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芸術と国家の関係・入門書(音楽編)

先ほど「茶道と天下統一」の読書感想文を書いた後、ハタと気が付いたのは、
あの本は国家と芸術家の関係についての薀蓄を述べたい本だったのだな、ということ。
で、国家と芸術と言うのは昔からプラナリアにとってツボな話題なわけですが、
年明けに読みながら何となくどう取り上げようか迷っているうちに日が経ってしまったのが本書。

国家と音楽家国家と音楽家
中川 右介

七つ森書館 2013-10
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古本屋で目にし、「週刊金曜日連載」と言う点にやや躊躇したものの、買ってみました。
結論的に言うと、とても面白かったです。
20世紀の音楽家を幅広く取り上げている結果、国家と芸術家(この場合は音楽家ですが)の関係の色々なケースが登場し、
本当に時代や国の置かれた立場によって、その関係は一筋縄ではいかない、ということがよく分かり、考えさせられます。

取り上げられている音楽家が大物揃いなこともあり(これは意図的)、イロイロ異論・反論もあるみたいですが、
個々にはより深く掘り下げた評伝も出ていますし、国家と音楽家の問題を概観するには良い本だと思います。
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御政道としての茶の湯

基本的に今の世の中、利休以降の侘び茶が「茶道」と言われ、茶の湯の本流です。
でも、室町幕府以来の政治的儀礼としての茶の湯と言うものもあったのではないの?
という視点で書かれたのが本書です。

茶道と天下統一茶道と天下統一ヘルベルト・プルチョウ

日本経済新聞出版社 2010-04-23
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著者はスイス生まれの日本文学研究者。
なかなかに博覧強記な観はありますが、読んでみると実はそれほど特別なことは言っていなくて、
「政治の場における茶の湯」という視点で、裏・茶の湯史を通しで書いた点が新機軸なのではないかと。
個別的には(こっちが無知なだけですが)根拠がよく分からない断言部分もありますが。。。

*足利将軍自ら点茶して天皇に差し上げたというのは本当ですか?

今までチョロチョロと茶の湯関係の本を読んできた印象からは、
資料的に政治の場で茶の湯がどのような位置にあったかが分かるのは、せいぜい秀吉以降なような感じですが、
秀吉が室町幕府の儀礼の踏襲を計ったことは確かなので、
(著者の「権力が変わると、それを支えてきた儀礼も変わろうとする」という主張と整合しませんが)
室町幕府から徳川幕府に至る線を引いて見たい気持ちは分かるのんですけれども、、、
歴史学者の視点から見たら、文学的理解に過ぎるのではないかなぁ、なんて思っちゃったりして。

まぁ、でも面白かったです。
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[週刊朝日百科]に復興小学校登場!

[分冊百科] 新発見!日本の歴史 近代6 戦前デモクラシーと「改造」の時代
再現!歴史の現場 復興小学校
イラスト 青山邦彦/監修・執筆 田中傑

週刊 新発見!日本の歴史 2014年 4/20号 [分冊百科]週刊 新発見!日本の歴史 2014年 4/20号 [分冊百科]

朝日新聞出版 2014-04-08
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監修は10数年来の友人。わずか見開き2Pですが、イラスト図解が楽しい!
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