさ)につけて下句の七五を肥後弁で詠むのが肥後狂句ですが、芦北(あしきた)のこだわりでしょうか表紙には「肥後」が抜いてあります。句の笠(かさ)の下に読点(、)があるのも現在の肥後狂句とは違う表記です。中表紙には芦北高齢者大学肥後狂句クラブとあります。(Y)
『芦北狂句集』昭和五十五年四月一日 編集者 山本江鮒 発行者 芦北ふるさと会
つっこけて、差し上げとらす一升びん 豊光
鯉のぼり、子より孫にがはるこます 江鮒
足らん、へそくってみたばってんが ちを
まっ暗すみ、手さずりで子の頭数 百重
どっちもどっち、話の太うすぎるばい 一子
ぬけ作が、あん道だけは抜けとらん 白竜
つまらん、孫が走らん運動会 春恵
どんこん、とうとう警察頼ました 江鮒
まっ最中、夫婦げんかに水の入る 春恵
やめた、手銭出しては引き合わん 江鮒