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武家茶道の源流? 織田信長の茶

以前、秀吉を茶人として捉えた本を紹介しましたが、
本書は秀吉の親分、織田信長を茶人として見てみよう、という本です。

結論的に言えば、資料が少なくてなかなか「信長の茶」を描くのは難しい感じですが、
後年、秀吉が「御茶湯御政道」と評した茶の湯の政治利用に限定されず、
もう少し広いものだった可能性はがあるようです。
また、御茶湯御政道も、単なる名物茶道具の循環による人心収攬としてだけでなく、
武家儀礼としての茶の湯の位置づけ、と言ったところまで視野に入れなければならないようです。

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資料が少ない分、道具や歴史記述に文章が割かれており、初心者には助かります。

破天荒な信長のことだから、破天荒な茶を行っていたような気もするのですが、
資料から分かる創意は「茶壺を表に出す」位で、
道具も室町幕府由来の名物を踏襲している感が強いようです。
ただ、単なる人心収攬のためのツールと言う以上の思いを
茶道具に持っていた(あるいはある時期から持つようになった)可能性はありそうですね。

案外保守的だったのかも。
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