ららの会 (毎月第3水曜 14:00~ 大江古庭坊集会所にて)
ららの会(第60回)を訪ねると、何やら楽しい作業の真っ最中。何やら楽しそうな声と、手作業。ららの会主催の「第5回日奈久de川柳句会」の参加賞その他、手作りの焼き物(御船の、とある窯元で会員によって造ったもの)を仕分け、袋詰めをされていた。その作業を見ていて、この会の独創性を感じた。作業が一段落して句会が始まった。
俳句の方が2名。題は、「雑詠」―― 自由律とある。投句も交えて39句リストアップされたプリントが手元に。一人3句出句。合評会。説明を避け、如何に省略を効かせるか。助詞てにをは・・・の効かせどころ。読む人に、何だろうと挑戦する。取り合わせ、また、反対も考えてみる等、吟味討論が続く。ちなみに 私のイチオシの句は、
ホースの水が生き物となる午後 の句であった。
(以上は川柳ひのくに 第3号から)
写真の作業の後日、今回で第5回目となる「日奈久de川柳句会」が開かれた。九州各県、遠くは千葉から53人が八代市日奈久観光交流施設・ゆめ倉庫に参集した。
「九月は日奈久で山頭火」と題した日奈久地域イベントの協賛事業として当句会は始まった。放浪の俳人・山頭火が寄宿した木賃宿「おりや」が残っている日奈久で自由律の川柳の大会を続けている。自由律や短句の柳誌はみられるが、披講、呼名のある生の句会は日本では唯一ではないかと自負している。
決して川柳が自由律でなければならないと言っているのではない。伝統を重んじる柳人からは無言の助言をいただいている。しかし実際に自由律を詠み、披講されると、定型とは違った何か新しい触覚が呼び起こされるのを感じる。当初〈ららの会〉の会員の中に自由な発想の俳人が数名いたことも型にとらわれない企画ができた理由だろう。まずは行動ありきで5回目を迎えた。
【秀句から】
「 朱 」木本 朱夏(川柳塔編集長) 選
秀1 君を救うなら朱い嘘 石神 紅雀
秀2 それはさておき朱いドレスでいいかしら 柴田 美都
「 生 」吉岡 静生(ららの会) 選
秀1 生まれて生んで生ませて子宮 石神 紅雀
秀2 花陰に蟻の曳きたる骸 梅崎 流青
「知」加藤 知子(熊本県現代俳句協会会長) 選
秀1 恋十日それより先は風知草 山﨑 蘭草
秀2 知るも知らぬも蟻の糞 古谷龍太郎
(ららの会 Y)