第8回「剣客の宿命」
画像入りで
傷がいえたばかりの磐音ではあるが
動けるようになれば、次はどの程度、傷が治っているのか知りたい
又、剣が再び握れるのかどうかも不安があったのではないだろうか
浴衣のまま今津屋の庭で素振りを始める
多量の出血をしているため、めまいや縫ったところに多少の引きつりがあるものの
かまわず素振りを続ける
何しろ座高が短く、足が長い方、帯の位置が高
しかし、おこんに見つかり「もう知らない!」とこっぴどく起こられてしまう
磐音を失うかも知れない心細さと必死で戦いながら、看病をしたおこんにしてみれば
気持ちはわかる
「おこんさん 申し訳ござらぬ」と素直に頭を下げる磐音
おこんの剣幕に、しょんぼりした磐音の表情がなんだかかわいそう
そんなに言わなくても・・・
その上、不覚を取る原因でもあった、佐々木玲圓の養子になる話を
いきなりおこんからぶつけられ表情が曇る
「養子の話は真です ですが、まだ決めたわけではありません おこんさんが
いやというのであれば、このお話はお断りいたします 真の気持ちです
・・・某、剣の道は捨てられぬと思うております
ただ、玲圓先生の道場でなくても、修業は続けられます
ですから、おこんさんの思いのままに」
おこんをじっと見つめ、穏やかに静かに自分の考え、気持ちをおこんに伝えます
素敵な男性ですよね 私はそう思います
「某は養子になるから、付いて来い!」って言う人が好きな方もいると思いますが
それは、磐音の生き方ではない、無理をすれば、必ずしわ寄せがある
できうる限り、気持ちがその方向に向いて、それぞれの気持ちに納得がつけられて
始めて本当の一歩が踏み出せる
なにしろ、全てを受け入れようとなさる方ですから、磐音さまは・・・
話の途中でまかないの女性に呼ばれ、台所に行ったおこんを見つめる磐音 武家と町人の結婚が大きく二人の間に立ちはだかる
磐音を切った刺客の情報を岡引の親分が知らせに来た
相手は労咳、死を覚悟しているから、充分気をつけるようにと言い帰る
偶然通りかかったおこんがそれを聞いていた
おこんが聞いていたと知り、何か言おうとしたが、磐音を見るとあわてて立ち去る
武士の娘であれば、幼い頃からそのあたりの教育がされているであろうが
町人の娘であれば、切りあいに恐れをいだくのは当然でしよう
ですが、武士を好きになったのはおこん自身、もう少し理解があってもと
ついつい、磐音の方を持ちたくなってしまいます
だって、こんなつらそうな磐音様の顔、見るわたしも辛い
玲圓先生に動けるようになった挨拶を兼ねて、不覚を取った自分は、道場を継ぐ
資格がないと、養子の話を断ろうとする磐音
「今津屋の後見と聞いた、商人になるか?」と玲圓に言われ、なんとも言えない表情の磐音
それにしても、いつもながら、素晴らしい表情をする方です、この方は・・・
その上、美形ですから、こたえられません ハイ
玲圓先生には、磐音の心の内はお見通しのようです
考えは変わらない、そなたしかいないと言わしめます
国元にいれば、磐音の両親が見守るところを、玲圓先生が磐音の本質を見抜き
磐音の将来を憂い、磐音の進むベストな道を示してくれていると思う
磐音が自分と道場に気を使い、両親に思いを馳せ、おこんとのことに
悩んでいることを、見抜いている
いままでも、竹刀を交えることで、磐音の心を鋭く見抜いてきた達人
やはり、この養子にして、この養父であると、納得です
久しぶりに金兵衛長屋に戻った磐音
住人の暖かい歓迎を受ける
そこへ、すでに半泣きの金兵衛が現われる
磐音が、昏睡状態の時、金兵衛がおこんに渡した御守を見せ、礼を言う
たちまち金兵衛は磐音にすがって泣き出す
長屋に戻り、住人を見る磐音の穏やかな笑顔、素敵です
つくづく、生きて戻ったことに、幸せを感じている磐音の笑顔がありました
玲圓先生から、家を出たとはいえ、坂崎家の嫡男、養子の話を伝えること、と言われ、早速豊後関前に手紙を書く磐音
これが又、所作の美しいこと、そして、横顔のなんと品があり、美しいこと
やっと抜糸ができ、医者に風呂に入る許しをもらい、なじみの「地蔵湯」へ、そこの主兼岡引でもある、地蔵の親分から、島抜けをした盗賊が今津屋を狙っているかもしれないと忠告を受ける
風呂上りも色っぽいっス
3人の位牌にも「生きてもどった」と報告、親方に無理をするなと、心配されながら、鰻裂きにも復帰
養子の話を聞いた浪人仲間の竹村武左衛門から、おこんさんを措いて、養子に行くつもりか!と腹立ちまぎれに怒鳴られる磐音 でも、何も言いません、じーと悲しそうな目で見上げる磐音
そして、台所で他の女中達と、後かたずけをしているおこんをそーと見つめています
朝方、磐音とおこんは、昨夜からの雨が降り続く中、橋の上にいた
「おこんさんがいやなら、養子の話を・・・」と切り出した磐音の胸におこんが手を・・
何かをほんの少し乗越えたような、おこんの顔をじーと見つめる磐音
その時、またしても、磐音の背後に、刺客がしのび寄っていた、危うく、おこんをかばい剣を抜き、刺客の剣をはらった
「志乃どのを弔い、余生をおくられよ」と磐音「既に金をもらっている、冥土に道連れだ」と刺客 覚悟をした磐音はおこんに離れていてくださいと言う されど、剣は峰に返した
何度か切りあった末、剣が合わさった、その時、刺客が磐音の剣を素手で握った
そして、峰に返している磐音の剣を反転させようとしたのだと私は思う
磐音の驚きの表情が、それを物語っているように思えた、いくら戦っても磐音の剣は峰に返されたまま、はじかれ続けるだけだ、もはや、刺客の体がそれを待てなかったのではないか
磐音の剣先をつかんだまま、刺客は大きく振りかぶった、もはや、磐音に選択の余地はなかった、剣先を握られたまま、渾身の力で刺客の胴をなで切り
刺客の背後で、まだ残っている刀を振り切った
素晴らしいの言葉しか浮かんでこない、ほんとに素晴らしい殺陣だ
要所、要所で表情が見られるのも又素晴らしい!もう感激!
記憶に残る殺陣のシーンのひとつになると思う
刀を振り切ったままの刺客を降り見る磐音の厳しい表情 刺客の最後を見届けると、静かに、血のりを懐紙でふく
懐紙で血のりを拭くのは、始めてだと思う、すでに表情はいつもの磐音に戻っているが、その表情は物悲しく沈んでいる
血のりをぬぐった懐紙を懐にそっとしまう磐音、刺客の骸を見つめる磐音は、静かに目を瞑った
静かに黙祷をする磐音と磐音を見つめるおこん
今は自分でなく相手であったが、何時自分が同様な運命になるかも知れない
実際、数日前に起こったことである
他人を切りたくて剣客になったわけではない磐音であるが、剣に生きていく限り
この宿命から逃れられないのも事実
自分の思いと反する運命に、言いようのない淋しさ、悲しさを引き受けて生きるしかない、こんな状況と、磐音の様子を目の前にした時
私だったら、磐音のあまりの崇高さに絶句してしまう
と同時に、磐音が背負う、辛さ、悲しさを少しでも癒してあげたいと
思わずにはいられない
おこんさん、磐音を愛しているならお願いします
磐音さんを癒されるのは、おこんさんだけなのですから・・・
第8回は素晴らしかったです
You Tubeに「陽炎1」の山本磐音の美しい表情だけでコラージュされた動画があるのですが、それにも負けません!!
それにしてもあんな腰高であれほどの殺陣がよく出来るなぁと思います。彼のことだから影で随分と鍛練したのでしょうけど。
道場の場面で、あんなに飛んでもドシンて音がしませんでしょ?あれってハンパな修練では出来ないことで、舞台の板の上をまるで体重を感じさせない動作で動きまわる山本さんの姿を思い出します。
あ、余談ですが、私も今回のおこんさんの態度に???
なんだか自分の心配が優先みたいな感じして。
おこんさん、時々こんなになっちゃうような気がするのですが、物語の構成上必要なのかなぁ。時折中越おこんさんは表情に険が垣間見える時があって、なんか。。。武家の妻になる厳しさを強調するためかもしれませんが、損してるような気もしなくないです。
でも最終話のあの画面に収束して行くのですから、脚本家さんの中では必要なのでしょうね。素人の余計な一言でした。御笑読下さいませ。
では次回も楽しみにしております。
もっともっと写真を掲載していたのですが、10000字を大幅に超えてしまい、写真を削除せざるを得なくなり、ガッカリやら、腹立つやらで、仕方なく泣く泣く今回の枚数になりました
どのお姿も美しくて、可愛くて、切り捨てるのに四苦八苦でした
私もYou Tubeに「陽炎1」の山本磐音は「お気に入り」に登録して見ています
もうひとつ、「新撰組」のも同じ様なのがあり、磐音さまより2つ3つ若いからでしょうが、ちょっとまだ可愛さが残るお顔のなんと美しいことか・・・
もちろん、表情も素晴らしいのですが、一番は目ですね
大きなくりくりの目の演技が、素晴らしいです
>道場の場面で・・・
私も思っていました、達人ですからね
原作にもふわりと相手の懐に入ったりする記述がありますからね
そー言えば、パート2の「夫婦」で「吉村作太郎」と戦った時、鳥居の中で2mぐらいふわりと飛び下がる場面があるのですが、あれも何度もリピートをしましたね すごいです
それと、磐音さんは玲圓先生には赤裸々な心を見せていると思えます
もっとも、隠しても、見抜かれ続けていますから、自然にあんな泣きくずれそうな、甘えるような、うったえるような表情になるのでしょうね
唯一自分より強い存在の玲圓先生ですからね
自分より弱い存在の他の人たちとは、無意識に気持ちが違うのでしょうか・・・
「組!!」撮影当時は28歳くらいでしょうか?若いけどやはり色気はありますね。
透明感のある美しさはこの作品特有だと思います。「組!!」関係では同じ様な場面を使用していて「Cafe Song」の歌が入ったのがあり、当時は土方の心中の映しだったのですが、今見るとあの歌詞が「陽炎1」の磐音と琴平達のことのようにも思えます。元々の物語「レ・ミゼラブル」でも死んだ友への想いの絶唱ですし。今はあのような大作ミュージカルには出ないので貴重な音源です。もっと一般的な作品に、と思うのですが3年ほど前に出た「オーラの泉」であの美輪さんに『骨の髄まで役者』『生まれながらの役者』と言われたほどですから、仕方ないかもしれません。
でも、「陽炎の辻」は確かに役者・山本耕史に様々のものを吸収・進歩させてくれた作品であることは確かですので、大切に見て行こうと思っています。
長広舌となりご無礼致しました。
これからも心暖かくもきちんと見るべきところは見ていらっしゃるご意見を楽しみにしております。
>美輪さんに『骨の髄まで役者』『生まれながらの役者』と言われたほどですから、仕方ないかもしれません。
やっぱりそうだったのですね
あー私も昔から好きだったらよかったのにと、毎日後悔しています
できたら、再放送でもあれば、見たいです
他にはどんなこと話してたか、記憶にありませんか?
覚えてたら教えてください
お願いします
話が横道に逸れましたが、「オーラの泉」は偶然に録っていて、最近古いビデオテープの中に発見したものです。
以下、要約ですが。
土方歳三役で地位を確立した実力俳優、と紹介されていました。
山本さんの自己診断は、性格は完璧主義。自分が見たくないものは人(観客?)にみせたくない。
気になることは、これまで演じた中で自分のターニング・ポイントになるような(実在の)役の人が3人いて皆35歳で死亡。
江原さんのオーラ診断は赤々とした赤(頑固で情熱的)金(英知)。紫(愛情)もあるけどあまりいい色ではなく感情が不安定気味。
前世:中世ヨーロッパのお小姓(美少年)日本の花形役者。
守護霊:英国のシェイクスピア役者。日本の花形役者。
通常ならここから霊の話しが展開するそうですが、終始、山本さんの役者としての有りかた資質のお話で、美輪さんの芸術論を聞いているようでした。山本さんは目標設定のハードルが高くて、困難な役や作品もやりたいけど作品も演出家も相手役もいなくて、常に役者としての欲求不満を内包していると美輪さん。当たっていたようでした。前世の人達もそういう欲求、不安を抱えつつ35歳以上は生きてなくて、今生に役者として生まれ変わったのは、今度こそそういうものを手に入れてやろうとしているそうです。面白かったのは、役者としての意識が強すぎて恋愛がうざったくなる、恋愛が邪魔になる、だから関わる女性はみな泣きます。と二人に言われた時、山本さんが否定しなかったこと(笑)。で、思い出しました。二回公演の舞台でクタクタになって帰宅したら当時の彼女(恋人)が家で待っていて、自分の悩みやいろんなことを話しはじめて、疲れきっていたし翌日も二回公演なので早く寝たかったけど話しを聞いてあげて、翌日の舞台が自分としては納得出来ない状態に。結局、その彼女と別れてしまったことがあるとか、結婚したら家族には責任があるし守りたい、でもそれ故にやりたくない仕事や納得のいかない仕事、喧嘩覚悟で演出家とやり合うことを躊躇うようになるのが怖くて踏み切れない、とインタビューで話していたのを思い出します。何しろ舞台メインの頃は演出家とやり合って降板したり役を降ろされたりしたことがあるそうです。あ、なんか話しが飛びましたね。
最後は、親に愛情を注いで育てられて、理想は自分の父親でそんな風に生きたいけど、役者として茨の道を選ぶ自分もいて、どっちに行けばいいのか迷う時が、の質問に美輪さんが、お父さんとは資質が違うのだから、お父さんへの敬愛は敬愛として自分の道を進めばいい、と。
山本さんは今日は久しぶりに生徒に戻った日でした。と笑顔でした。
でも一番印象的だったのは、舞台では無心になれる、とう山本さんの言葉です。
長いわりに取り留めなくて申し訳ないです。
一杯書かせてしまいました
最後にひとつだけ質問です
で、山本耕史さんは35歳以上生きられるのですか?
要するの、役者として生まれ変わったのは年齢関係なく芸術を全うして生きる為だそうです。
まぁ、オーラ、スピリチアルがどこまでがどうなのか分かりませんが、結局、山本耕史という人間は細胞まで役者-だとのことでした。
美輪さんがしみじみと言ってました、珍しい人なのよ、と。芸術至上主義で生粋の役者だと。
これは霊だとかオーラだとかとは違う、演劇人美輪さんとしての言葉のような感じでした。
スター性と演技力を併せ持っている役者は稀ですから、年齢を重ねても素敵な役者として存在していて欲しいものです。
続けて長々と御邪魔致しました。礼。
同感です
今ね、とっても感動してます
山本耕史という人を好きになって幸せだなぁ~と今思っています
感激屋なので、すみません
いつまでも、いつまでも耕史さんのことを聞いていたいです
長いなんて、全く思いませんので、なにかありましたら、よろしくお願いします
昨夜の「刑事一代」の耕史さん、とっても素敵でしたね