タイトルカット
チャールズ・ヒョン主演の『紮馬』(1978)。(読みは、”さつば”になるでしょうか?・・・Ready to Fightの意。)
スペルは"Mysterious footworks of kungfu"ということで、この映画のキモは”足”の技にあるようですが、それよりも江島のカニ拳が最後まで爆裂してて江島ファンは大いに楽しませてもらえる作品になっていると思います。(江島のカニ拳がとにかくたまらない!!)
おおはしゃぎの江島先生
簡単に言えば、とぼけた顔のチャールズ・ヒョンが見せるコミカルなジャッキー・スタイルのカンフーですが、江島のカニ拳とトミー・リーのエビ拳、2人合わせて”蝦蟹雙形拳”という絶妙なコンビネーションと、ヒョン氏が時折見せるビシッ、ビシッと力強いカンフー(足技はへなちょこ拳・・・。)が大変素晴らしい作品です。
チャールズ・ヒョンの兄弟の会社、永勝影業(のちに『Goose Boxer』(1979)を製作)で作られ、ウー・スーユエン(広東語読みならウン・シーユン)監督のもとで助監督をしていた陳華が「酔拳」が公開される直前に監督した作品です。(ウー・スーユエンはスーパーバイザーとして参加しています。)
そのウー・スーユエンとチャールズ・ヒョンが手を組んだと言えるものでこれだけでもただならぬ物を感じさせてくれるはず(笑。(しかしこの時期になぜ永勝とコラボを??なんかコワーイですね(笑。)
潮州からやってきた3つの目の主人公・三眼(まるで手塚治虫の「三つ目がとおる」みたい!(笑。最近手塚マンガも復活してきてますが、このマンガも面白いんだよね~!!)が酔っ払いの爺さん・蘇と協力し、強敵を倒すという単純なお話です。
トレードマークの3つ目は子供の頃ケンカした時の鍬(くわ)のキズが額に残ったというもの。
オトボケ顔の主人公。三眼
全体の雰囲気は「帰って来たドラゴン」とか『生龍活虎小英雄』見てる気分にさせられますね。陳華いいっすよ、陳華!
ストーリーは、歴史上の人物・林則徐のアヘン撲滅運動を下敷きにしたようなもので「酔拳」で頑固オヤジだったラム・カウが、林則徐を尊敬し、やはりそのアヘン拡散を命がけで防ごうとする人物・常二爺を演じています。
この顔。「酔拳」のおじさんですよ~。
(キャストの詳細は、こちら)
音楽は周福良によるアレンジで「酔拳」と同じBGMが各所で使用されています。
「えへっ」。はい!朝潮さんの登場です(爆。
乞食のファン・メイサンが登場しているので、これだけでも「酔拳」を思わせますね。(ファン・メイサンはこの時期、乞食役がホント多いなぁ(笑。まぁこれが最初かも知れませんけどね。)
「酔拳」公開前なので、この乞食の爺さん・蘇が出てくるというプロットも香港映画ではありがちですが、「酔拳」から洩れて本家より早く作ってしまったのかも知れないですね。
「酔拳」をどうしてもイメージしてしまうのですが、注目は乞食のじいさんが酔拳を演じたのかどうかという点。(これは是非チェックしてみてください。)
カンフー映画ではおなじみの特訓シーンや食事のシーンは、この映画でも登場しています!
「何杯食べるの?あんた。」(ゲストは、金帝さん。)
強敵の対処法を伝授してくれる寺の僧侶には陳少鵬。
いつものカーター・ワンから離れてチャールズ・ヒョンの映画に出演してます。
陳少鵬(右)
今回はゲスト出演っぽいチャン・ワイマン。ゲイの殺し屋って、オイオイ(苦笑。そのまんまの飛び道具使ってます。
殺し屋の役です。
それにしても、あのベティ・ティンペイが「蛇拳」「酔拳」真っ盛り頃のカンフー映画に出演 していることに驚かされます。
これは、これは。お珍しい!
ヒョンの足技はその名の通りミステリアスというかあやしい動きになってるのですが、チャールズ・ヒョンの腰砕けへなちょこ拳で勝利します!!
特訓場面
敵の意外な弱点を突く、蘇のじいさん。英語音声なのに「わぁ、臭〜い!!!」と聞こえるのはマジ笑えるなぁ。
パニック!のトミーさん
この映画の好きなシーンは、言いがかりをつけて巻き上げた金でごちそう中の爺さんに三眼が再会する場面(笑。 不思議そうな顔して「その足は?」ってセリフに大爆笑。
というわけで、この映画は雰囲気が良くてとても気に入ってしまった1本でした。
またこんな面白い映画があったらいいなぁと思います。
久しぶりに拝見しましたら、江島さんが嬉)!
江島のカニ拳て…(笑)
というか、本当にいろいろなスタイルの功夫が
あるのですね~。動物ごとに分類してみたいです。
ゲイのワイマン親分や、ティンペイさんも気になります。面白そう!
お久しぶりです。
>江島のカニ拳て…(笑)
そうそう、江島さんのカニ拳なんて思ってもみなかったのでまたまた江島さんにやられてしまいました(笑。
江島さん以外も『紮馬』久々に面白かったですよ。
>動物ごとに分類してみたいです。
これはおもしろいアイデアですねー。
動物の場合で五獣以外のスタイルを使うとそれだけで映画として成り立ってしまうほどですからね。(ちょっと考えてみたいと思います)