今日は大阪ローカルのニュース、MBSのシリーズ『憤懣本舗』をご紹介しようと思います。
『憤懣本舗』7月11日放送
以下引用
今なおスーパーなどで堂々と売られる、産地偽装の牛肉を暴きます。
農林水産省は去年の年末から、偽装を防ぐために、国産牛肉を販売する際には『10桁の番号』を表示するよう義務付けています。
この番号をたどれば国産肉の産地がわかるシステムなのですが、その制度をあざ笑うかのように、新たな外国産の偽装肉が出回り始めました。
去年8月、大阪府門真市のスーパーで、近江牛と表示された商品が数多く売られていました。
本物なら1枚3,000円はする近江牛のサーロインステーキが、1枚たったの370円。
実は“偽モノ”だったのです。
こうした偽装は全国で相次ぎ、さすがに国も取り締まりに動き出します。
去年12月にスタートした『個体識別番号制度』です。
パックに表示された10桁の番号を、専用のホームページに入力すると、自分が食べる牛が“いつ”“どこで”生まれたのかが、一目でわかります。
国内にいるすべての牛に、10桁の番号を割り振って管理。
つまり番号が付いていることが、“国産牛”の証なのです。
<農水省衛生管理課>
「牛肉の生産履歴が消費者に公表されることで、偽装表示に対する抑止力が期待できる」
これで偽装はほぼなくなるかに思えました。
しかし、「偽装はまだ続いている」との情報が寄せられた先月(6月)下旬。
日本で唯一の偽装ハンター、牛島孝治さんとともに調査を開始しました。
肉店の経営者であり、NPO法人の代表でもある牛島さんは、全国をまわって偽装を告発しています。
そんな牛島さんが向かった先は、大阪府寝屋川市の、とあるスーパーです。
肉売り場で最初に目に付いたのが『サーロインステーキ』の山。
国産と表示されていますが、値段は1枚350円。
標準価格のおよそ半値という、激安価格です。
<牛島孝治さん>
(Q.“国産”で売られていたが?)
「国産では絶対ない。オーストラリア産かメキシコ産のサーロインステーキ。どちらかで間違いない」
サーロインステーキとともに牛島さんが注目したのが、シチュー用のバラ肉。
国産と書かれ、あの10桁の個体識別番号も、ちゃんと表示されています。
念のため番号を打ち込むと、『山形県産の雄牛』。登録上は間違いなく国産です。
しかし、牛島さんの見立ては違っていました。
<牛島孝治さん>
「これもオーストラリア産かメキシコ産」
(Q.『個体識別番号』がついてますが?)
「これ自体が偽装」
偽装であることを確信した牛島さんは、いよいよ肉売り場の担当者を直撃します。
<牛島孝治さん>
「私がなぜここに来たか、わかるでしょ?」
オーストラリア産かメキシコ産と睨んだ、あのサーロインステーキについて、まず追及しました。
<肉売り場担当者>
(Q.本当に国産で間違いない?)
「これはメキシコ産です」
1枚350円の超破格の国産サーロインステーキは、店頭価格250円のメキシコ産だったのです。
偽表示の上に、100円の利益もちゃっかり上乗せしていたのです。
<牛島孝治さん>
「なぜ、見え見えの偽装をするの?」
<肉売り場担当者>
「どうしたらいいですか?」
<牛島孝治さん>
「このまま済ますことはできません。偽装を認めますか?」
<肉売り場担当者>
「認めます」
続いて、個体識別番号では『山形県産の雄牛』となっていた、あのシチュー用バラ肉について聞くと…
<肉売り場担当者>
(Q.バラシチュー用はどこ産?)
「オーストラリア産です」
(Q.なぜ、国産の表示になっているの?)
「本物の国産を出すときもあるんです」
<牛島孝治さん>
「言い訳は聞きません。この識別番号はどこから持ってきた? お宅が仕入れた国産牛の番号を抜いた?」
<肉売り場担当者>
「そうです」
店で以前仕入れた国産牛の番号を、オーストラリア産やメキシコ産の肉にそのまま付けていたのです。
<肉売り場担当者>
「10桁の番号を調べてる客はいないだろうと」
(Q.なぜ偽装を?)
「アメリカ産牛肉の輸入停止で、国産牛の価格が高騰。国産牛を安く提供できなくなった。かといって、オーストラリア産だと拒絶するお客さんがまだまだいる。輸入肉を国産とすれば売れるのではと思って」
国が威信をかけてスタートさせた個体識別番号が、簡単に悪用されていたのです。
しかし、驚くのはこれだけではありません。
担当者がとんでもないことを打ち明けました。
<肉売り場担当者>
「先週、農水省の方が店に来られた」
(Q.その時、偽装について注意は?)
「なかったです」
実は、私たちがこの店を調査したちょうど1週間前、農水省がこの店の立ち入り調査を行っていましたが、偽装が目の前にあるにもかかわらず、全く気づいていなかったのです。
<肉売り場担当者>
「半信半疑だったけど、結果的に農水省に見つからず、よかったと思った。まだ偽装を続けられると」
偽装を見落としてしまった農水省は、こうした事態をどう考えているのでしょうか。
<農水省衛生管理課>
「非常に遺憾なこと。見落としはありうる。お金も人も無制限に費やせば、すべて検査可能だが、現実的にはできないので」
農水省は、「店頭で偽装牛肉を見分けることはできない」と言いきります。
そのため、DNA検査を行っていますが、年間130万頭が解体される今の日本で、実施率は全体の1%にも及びません。
<牛島孝治さん>
「逃げ道はたくさんある。識別番号を使って、外国産を国内産と偽るケースは偽装は今後増えてきますよ」
消費者を欺く店を1つでも減らしたい。
偽装がなくならい限り、牛島さんの戦いは終わることはありません。
一方、農水省は、店頭で「おかしい」と感じたら、直ちに通報してほしいと話していて、DNA検査を通して、悪質な業者については実名を公表するとしています。
MBSのシリーズ『憤懣本舗』引用ここまで。
いつもの事ながら、voiceスタッフの皆さんの取材、報道姿勢は素晴らしいですね。
今後も頑張って下さい。
それにしても、役所は何をしとんのじゃ。
偽装表示に怒りをおぼえた方は
『憤懣本舗』7月11日放送
以下引用
今なおスーパーなどで堂々と売られる、産地偽装の牛肉を暴きます。
農林水産省は去年の年末から、偽装を防ぐために、国産牛肉を販売する際には『10桁の番号』を表示するよう義務付けています。
この番号をたどれば国産肉の産地がわかるシステムなのですが、その制度をあざ笑うかのように、新たな外国産の偽装肉が出回り始めました。
去年8月、大阪府門真市のスーパーで、近江牛と表示された商品が数多く売られていました。
本物なら1枚3,000円はする近江牛のサーロインステーキが、1枚たったの370円。
実は“偽モノ”だったのです。
こうした偽装は全国で相次ぎ、さすがに国も取り締まりに動き出します。
去年12月にスタートした『個体識別番号制度』です。
パックに表示された10桁の番号を、専用のホームページに入力すると、自分が食べる牛が“いつ”“どこで”生まれたのかが、一目でわかります。
国内にいるすべての牛に、10桁の番号を割り振って管理。
つまり番号が付いていることが、“国産牛”の証なのです。
<農水省衛生管理課>
「牛肉の生産履歴が消費者に公表されることで、偽装表示に対する抑止力が期待できる」
これで偽装はほぼなくなるかに思えました。
しかし、「偽装はまだ続いている」との情報が寄せられた先月(6月)下旬。
日本で唯一の偽装ハンター、牛島孝治さんとともに調査を開始しました。
肉店の経営者であり、NPO法人の代表でもある牛島さんは、全国をまわって偽装を告発しています。
そんな牛島さんが向かった先は、大阪府寝屋川市の、とあるスーパーです。
肉売り場で最初に目に付いたのが『サーロインステーキ』の山。
国産と表示されていますが、値段は1枚350円。
標準価格のおよそ半値という、激安価格です。
<牛島孝治さん>
(Q.“国産”で売られていたが?)
「国産では絶対ない。オーストラリア産かメキシコ産のサーロインステーキ。どちらかで間違いない」
サーロインステーキとともに牛島さんが注目したのが、シチュー用のバラ肉。
国産と書かれ、あの10桁の個体識別番号も、ちゃんと表示されています。
念のため番号を打ち込むと、『山形県産の雄牛』。登録上は間違いなく国産です。
しかし、牛島さんの見立ては違っていました。
<牛島孝治さん>
「これもオーストラリア産かメキシコ産」
(Q.『個体識別番号』がついてますが?)
「これ自体が偽装」
偽装であることを確信した牛島さんは、いよいよ肉売り場の担当者を直撃します。
<牛島孝治さん>
「私がなぜここに来たか、わかるでしょ?」
オーストラリア産かメキシコ産と睨んだ、あのサーロインステーキについて、まず追及しました。
<肉売り場担当者>
(Q.本当に国産で間違いない?)
「これはメキシコ産です」
1枚350円の超破格の国産サーロインステーキは、店頭価格250円のメキシコ産だったのです。
偽表示の上に、100円の利益もちゃっかり上乗せしていたのです。
<牛島孝治さん>
「なぜ、見え見えの偽装をするの?」
<肉売り場担当者>
「どうしたらいいですか?」
<牛島孝治さん>
「このまま済ますことはできません。偽装を認めますか?」
<肉売り場担当者>
「認めます」
続いて、個体識別番号では『山形県産の雄牛』となっていた、あのシチュー用バラ肉について聞くと…
<肉売り場担当者>
(Q.バラシチュー用はどこ産?)
「オーストラリア産です」
(Q.なぜ、国産の表示になっているの?)
「本物の国産を出すときもあるんです」
<牛島孝治さん>
「言い訳は聞きません。この識別番号はどこから持ってきた? お宅が仕入れた国産牛の番号を抜いた?」
<肉売り場担当者>
「そうです」
店で以前仕入れた国産牛の番号を、オーストラリア産やメキシコ産の肉にそのまま付けていたのです。
<肉売り場担当者>
「10桁の番号を調べてる客はいないだろうと」
(Q.なぜ偽装を?)
「アメリカ産牛肉の輸入停止で、国産牛の価格が高騰。国産牛を安く提供できなくなった。かといって、オーストラリア産だと拒絶するお客さんがまだまだいる。輸入肉を国産とすれば売れるのではと思って」
国が威信をかけてスタートさせた個体識別番号が、簡単に悪用されていたのです。
しかし、驚くのはこれだけではありません。
担当者がとんでもないことを打ち明けました。
<肉売り場担当者>
「先週、農水省の方が店に来られた」
(Q.その時、偽装について注意は?)
「なかったです」
実は、私たちがこの店を調査したちょうど1週間前、農水省がこの店の立ち入り調査を行っていましたが、偽装が目の前にあるにもかかわらず、全く気づいていなかったのです。
<肉売り場担当者>
「半信半疑だったけど、結果的に農水省に見つからず、よかったと思った。まだ偽装を続けられると」
偽装を見落としてしまった農水省は、こうした事態をどう考えているのでしょうか。
<農水省衛生管理課>
「非常に遺憾なこと。見落としはありうる。お金も人も無制限に費やせば、すべて検査可能だが、現実的にはできないので」
農水省は、「店頭で偽装牛肉を見分けることはできない」と言いきります。
そのため、DNA検査を行っていますが、年間130万頭が解体される今の日本で、実施率は全体の1%にも及びません。
<牛島孝治さん>
「逃げ道はたくさんある。識別番号を使って、外国産を国内産と偽るケースは偽装は今後増えてきますよ」
消費者を欺く店を1つでも減らしたい。
偽装がなくならい限り、牛島さんの戦いは終わることはありません。
一方、農水省は、店頭で「おかしい」と感じたら、直ちに通報してほしいと話していて、DNA検査を通して、悪質な業者については実名を公表するとしています。
MBSのシリーズ『憤懣本舗』引用ここまで。
いつもの事ながら、voiceスタッフの皆さんの取材、報道姿勢は素晴らしいですね。
今後も頑張って下さい。
それにしても、役所は何をしとんのじゃ。
偽装表示に怒りをおぼえた方は
