まだまだ寒い日が続いていますが、陽の光に何とはなしに春を感じる今日この頃です。昨日は福岡市民劇場2月例会で前進座の歌舞伎「三人吉三巴白浪(さんにんきちさともえのしらなみ)」を観賞しました。「三人吉三巴白浪」は「月も朧に白魚の...」という名セリフでよく知られた河竹黙阿弥の代表作です。
<リーフレット>
リーフレットによると、白浪とは盗賊が主人公の物語という意味だそうで、「三人吉三巴白浪」は三人の吉三郎という名の盗賊が三つどもえとなって物語が展開する、盗賊が主人公の歌舞伎という意味になるのだそうです。
話の筋は結構込み入っていて、完全に理解出来ていたのか、自信がありませんが、盗まれた名刀庚申丸が百両のお金に姿を変えて何人もの手に渡るという話で、お嬢吉三、お坊吉三、和尚吉三の3人の盗賊が、大川端で出会い義兄弟の契りを結ぶ、よく知られた場面から始まりました。
しかし様々な悪事を重ねたこの3人は、自分ではそれとは知らない過去の出来事によって翻弄され、又様々な因縁がからみ、次第に追い詰められていきます。そしてよく知られた最後の本郷火の見櫓のシーンになります。
この本郷火の見やぐらの大立ち回りは、この歌舞伎の最大の見せ場で、櫓に登るお嬢吉三、追っ手を相手に立ち回るお坊吉三、さらに和尚吉三も加わって三つ巴のシーンが舞台上で演じられました。そして最後は舞台の終わりにふさわしく、雪が降りしきる場面で幕となりました。
幕が下りると、スタンディングオベーションとなり、掛け声もかかり観客の拍手、興奮は収まらず、役者、観客が一体となったあつい熱気を感じる舞台でした。
絢爛豪華なお嬢吉三の衣装、変化する舞台装置とその色彩、七五調の名セリフ、大立ち回り、役者さんの見得をきる所作など、歌舞伎の華やかさもたっぷり体感出来ました。又、歌舞伎はすばらしい日本のエンターテインメントで、日本人の心の内にある何かを呼びさます力があるのではと感じた舞台でもありました。
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