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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

杉田久女遺品の小裂

2017年03月14日 | つれづれ

このブログのカテゴリー、俳人杉田久女(考)の(18)の記事で、久女の遺墨集『杉田久女遺墨』について書ています。私が手元に持っているこの遺墨集は、久女の長女石昌子さんが昭和55年12月に出版された普及版(4800円)ですが、これより8か月前の昭和55年4月に、これの限定豪華版(15000円)が出版されています。

この限定豪華版は300部の出版だったらしく、出版されたことは知っていましたが、何しろ数が数なので見たことはありませんでした。

ところが先日これを実際に見たのです。サイズはB4判、
布張りの落着いた朱色の箱入りで、爪の付いた紐で箱を左側から開け閉めする様になっています。
<限定豪華版『杉田久女遺墨』>

箱を開けるとこんな感じで、中の本が現れます。


本の表紙をめくり1ページ目を見ると、なんと杉田久女の遺品の小裂と説明された
、彼女の着物の裂が貼り付けてありました。これを見た瞬間、ここから久女が立ちのぼって来る気がして非常に興奮しましたね。

<杉田久女遺品の小裂>

説明書きによると、この小裂は久女が自分の打掛を染めて、娘昌子さんの羽織に仕立て直した品だそうです。右側の黒い方が羽織の表地で左の赤い方が羽織の裏地になっていたのでしょう。

表地は黒地に花橘の柄、裏地は白地に赤かのこ模様。生地は共に打掛の紋羽二重とのことです。

本の最後に限定300部のうち本書は第164号との印が押してありました。本の限定版ってこんな風に刻印するんですね、初めて知りました。

この本の著者の久女の長女石昌子さんは、別の自身の著書にこの二つの遺墨集(限定豪華版、普及版)を出すことにより、ひどかった久女像が次第に修整されていったと書いておられ、これらの遺墨集は久女復活の大きな力になったようです。

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(このブログのカテゴリーの一つ、「俳人杉田久女(考)」を独立させたブログを作りました。内容は同じですが、よろしければ覗いてみて下さい。URLはhttp://blog.goo.ne.jp/lilas0526です。)