熊本県川柳研究協議会(熊本川柳研)

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会員エッセイ

2022-01-31 09:51:49 | 会員エッセイ

       🌹 優しい日本人が集まると

パトカーの直後を走行中に横断歩道に差掛かった。たまたま歩道には老婦人が立っていたが、私には横断の意志はない素振りに見えた。

パトカーも同様に捉えた走りだったが、対向車がパトカーを見て反応し横断歩道の直前で停車したため、模範となるべきパトカーも停止し、全ての後続車が停止し婦人の横断を全面支援する態勢が整った。 が、婦人は立ち尽し三すくみ状態が発生した。

たまたま立っていた場所が、横断歩道の近くだった老婦人は、一斉に停まる車の異様さに自分の取るべき行動を忖度し、弱った脚で横断を始めた。

渡り終えると、優しい車は一斉に動きはじめたが、50mばかり動いた後パトカーが右折のため停車したため、対向車がパトカーに道を譲までの間、私以降の車も再度停止した。その時、私はバックミラーで見てしまったのだ。

先ほど横断歩道を渡ったばかりの老婦人が、横断歩道の前に立ち、元の場所に戻るために、キョロキョロと左右の車の有無を確認している姿を・・。

人も車も必要なら、とんでもなく優しくなれる。この忖度の精神が、時々は過度に発揮されて失敗もする。およそ優しい日本人のする忖度の発露の現場に、奇しくも居合わせ、思わずごくりと唾を飲むはめになってしまったのだ。

人は星相手のために光あう・・・・しろ猫

  byしろ猫


会員エッセイ

2021-12-18 09:19:56 | 会員エッセイ

書いてナンボ

川柳を始めたきっかけは些細なことが多い。新聞投稿、知人友人がしていたからなど。ちゃんと会に入って始めてみるとその広さと奥行きに驚く。それまで自分で好きなように書いて自己満足していたことが恥ずかしくなる。最初はもちろん川柳の組織のことなどは知る由もない。まずは書く。それが第一義なのは何十年たっても変わらない。

写真は日本川柳協会に加盟していない川柳誌の一部。このような柳誌がまだいくつもあると考えられる。本来文芸活動は個であることは言うまでもない。表現したものを発表するという、ただそれだけが純粋な活動。

まずは書く。今年は舞い来た募集すべてに投句した。webでhitしたものにも投句した。かならず当りは出るがそれもまた虚しく思えるのはなぜだろう。表現活動とは何だろうと思う。 (いわさき楊子)

写真の柳誌は検索すれば何かしらのhitがあります。興味のある方は調べてみてください。


会員エッセイ

2021-11-26 00:00:01 | 会員エッセイ

         リテラシーって?

東京五輪の聖火が町内を走る前日に、テレビのインタビューを受けた。地震の被災地を走る聖火を迎えるに当ってのお気持は?といった質問だった。コロナ第5波直下で微妙な時期であったが、一応率直に答えた。が、お気に召さないのか何度も質問を繰り返された。

似たような経験は地震直後にも何度が経験している。私の顔は質問したくなる顔らしい。

さて、情報リテラシーという言葉が巷に出回るようになって久しい。目的に沿った情報を収集し、判断し理解し活用する能力というからややこしい。IT関連や金融・医療関係などカタカナを使って難解にすることに腐心しているかのような情報も多々ある。その中でも、無意識に一番引っ掛かるのが、メディアが発信する情報である。「発売たちまち10万部」とか「4度泣けます」とかいう見出しを見て購入し、しっかり泣けましたというコメントまで付いている本を、話題の本として思わず手に取るのである。発信する側の仕掛に、無意識に引っかかってみせるのである。

私のPCにも偽メールが多い。偽物に注意という偽メールもあって、情報の読解力や判断力を毎日試される。インタビューもアンケートも、求める側の意図まで読めるのがリテラシーだろう。しかし、読めなくても老人が安心して生活できる情報基盤は出来ないものかと思う。

沢山のテレホンカード捨てられず   しろ猫

 byしろ猫


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2021-10-03 10:00:00 | 会員エッセイ

           三十六計逃げるにしかず

中国の兵法には、策がいよいよ行き詰ったら逃げよというのがある。

猫の世界でも、「尻尾を巻いて逃げる」行為は立派な戦術行動として認められている。とかく人間の争いではこの逃げるという行為が出来ないばかりに、命のやりとりまでしてしまう。既に状況が変わって今までの計画では実行が困難なのに、面子にこだわり今まで投下した資金や努力が無駄になるといいつのって撤退しない。所謂サンクコストの呪縛というやつである。

撤退(逃げ方)も計画(考慮)の内に入れておかないと、小出しに戦力を投入し続けた挙句取返しがつかなった例は枚挙にいとまがない。「玉砕」とか「死守」とかいう文言は、古い話ではない。

日頃の生活においても、我慢の限界を設定しておいて、逃出す手筈や助けを求める算段を時々は考えておく必要がある。泣くという行為もある種の逃げの行動だが、しばしば生きるための安全弁として機能する。子供の「甘え泣き、抗議泣き、悔し泣き」等から、大人では「同情・怒り・淋しさ泣き」が主流になってくるが、例外的に「嘘泣き」も追加されるからややこしい。ただ、最後に「泣いて誤魔化すな」という極め台詞は余程考えた方がよい。子供から泣くゆとりを奪い、大人から人に縋るゆとりを奪ってしまう。泣くときはしっかり泣こう。

諦めて力が抜けて生返り    しろ猫

  月下の白薔薇 byしろ猫


会員エッセイ

2021-08-28 19:52:10 | 会員エッセイ

   同級生は4月2日生れから 

4月から翌年の3月生れの人が同級生だと単純に思っておりました。

しかし、そんな単純な話ではないらしく、4月2日生れからが同級生だという話です。何で、と不思議がっていたら、ある時ラジオが教えてくれました。

おかげで、また一つ賢くなった気に。ただ、この手の知識は間を置くと忘れてしまうのが常です。素直な疑問とは「4月1日生れはどうなるのよ」でした。4月1日生れは、もう一級上の前年度の子供達と同級生になるそうですね。 

満年齢は誕生日の前日の24時に達するとかで、何時に生れようと関係なく4月1日生れは前日の3月31日24時に6歳となり既に6歳となっている子供達と同級生。4月1日からは新年度という思いと満年齢の組み合わせがちょっとパズルめいて面白いところでしょう。また同級生の中でも遅く生れたのに、早生れという表現はまた別の問題で正月を基準にした同年という昔からの表現法が、ややこしさに拍車をかけています。満年齢に達するの「達する」は知っておいて損はないと思います。長女は3月1日生れですが、満20歳で国民年金を払うとき2月分から入金を求められ、しかも受け取る時も2月からと説明されてキョトンのまま帰ってきました。とりあえず1日生れの人の月計算や、日時を指定した契約などは注意が必要かも知れませんね。

いつまでも同級生は同じ歳  しろ猫

 byしろ猫