今年のお正月に子供達家族が集まった新年会の席のテーブルには、下の写真のテーブルクロスを掛けました。
このテーブルクロスは2011年の秋にトルコを旅した時に、カッパドキアのお土産物屋さんで買ったものです。
カッパドキアは約6000年前の火山噴火で堆積した火山灰が、長い年月をかけて侵食され出来た奇岩群があるところで、幻想的な風景が広がっていて、トルコ観光のハイライトともいえる場所です。
色々な奇岩群を見て回りましたが、その奇岩群の中の所々に土産物屋さんがあり、その中の一軒の店先に、このテーブルクロスが並べてありました。この店の商品は玄関マットやテーブルクロス、テーブルセンター、手編みレースのドイリーなどが主で、ご夫婦でやっておられる土産物店のようでした。
鮮やかなブル地ーにトルコの国花であるチューリップを図案化した模様が織り込まれた、このテーブルクロスにすぐ目がいった私は、早速値段を交渉してみました(トルコでは一応値札は付いてはいますが、実際は交渉によって値段が決まるようです)。
店の奥さんは簡単な日本語を話せ、値段を日本円で交渉するのですが、8000円だったものがすぐ4000円になりました。その値段で買えばいいのに「3000円にしてくれない?」と言ってみました。「ダメ」ということでしたので、その場を離れ次の奇岩群の観光に移りました。
色々な奇岩群を見学している間に、先程のテーブルクロスの事はすっかり忘れていました。そして数時間後、奇岩群の見学が終わり観光バスが発車する間際に、先程の土産物店の奥さんが、このテーブルクロスを持ってサッとバスに乗り込んでこられ、「3000円でいいから買ってほしい」と言われたのです。すっかり忘れていた私は突然のことで驚きましたが、3000円を払い買い求めました。
その後、バスの中で旅のお仲間の奥様方や添乗員さんに「いい買い物をされたわね~」などと言われ、その場は満足したのですが、日本に帰ってよく考えてみると、カッパドキアで小さな土産物屋さんを経営している、ご夫婦の言うなりの4000円で買ってあげればよかったなぁ~という気持ちがしきりにして来るのです。夫にこのことを言うと、「3000円でも充分儲けてる、気にするな」と言うばかりで、取り合ってくれません(笑)。
このテーブルクロスは生地も厚く、手持ちのこげ茶色のランチョンマットと組合わせると華やかなセーブルセッティングになり、とても気に入っていますが、広げるたびにカッパドキアでのやり取りを思い出し、小さな心の痛みを感じる私です。
.
.
.