40代前半頃に森瑤子さんの本をよく読みました。といっても100冊を越える著作がある彼女の作品のホンの一部ですが。特にエッセイは面白かったですね~。今、手元にあるのはほとんどが文庫本ですが、本棚にそのままになっていて、最近、又取り出して時々読んでいます。
彼女のエッセイは辛口で耳にいたい話が多く、また若い女性をしかる内容が多いですが、どれも正論で当時中年の私にもスッと心に入ってきました。お金と幸せとの関係、ブランド物との付き合い方など教えられることも多く、多くの読者を獲得しているのが納得できましたね~。
「人生の贈り物」というエッセイ、これは彼女の最後のエッセイなのだそうですが、愛用の品物についての思い入れとともに、旅先の土地との出会い、人々との出会い、美しい物たちとの運命的な出会いなどについて述べておられます。愛用の品々をとおして、彼女のお洒落に対するこだわり、人生観がかいま見える素敵なエッセイだと思います。
森さんの小説世界は普通の日常とあまりにもかけ離れていて、面食らう事も多かったのですが、又だからこそ、時には引き込まれていったのかもしれません。都会に生きる大人の男女の恋愛の機微を、オシャレに華やかに描き出すことにかけては当代随一の小説家だと当時思ったものです。小説の中によく登場するシナという女性、このシナは森さん自身を投影しているのではないかしら(?)と思いながら読むことも多かったですね~。
森瑤子さんは1978年に「情事」で「すばる文学賞」を受賞後文壇に登場され、瞬く間にベストセラー作家になられましたが、惜しくも1993年に52歳で病死されました。小粋で、スマートで、洗練された彼女の新しい作品にもう出会えないのを、とても残念に思います。
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