福岡市民劇場9月例会で文学座公演「花咲くチェリー」を観劇しました。
「花咲くチェリー」の主人公ジム・チェリーは、北村和夫の当たり役として広く演劇ファンの間で知られていたのだそうです。北村さんが亡くなられた後、渡辺徹さんがこの役を受け継いだそうですが、渡辺さんの体調不良で、今回チェリー役は鍛冶直人さんが演じられました。
今回受け取ったチケットは4列目でほぼ中央の、役者さんの細かい息遣いまでもが直に伝わって来る観劇には絶好の位置だったのですが...。
保険会社で営業をするジム・チェリーは妻イゾベル、娘ジュディー、息子トムの4人暮らし、会社勤めは性に会わず上司ともうまくいきません。ついには解雇されてしまう。それを家族に言えなくて、毎日どこかに出かけては時間をつぶし、お酒におぼれることに。そしていつか故郷のサマセットに帰って、りんご園を経営するという夢とも幻想ともつかない事を密かに暖めています。
妻のイゾベルが夫の失業を知り、今住んでいる家を処分してサマセットに帰ってりんご園を経営しようと提案した時、ジムはこの提案に怖気づきます。ジムは夢というより現実逃避としてりんご園を夢見ていたんでしょうね~、多分。叶えるつもりもなく、夢というより幻想だったんでしょう。
妻のイゾベルはそんな夫に嫌気が差し、家を出て行ってしまうのですが、ジムには妻はいつも自分を許してくれるという気持ちがあり、出て行った妻が戻ってくれると待っているのです。
そして最後に幻想的なリンゴの花咲く背景の前で、ジムが曲がるはずもない太い鉄の火かき棒を曲げた後、その場に倒れ幕となるのですが、この火かき棒を曲げるのが何を意味しているのか(?)です。この鉄の棒を曲げるシーンは役者さんの大熱演だったんですがね~。
この作品は夢と現実の葛藤と、その結果として家族の崩壊を描いたものなのだそうですが、あまりよく伝わって来ない芝居でした。そして最後の場面にもう一工夫あっていいのでは、との思いがしました。
一緒に観劇した皆様はどんな感想を持たれたのか知りたい気がしましたね~。
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