マオ シャン ジアン シー チュエン
原題 茅 山 彊 屍 拳
The Spiritual Boxer Part II 『霊幻少林拳』(DVD)
邵氏兄弟有限公司 作品 1,271,091HK$ 1979年度第36位
公開日 1979/2/15(木)
監督 劉家良(ラウ・カーリョン)
脚本 倪匡(ニー・クワン)
出演 汪禹(ワン・ユー)
黄杏秀(セシリア・ウォン)
劉家榮(ラウ・カーウィン)
劉家輝(リュー・チャーフィ)
スタッフ&キャスト
解説
73年ブルース・リーが去り、74年にマイケル・ホイという新しい喜劇のスターを生んだ香港映画界は翌75年、次なる巨匠となるべくラウ・カーリョンを登場させた。処女作「マジッククンフー 神打拳」(原題:『神打』)を発表したラウ・カーリョンはコメディ功夫映画の潮流を起こす。そのラウ・カーリョンが79年にキョンシーとカンフーをミックスさせたドタバタ・アクション・コメディを製作した。これが「霊幻少林拳」Spiritual Boxer Part2である。(当初は『神打小子』のタイトルだった。)数年後にはラム・チェンインがハマリ役の道士を演じた「霊幻道士」で一大キョンシーブームを巻き起こすことになる。主演はショウ・ブラザースのスター、ワン・ユー。共演は「少林寺三十六房」リュー・チャーフィほか。武術指導にはカーリョン監督とその助手にウィルソン・タンの名が挙がっている。
ストーリー
その昔、湘西地方では旅人が死ぬと死体を道士が故郷まで連れて行く”茅山術”と呼ばれる風習があった。主人公・范振元(汪禹)は半人前の道士だが運ばれて来た死体を洗って清め、帽子と服を着せて出発の準備に余念が無い。しかし、親族たちは死人の帰還が遅れ、このままでは腐ってしまうと大騒ぎしている。道士が数日間不在だったためだ。”神拳”とも呼ばれる振元の師匠・陳五(劉家榮)道士は、酒と賭け事に明け暮れる毎日だった。振元が賭博場から師匠を連れ戻すと、怪しげな禿げ頭の死体(劉家輝)があとから運ばれて入ってきた。そして辰の刻、9体のキョンシーを連れて一行は出発する。途中、検問所があった。そこにいた警官たちは脱獄犯・章傑を捜索しているというのだが、キョンシーの恐ろしさに逃げ腰になる警官たち。山を越え、町に着いた一行は宿を取りキョンシーたちを法術を使って安置させ、寝ることにした。すると、宿に菲菲(黄杏秀)が現れた。振元たちのあとにこっそり付いて来たのだった。女人はダメと分かっていた菲菲は男装していた。一方、師匠の陳五は町の賭博場へ繰り出していた。そこで大勝ちしている陳五を元締めの許(徐少強)が黙って見過ごすはずがなく乱闘になった。駆けつけた振元は師匠から指令を受けたキョンシー拳で連中を片付ける。しかし、足を負傷してしまった陳五に代わって振元と菲菲の二人ががキョンシーを先導することに。「陰人上路、陽人迴避」を唱えキョンシーたちを連れて歩く。禿げ頭のキョンシーを怪しむ菲菲たちだったが、実はこの男こそ鷹爪拳の使い手・章傑で脱獄してキョンシーに化け、検問を突破、復讐の為この地へ侵入していた。彼は悪人・周(李海生)に罪を着せられ投獄させられたのだった・・。
今回は70年代後半のキョンシー作品でした。
古くは 王天林監督の『湘西屍記』(56)がありますね。
『湘西屍記』より
清朝の官服を着たキョンシーじゃなくていわゆるコンシーが沢山見えますね。
但し、台湾での事情は少々異なります。
こちらの海報は「霊幻少林拳」よりも早く製作されたジョセフ・クオ監督の『湘西劍火幽魂』です。
上部に書かれている記述に注目していただきたい。これは『湘西屍』を改編したのがこの『湘西劍火幽魂』であるという事と思います。ジョセフ・クオといえば自らの作品に手を入れ、改編するのが十八番ですがこの作品もそうなんですよね。
この『湘西劍火幽魂』は台湾で78年5月4日から6日間公開された記録が残っており、78年に改編された模様です。現在見ることが出来る『少林兄弟』と同じものと思われますが元の作品『湘西屍』(77)はおそらく現存しておらず詳細は不明となっています。(『少林兄弟』の別名が『湘西屍』というケースもありますが、この場合は当然元の映画を指しているはずです)
ところで、最近の映画ではキョンシー映画に縁のあるユン・ワーも出演した『彊屍新戦士』(2010)が作られて、これはワイヤー、ワイヤーな感じのアクションホラー映画ですね。こちらは先月、VCD、DVD、Blu-rayがやっと発売されました。みんなー、くまきんきん先生も出ているぞよ!(笑)
最後に、キョンシーフィーバーを振り返えらせてくれる一冊の本をご紹介します。
つい先日出たばかりですが「キョンシー電影大全集」という本です。 (120本以上に及ぶ作品を網羅し、それぞれストーリー&レビューが掲載されています。)とても読み応えのある本ではないかと思います。
レンタルビデオが全盛だった当時の数々の作品を思い出しました(笑)。なつかしいですね。
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