読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

バーボン・ストリート・ブルース 高田渡 ちくま文庫

2011-01-27 21:47:36 | 読んだ
高田渡は好きなフォークシンガーであった。
「であった」というのは、2005年に亡くなったからである。

しかし、好きになったのはずっとあとのことで、初めて彼を知った高校生の頃などはあまり趣味ではなかった。

なんというか、あまりにも直截と感じたのであった。
それは、恋とか青春とかを歌っているのではなく、世の中の矛盾とか住みずらさとか、キレイではないこと、そこまで言わなくてもなあ、という印象であった。

それが年をとることによって、それほど直截ではなく、深みのあるものなのだ、ということがなんとなく理解できるようになった。

さて、本書は高田渡のエッセイである。
自伝といってもいい。

他から見れば家庭的に恵まれていないように思える。
しかし、それはこちら側のはなしであって、高田渡的には普通であり別に不幸ではない。

こういうことって、多くあるんだと思う。
でも、人は普通とか皆と同じとかを求めるがゆえ、そうでない人を「変わっている」と言うのだと思う。

まあ、そうは言っても高田渡は普通ではない。

何故普通でないのか、いや俺は普通だよ、そうでない人が変なんだ、ということを高田渡は言っている。

では、どういうことを言っているのか?

「歌というものは、まず聞いてみて好きか嫌いか、それでいい。理屈をつける必要などまったくない。」

「僕は、ほんとうの詩というのもは、『最後にださざるを得ない、厳選された一句』だと思う。」

「もういい加減、むやみに突き進んでいくのはやめにしたらどうだろうか。」

「僕にとって旅というのは、もしかしたら飲んでいる場所をただ変えるだけのことなのかもしれない。いつもとは違った場所で飲み、そこに集う人々を見る。実は自分のことを見つめている。おそらく、きっと、それが僕の旅なのだと思う。」


どうです。
興味があったらゼヒ読んでみてください。

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