学生時代。
下宿のそばのヤキトリ屋に
入り浸っていました。
そのヤキトリ屋は
大柄で怖~いご主人さんと
かよわい従順な奥さまとが
営んでいました。
ご主人が焼きあげたヤキトリを
客席に運ぶ際、奥さまが
ちょっとでもモタモタすると
何やってんだコイツ~!
と容赦ない罵声が飛びました。
いまにも殴りかかりそうな
客の私たちもビビるほどの
大きなドスの効いた声でした。
スミマセン。スミマセン。と
奥さまはひたすらご主人に
謝りながら、小走りで
ヤキトリを運んできます。
なんだか申し訳ない気分に
させられましたが
そのアツアツの「カシラ」を
熱いうちに一気に食べる。
最高~。ビールも飲まさる。
何十回通ったか分りません。
そして卒業。
お礼と挨拶がてら、私たちは
そのヤキトリ屋へ行きました。
そうか。よかったな。
ご主人はいつにない笑顔です。
私は思い切って言いました。
奥さまに優しくしてあげて下さい。
ご主人はちょっと間を置いて
ハハハ。普段は仲良いんだよ。
あれはな
コイツに言ってるんじゃなくて
お客さんに聞かせてるの。
アツアツで運ぶから
熱いうちに食べて下さいってこと。
ご主人の後ろに
ニコニコ顔の奥さま。
私たちも初めて見る笑顔でした。
そうか。
そうだったのか。
鉄は熱いうちに打て。
ヤキトリは熱いうちに食え
いまでも私が守る
ヤキトリのセオリーです。
店の名は「かしらや」。
その場所を通りますが
いま、その店はありません。
どこかまた、別の場所で
いまも怒鳴っているのかな。
元気だといいけど。
今どきの女の子とヤキトリデート。
彼女がお肉を串から外して
お上品に箸で食べるのを見ると、
ちがうんだよな~と
言いたくなりますが
決して口には出しません。
ウルサイオヤジね!と
嫌われるのが怖いから。kyokukenzo
下宿のそばのヤキトリ屋に
入り浸っていました。
そのヤキトリ屋は
大柄で怖~いご主人さんと
かよわい従順な奥さまとが
営んでいました。
ご主人が焼きあげたヤキトリを
客席に運ぶ際、奥さまが
ちょっとでもモタモタすると
何やってんだコイツ~!
と容赦ない罵声が飛びました。
いまにも殴りかかりそうな
客の私たちもビビるほどの
大きなドスの効いた声でした。
スミマセン。スミマセン。と
奥さまはひたすらご主人に
謝りながら、小走りで
ヤキトリを運んできます。
なんだか申し訳ない気分に
させられましたが
そのアツアツの「カシラ」を
熱いうちに一気に食べる。
最高~。ビールも飲まさる。
何十回通ったか分りません。
そして卒業。
お礼と挨拶がてら、私たちは
そのヤキトリ屋へ行きました。
そうか。よかったな。
ご主人はいつにない笑顔です。
私は思い切って言いました。
奥さまに優しくしてあげて下さい。
ご主人はちょっと間を置いて
ハハハ。普段は仲良いんだよ。
あれはな
コイツに言ってるんじゃなくて
お客さんに聞かせてるの。
アツアツで運ぶから
熱いうちに食べて下さいってこと。
ご主人の後ろに
ニコニコ顔の奥さま。
私たちも初めて見る笑顔でした。
そうか。
そうだったのか。
鉄は熱いうちに打て。
ヤキトリは熱いうちに食え
いまでも私が守る
ヤキトリのセオリーです。
店の名は「かしらや」。
その場所を通りますが
いま、その店はありません。
どこかまた、別の場所で
いまも怒鳴っているのかな。
元気だといいけど。
今どきの女の子とヤキトリデート。
彼女がお肉を串から外して
お上品に箸で食べるのを見ると、
ちがうんだよな~と
言いたくなりますが
決して口には出しません。
ウルサイオヤジね!と
嫌われるのが怖いから。kyokukenzo