![]() | 暗殺の年輪文藝春秋このアイテムの詳細を見る |
文庫本
藤沢周平の短編。黒い縄、暗殺の年輪、ただの一撃、くらい海、囮の5作品。
黒い縄は、町人もの。出戻りのしのと、幼なじみ。元岡っ引きの老人の執念と人情が織り混ざるストーリー。
暗殺の年輪は、藩の政争に心ならずも、巻き込まれてしまう、若者達の運命を描いている。
ただの一撃は、藩主の命で御前試合をしなければならなくなった老人の、剣士としての本能と老いた者の悲しみが描かれている。
くらい海は、晩年の葛飾北斎の心情を描いている。
囮。版木の彫り師甲吉は、下っ引きをやっており、張り込みを続ける中で心が揺れ動く。
私は、藤沢周平の作品の中では、やっぱり武家社会のしがらみや下級武士の心意気のようなものを描いた作品が好きですね。
この作品の中では、ただの一撃が好きですが、結末が暗くなり過ぎて、少し心に鬱屈が残ります。
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