昨日、都久志会館で北朝鮮による拉致被害者の蓮池薫さんの講演、「夢と絆をもとめて ~翻弄された運命のなかで~」を聞きました。
13時30分開場でしたが、開場30分前には既に多くの方々が並んでおられ、途中で整理券が配られましたが、会場に入りきれない方々は、会場外で音声だけ聞くことになった様です。これだけ沢山の人々が集まるのをみても、この問題に関心のある方々が、いかに多いかということでしょう。
講演は前半で拉致問題全般について、後半では北朝鮮でご自分が体験されたことなどを話されました。
蓮池さんは新潟の海辺で彼女(後の奥様)とデートをしていた時、たばこの火を貸してくれと流暢な日本語で話しかけられたのが発端で、寝袋様の物に入れられ拉致されたのだそうです。
政府認定の17名の拉致被害者の他に、拉致の可能性を排除できない883名(2018年10月1日現在)もの方々がおられます。私は、こんなに多くの人々が拉致されたことに関して、日本政府の怠慢があるといつも思っています。というのは、高校時代(1965年前後)の社会科の時間に先生が言われたことを忘れることが出来ません。
先生は「日本海側をドライブしていると、【不審な人を見かけたら届け出て下さい】という看板が所々に立っている。このとりとめもない看板の意味は、北朝鮮が日本人をさらいに来ているらしい。そんな人(工作員)を見かけたら警察に届けなさいという意味なのですよ」と教えて下さいました。当時は拉致という言葉は使われていなかったので、先生は人さらいという言葉を使われました。
こんな看板を立てる位なので、日本政府は北朝鮮が日本人をさらいに来ているらしいことを警察を通じて薄々気付いていたと思われます。それなのに何の対策もうたず、日本海側のパトロールを強化することもなかった様です。
パトロールを強化していれば、人さらいに来た工作員によってその情報は確実に北朝鮮側に伝わり、こんなに易々と長期間にわたって、多くの人々が拉致されることは無かったのではないかと思わずにはいられません。
蓮池さんの「いかなる時も、拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化をするべきではない」という言葉に全く同感です。