電影フリークス ~映画のブログ~

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倉田保昭のクンフー映画

2025-03-04 12:40:00 | 倉田先生
こんにちは、醒龍です。

先日、倉田先生関連の記事をいくつか書きました。ここで新しい情報も出てきましたので、整理しておきたいと思います。

今回新たに参考書が増えまして、倉田先生のフィルモ作成には欠かせない4冊を用意しました。昨年の『帰って来たドラゴン』2Kリマスター版の上映により、新たに倉田先生のフィルモグラフィが世に出た訳ですね。比較的新し目の作品は未見が多いので今後が楽しみです(笑)。


先生の自伝本である和製ドラゴン放浪記新旧、激突!ドラゴン武術、帰って来たドラゴンの新パンフレットの4冊です。全部ドラゴン入ってます(笑)。

最初がこちら。
■激突!ドラゴン武術
昔からお世話になっていた書籍です。
やはり、これの影響が大きいですね。
当時はまだ情報が少ない時代でしたので大変貴重な情報源でした。
内容的にもしっかりと纏りのある内容で、当時の写真やポスター集などビジュアルの構成、解説文にも流石というか説得力ありましたね。フィルモは巻末の"倉田保昭のクンフー映画"というチャプターのなかの一節でした。
序説、アクション・スター倉田保昭の軌跡には映画デビュー作の邦画『続・組織暴力』もしっかり記載されていました。
71年7月に香港からランラン・ショウが来日した際、ホテルで面接を受けた倉田先生。この面接によって香港映画への出演が決まりましたから、これで国際スターの仲間入りを果たされたのですよね!

この時(83年時点)は、先生の最初の香港映画『悪客』からはじまって、最後の『悪漢探偵2』まで邦画4本を含む全44本でした。まだこんな状態でしたね。このフィルモの中で、個人的に気になった2本を書いておきます。
まず81年の『鳳舞雲天』について。古龍原作の陸小鳳シリーズの一本で、これは孟飛が主演の作品ですね。


ドラゴン武術によると先生曰く出演はしていなくて、孟飛と共演した映画のシーンが挿入されているらしい・・との事でした。
仮にそうだったとしても楚原の武侠片みたいな映画であるので、先生の『復讐のドラゴン』の一部出演シーンを挿入したとは考えにくい。(だってそうでしょう。アレなんですから)


以前、実際に映像を確認しました。


序盤の忍者が出てくるあたりなど、アクションはまぁまぁなのですが、先生のシーンが挿入出来そうな場面は当然ながらありませんでしたね。この『鳳舞雲天』は、のちにフィルモから排除される事になります。ちなみに勝手挿入の場合、当時はクレジットが入るのが常でした。

あとは『上海猛虎』ですね。73年製作という話ですが、ドラゴン武術にはスチールも海報も掲載されておらず、確認が出来ませんでした。後年、これに代わる作品として『爬山虎』が現れる事になっていたりします。これについては別途記事を書く予定です。

■和製ドラゴン放浪記(旧)
こちらは、上記のドラゴン武術がベースになっているのは確かだと思います(誤植を含め、ほぼそのままであるため)。基本的には83年以降の出演作が追加され、邦画は除外されてます。
あと、違いと言えば『金三角龍虎鬥』の製作年度が表記を移動しているぐらいですね。
激突!少林拳対忍者
デビッド・チャンやウォン・チェンリーが共演の本作。あんまり忍者っぽくない作品ですが(先生も忍者じゃないですし)、カラーページでオフショット写真が掲載されています。
倉田忍者の元祖はラウ・カーリョンの『中華丈夫』ですけれど、台湾でも沢山ニンジャ映画が作られてました。香港の大スターたちも挙って出演。ただジャッキーだけは、いわゆるニンジャ映画には出る事無かった様です。本作のVHSビデオも入手が困難になってますので、いまのうちに入手しておいた方が良いかも知れません。

■和製ドラゴン放浪記(新)
昨年、劇場で見かけましたまさかの新刊本でしたが先日お知らせしました通り、カラー写真やフィルモが差し替えとなっています。そのフィルモが大幅に改善されて前回の44本から、邦画などを含め全122本になりました。これは良かったと思います。

今回整理の最後はこちら。
■帰って来たドラゴン パンフレット
おそらく配給会社の関係の方がまとめられたかと思います。内容が放浪記と似ていますが、一部に違いがありました。その辺をメモ代わりに書いておきますね。
その前に、このフィルモには通し番号が付けられているのがとても良いですね。あと、製作会社も付記されているのです。これは作品を特定できる1つになるので実は情報量が多い方がいいのです。

そして、違いについて。実はごく僅かですがパンフと新しい放浪記2つのフィルモには不思議な差異があるのです。

まず全体的な本数の比較では、放浪記新が122本だったのに対し、126本と4本増えています。この差異を順に見ていきましょう。

まず1972年の筆頭、先の『爬山虎』が追加になってます。やはりトラブルの元で放浪記にはありませんでした。

2つ目は、76年の『旋風方世玉』の追加。倉田先生サイドでは『傳奇方世玉』など、他映画からの流用はカウントしないスタンスであるようなので、そういった理由になるかと思います。


3つ目は樂貿影視からリリースされていたのが記憶に新しいデビッド・チャン共演の『猫頭鷹』(81)が追加されてます。

さらに4つ目。No.70に記載の1992年の邦画『暴力列島 ダーティマネージャック』が追加です。未見のため要確認ですね。


最後5本目。2000年の邦画『銀座ミッドナイトストーリー ゆーとぴあ 白い蕾』が追加ですが、同シリーズの赤い蝶を別に1本としてカウントしているようです。


不思議なのが逆に放浪記にしかないタイトルで、それが2017年の『天目危機』なんですね。上記5本にコレを差し引いて都合4本が差異となってます。

私は比較的古い70年代作品が好きですので先日書きました『一拳一塊錢』などその辺りを引き続き重点的に見ていきます。

あと、まぁこれはオマケとして念の為追記しておきますと、上記フィルモにはどれにも記載されていないカメオ出演が一本ありますね!
数年前にSNSで話題になりましたジャッキー主演の『ポリスストーリー香港国際警察』に、ちらっと映る永安デパートのエスカレーターのシーンがそれです。先生のお顔は映らず後ろ姿だけなのですけど、しっかり出演されていましたね。

以上、私が現在認識しているのは以前記事を書きました70年代の香港と台湾のものだけですが、これまで単純に120本を超える映画に出演されました倉田先生。例の新作短編映画にも驚きましたね。
ここ10年だけでもジョン・ウー監督の『マンハント』をはじめとする海外での出演作品が多いですし本当に国際的なスターでいらっしゃいますので、今後の更なるご活躍を祈るばかりです。

最後に。先日の記事で触れました倉田先生とのツーショット写真も、今朝無事プリントアウトできました。わたしはこの写真を大切にして生きていきます(笑)。



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