熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

県内の川柳団体・個人会員が加入しています

秋は目白押し

2020-09-23 12:59:00 | 川柳一般

例年なら秋は各地の大小川柳大会が目白押しのはずでした。諸般の事情でこの秋、誌上大会になったものほかをいくつかお知らせします。投句先などは個人情報でもありますので詳しくは各自でお調べください。

最近気になっているのが投句と選句方法です。2月にコロナ禍のために直前に取り止めとなった本研究協議会主催大会は、事前に清記したものを選者にお送りするという方法でした。困難を要する作業でもありました。

誌上大会でもリアルな大会と同じように、投句者の書いた文字がそのまま選者の目にふれるものが多い様です。募集要項にも注目したいものです。じわじわと川柳界にもIT化がおとずれつつあります。

⑤の井上剣花坊生誕150年記念誌上大会は清記して選をされる誌上大会のようです。⑥は今年から、おかじょうき川柳社サイトやメールでのみ受付。紙での受付は無し。昨年の投句者は241人。

                                                (Y)                          

①第66回熊日川柳大会

主催 熊本日日新聞社 締切 10月1日 1,000円

  

②第52回福岡市民川柳大会

主催 福岡川柳作家協会 締切 11月1日必着 1,000円

 

③第1回大宰府天満宮秋の川柳まつり

主催 太宰府天満宮、福岡県、福岡県ネンリンスポーツ・文化祭実行委  主管 福岡県川柳協会

締切 11月15日(消印有効)1,000円

 

④第54回大川誌上川柳大会

主催 大川川柳会えんのき 1,000円 締切 11月20日(当日消印有効)

 

⑤井上剣花坊生誕150年記念誌上大会

東京川柳会・川柳人社共催 1,000円 締切 11月20日必着

 

⑥杉野土佐一賞(おかじょうき川柳社主催)

締切 9月30日 投句料1,000円は振り込み。


黒川孤遊会長 熊本県芸術功労者顕彰受賞

2020-09-16 17:51:44 | 川柳一般

本研究協議会会長および熊本番傘お茶の間川柳会代表・黒川孤遊が第48回熊本県芸術功労者(県文化懇話会選出)に選ばれ、9月16日に熊本市民会館で顕彰式が行われました。 

 黒川代表の川柳句集『あぶく』は昨年、川柳文学賞準賞(全日本川柳協会主催)を受賞。また、熊本県川柳研究協議会会長、番傘川柳本社九州総局長に加えて、熊日生涯学習プラザで川柳講座講師を務める等、後進の指導育成にも貢献。これらの功績が評価され今回の顕彰になりました。                                       井芹陶次郎 記


熊本の川柳人

2020-09-10 08:09:18 | 川柳一般

熊本の川柳人 北川 甘泉 きたがわ かんせん(本名・初喜)  1920年(大正9年)~2010年(平成22年)               

「北川甘泉川柳句集 よあけ」(平成十二年三月発行 私家版)には、タイトルのとおり甘泉さんの川柳のよあけが記されています。そのよあけは台湾にありました。最初のページには次の記載があります。

昭和18年8月 台湾川柳社「国姓爺」入会

指導 塚越迷亭(正光)師

川上三太郎師門下

助手 陸軍衛生伍長 新谷一挙

係長 陸軍衛生兵長 北川初喜

会場 台中陸軍病院本院

戦後は熊本市川尻で六代目として老舗和菓子店を営み、甘泉の柳号で川柳を続けました。

昭和29年11月 川尻きまぐれ川柳会 入会  主幹 安永理石

昭和30年1月  熊本川柳研究会 入会    指導主宰 田中(鳴風)辰二先生

昭和30年1月  川柳噴煙吟社 入会    指導主宰 大嶋涛明先生

昭和48年1月  川柳噴煙吟社 同人推奨   指導主幹 吉岡竜城

平成9年1月   川柳熊本教室 入会    指導 安永理石

平成11年12月 川柳「声」 入会    代表 寺本隆満

     (上記青字部分は「よあけ」に記載のあるとおりです。涛明は濤明、竜城は龍城とおもわれます。漢数字はアラビア数字に直しました)

注目すべきは戦中の台湾時代に詠んだ川柳12句が赤黒く座していることです。

制服の乙女等黒し決戦下

担架持つ腰に三角巾があり

常会で防空知識増して行き

ここには3句だけ掲げましたが、戦意高揚を意図とした川柳がならんでいます。私たちは川柳の歴史として、文化遺産としてこれらの句を大切に保存しなければなりません。書かれた時代背景を真直ぐに受け止める覚悟と寛容さを持ち合わせる必要があるでしょう。

写真は色紙に書かれた参加者の名前の寄せ書きです。うらに次の記載があります。

川尻気まぐれ川柳会 安永理石主幹 昭和30年7月16日 於 例会 北川甘泉宅

 

また、「ふんえん」№604(平成12年5月発行)には〈一ページ句集〉として36句掲載されています。その中にはご家族や営まれている和菓子店を詠んだ句があります。やさしいまなざしが見えます。

菓子折りが高く積もった回復期

信じきるこの子に託す七代目

評判のお店笑顔を絶やさない

ひ孫抱く妻は達者の昇り竜

2句目にある七代目さんは最近、甘堂という柳号で川柳をはじめられました。そして現在は八代目さんが店を継いでおられます。

        ※ここで引用した資料は甘泉さんの奥様(92歳)から提供していただきました。 貴重な資料をお借りすることができたことに感謝申し上げます。

                                               本研究協議会 いわさき楊子


くまもと節水川柳まとめてドン

2020-09-01 07:01:08 | 川柳一般

毎週土曜日に熊日新聞朝刊の題字の下に掲載の「くまもと節水川柳」をご紹介します。本研究協議会が微力ながら協力いたしました。今年はコロナ禍の影響もあり水道使用量が増えているので、節水を啓発するためのものです。数十句のなかから環境局の職員さんだけで選ばれた6句が今までに掲載されました。このような目的で川柳が利活用されることもうれしいことです。川柳という文芸の間口の広さならではのことでしょう。あと2句も順次掲載されます。なお電車の中吊りは残念ながら取止めとなりました。

7/18 コロナ禍も命の水は無駄にせず

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