#258 T・レックス「Get It On (Bang The Gong)」(Electroc Warrior/Rhino)
T・レックス、71年リリースのセカンド・アルバムより。マーク・ボランの作品。
T・レックスは67年結成、68年レコード・デビュー。当初はマーク・ボランとスティーブ・トゥック (Perc.)のコンビで「Tyrannosaurus Rex」と名乗っており、アコースティック色が強かったが、70年にトゥックからミッキー・フィンに交代、エレクトリック・ギターを導入、バンド名もT・レックスと改めた。
このリニューアルが見事成功、彼らは一躍トップ・バンドへの道を歩み始める。
で、71年に放ったこの「Get It On」のヒットで、その人気を不動のものとした。
そして、同時期にブレイクしたデイヴィッド・ボウイ、モット・ザ・フープルなどとともに、グラム・ロックと呼ばれる新しいカテゴリーのロックを創り出したのである。
当時筆者は、中学2年になったあたり。まだ自分ではギターを弾いたり、歌ったりはしていなかったが、ロックにはすでにハマっており、FMの番組をエアチェックするのが習慣になっていた。
DJ神太郎さんの音楽番組(東芝EMIのロックを専らかけていた)でこの曲を初めて聴いたときは、彼らの以前のヒット(「Ride A White Swan」「Hot Love」など)にはない、ハードでヘビーなグルーヴを感じ、さっそく熱烈なファンとなったものだ。邦題「電気の武者」というアルバムはこの曲同様、日本でも大ヒットとなった。
まずは、彼らが英国のTV番組に出演したときの映像で、この曲を観賞していただこう。
すぐに気がつくと思うが、エルトン・ジョン(すでにブレイクしていた)をピアノに迎えての5人編成のライブ(まあ、口パク、あてぶりってヤツだが)である。
当時の日本では、洋楽の情報はなかなか伝わってこず、アルバムのクレジットになかったこともあって、このピアノが誰であるかはずっと知られずにいた。
で、後年わかったことだが、実はイエスのリック・ウェイクマンが弾いていたそうなんである。
プログレの雄であるウェイクマンが、こんなオーソドックスなR&Bっぽい演奏をしていたなんて、ちょっと意外だよね。
むしろ、エルトンが弾いていたというほうが、しっくり来ると思うのは、筆者だけじゃないだろう。エルトンはニール・セダカやジョン・レノンなどともコラボするなど、非常にフットワークの軽いひとであったしね。
でも、事実はウェイクマンが正解のようなのだ。な~んか、不思議な感じ。
したがって、今回の映像中のピアノの音は、エルトンの演奏ではないのだ。ご注意を。
さて、この曲のカッコよさは、なんといってもノリがよく、踊りやすいところだろう。演奏スタイルはごくごくオーソドックスなブギで、特に変わったこと、難しいことをしているわけじゃないのだが、抜群にノリがいいのである。特にベースラインが。
弾いているのは71年に正式メンバーとなるスティーヴ・カーリー。ホント、聴いていると自然と体が動いてくるのだ。
あとは、テナーサックスのイアン・マクドナルド(元キング・クリムゾンのひとね)やバック・コーラスが、ファンキーな雰囲気を盛り上げていることも大きいかな。
この曲はのちに、パワー・ステーションが85年にカバーし、ヒットさせている。そのブラックでファンキーなグルーヴが、ロバート・パーマーらの心をつかんだのであろうね。
ブルース、R&Bをベースに、マーク・ボランならではのセンスを加味して作られた、新しいダンス・ミュージック。泥臭いけど、斬新。それがT・レックス・サウンドだと思う。40年以上経っても、ちっとも古びないカッコよさを、この曲に感じ取ってくれ。
T・レックス、71年リリースのセカンド・アルバムより。マーク・ボランの作品。
T・レックスは67年結成、68年レコード・デビュー。当初はマーク・ボランとスティーブ・トゥック (Perc.)のコンビで「Tyrannosaurus Rex」と名乗っており、アコースティック色が強かったが、70年にトゥックからミッキー・フィンに交代、エレクトリック・ギターを導入、バンド名もT・レックスと改めた。
このリニューアルが見事成功、彼らは一躍トップ・バンドへの道を歩み始める。
で、71年に放ったこの「Get It On」のヒットで、その人気を不動のものとした。
そして、同時期にブレイクしたデイヴィッド・ボウイ、モット・ザ・フープルなどとともに、グラム・ロックと呼ばれる新しいカテゴリーのロックを創り出したのである。
当時筆者は、中学2年になったあたり。まだ自分ではギターを弾いたり、歌ったりはしていなかったが、ロックにはすでにハマっており、FMの番組をエアチェックするのが習慣になっていた。
DJ神太郎さんの音楽番組(東芝EMIのロックを専らかけていた)でこの曲を初めて聴いたときは、彼らの以前のヒット(「Ride A White Swan」「Hot Love」など)にはない、ハードでヘビーなグルーヴを感じ、さっそく熱烈なファンとなったものだ。邦題「電気の武者」というアルバムはこの曲同様、日本でも大ヒットとなった。
まずは、彼らが英国のTV番組に出演したときの映像で、この曲を観賞していただこう。
すぐに気がつくと思うが、エルトン・ジョン(すでにブレイクしていた)をピアノに迎えての5人編成のライブ(まあ、口パク、あてぶりってヤツだが)である。
当時の日本では、洋楽の情報はなかなか伝わってこず、アルバムのクレジットになかったこともあって、このピアノが誰であるかはずっと知られずにいた。
で、後年わかったことだが、実はイエスのリック・ウェイクマンが弾いていたそうなんである。
プログレの雄であるウェイクマンが、こんなオーソドックスなR&Bっぽい演奏をしていたなんて、ちょっと意外だよね。
むしろ、エルトンが弾いていたというほうが、しっくり来ると思うのは、筆者だけじゃないだろう。エルトンはニール・セダカやジョン・レノンなどともコラボするなど、非常にフットワークの軽いひとであったしね。
でも、事実はウェイクマンが正解のようなのだ。な~んか、不思議な感じ。
したがって、今回の映像中のピアノの音は、エルトンの演奏ではないのだ。ご注意を。
さて、この曲のカッコよさは、なんといってもノリがよく、踊りやすいところだろう。演奏スタイルはごくごくオーソドックスなブギで、特に変わったこと、難しいことをしているわけじゃないのだが、抜群にノリがいいのである。特にベースラインが。
弾いているのは71年に正式メンバーとなるスティーヴ・カーリー。ホント、聴いていると自然と体が動いてくるのだ。
あとは、テナーサックスのイアン・マクドナルド(元キング・クリムゾンのひとね)やバック・コーラスが、ファンキーな雰囲気を盛り上げていることも大きいかな。
この曲はのちに、パワー・ステーションが85年にカバーし、ヒットさせている。そのブラックでファンキーなグルーヴが、ロバート・パーマーらの心をつかんだのであろうね。
ブルース、R&Bをベースに、マーク・ボランならではのセンスを加味して作られた、新しいダンス・ミュージック。泥臭いけど、斬新。それがT・レックス・サウンドだと思う。40年以上経っても、ちっとも古びないカッコよさを、この曲に感じ取ってくれ。
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