読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

パンツの面目ふんどしの沽券 米原万里 ちくま文庫

2008-05-22 22:59:37 | 読んだ
米原万里の書いたものは好きである。
なんとも潔いというか思い切った文である。

いささか「露悪的」でもある。
特に「シモネタ」が得意である。
「えー、女の人がこんなこと書いていいの?」と思うような文もある。
もっとも男がそんなことを書いてしまうと「品性」並びに今流行の「品格」を疑われるのだが、米原万里が書くと逆に「心の広さ」とか「人物の大きさ」みたいなものを感じさせられるのである。

さて、本書「パンツの面目ふんどしの沽券」は、なんといいましょうか、まあ「くだらないテーマ」といえるのであるが、これを掘り下げたりしていく、なんとなく学術的になっていくから不思議である。

くだらないけれど学術的、というのがナントモ妙であり、米原万里らしいのである。

人類史上において「パンツが先かふんどしが先か」ということに興味を抱いた著者が歴史をさかのぼり研究検討を重ねるうちに、どこからかその方面のケンイがやってきて助言をもらったりしている。その方面を真面目に研究されている方も多いのである。

ふんどしは日本固有のものであるのか?
といったもの
イエスキリストが磔にされたときの絵にある腰のものはふんどしかパンツか?
人はいつから股間を隠すようになったのか?そしてその理由は?
などと、我々もそういわれれば「どうしてでしょうね?」と疑問を持ってしまう事柄に、米原万里は挑むのである。

いつもいつも思うのであるが、米原万里と一回お話をしてみたかった。
返す返すも若くして亡くなったこと残念である。

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