#261 リッチー・サンボラ「The Wind Cries Mary」(Original Soundtrack Recording The Adventure Of Ford Fairlane/Elektra)
アメリカのハードロックバンド、ボン・ジョヴィのギタリスト、リッチー・サンボラのソロデビュー曲。ジミ・ヘンドリクスの作品のカバー。
リッチー・サンボラは59年、ニュージャージー州ウッドブリッジの生まれ。ヘンドリクスに強い影響を受けて、14才からギターを始める。
ジョン・ボン・ジョヴィを中心としたバンド、ボン・ジョヴィに加入、84年レコードデビュー。86年リリースのサードアルバムで全米的にブレイク。以後、アメリカのトップ・バンドのひとつとして、30年近く活動を続けている。
サンボラはリードギターのほか、各種弦楽器、キーボード等を担当。フロントはあくまでもジョンに任せてバッキングに徹しているが、歌もOKで、バックコーラスでそのワイルドな歌声を聴くことが出来る。
そんなサンボラが初めてソロで歌ったのが、この「The Wind Cries Mary(風の中のマリー)」だ。きっかけは、90年公開の20世紀フォックス映画「フォード・フェアレーンの冒険」の挿入曲を依頼されたことである。サンボラはそこで、自分が一番影響を受けたヘンドリクスのカバーをやったのである。
「The Wind Cries Mary」は先日取り上げた「Manic Depression」が収録されているアルバム、「Are You Experienced?」で聴くことが出来るナンバー。
ヘンドリクスの曲としてはもっとも静かな雰囲気をもつといえる、3分半ほどの短いナンバーを、サンボラがどう料理しているかというと・・。
冒頭はヘンドリクス同様、静かなコードワークと、低く、つぶやくような歌声で始まる。
だが、コーラスが進むに連れ、次第にサンボラのテンションは高まっていく。
そして、激しいギターソロへ突入。そのパッションをストラトキャスターにぶつけるようにして、かき鳴らす。
歌に戻り、見事なまでのシャウトを聴かせて、再度のギターソロへ。ここからがまさに圧巻で、聴いてすぐにわかるように「Hey Joe」のコード進行やリフを引用して、延々と展開される狂熱のソロ。スゴいのひとことだ。
この間、6分ジャスト。怒濤のごとき一曲が終わっても、興奮はさめやらない。メリハリあるアレンジの大勝利だ。
いわば、シンガーとして、ギタリストとして、アレンジャーとして持てるもの全てを、サンボラはこの一曲に叩きこんだといっていいだろう。
サンボラはその後、この曲が呼び水となったのであろうか、翌91年にはファーストソロアルバム「Stranger In This Town」を制作、リリースしている。
そのアルバムにはボン・ジョヴィのメンバーのほか、エリック・クラプトンもゲストで参加している。ECは、サンボラにとってヘンドリクスと並ぶヒーロー・ギタリストで、サンボラの強い要請により「Mr. Bluesman」という曲での共演が実現したのだった。
「ポップなハードロック」というイメージのあるボン・ジョヴィではあるが、その中ではサンボラはブルース指向が強いのだということがよくわかる。実際、ボン・ジョヴィではやらないタイプのブルーズィなサウンドを、その「Stranger In This Town」ではメインにしている。
サンボラも今年で54才。すでにオヤジ世代だが、筆者などともほぼ同時期に音楽にハマった元ロック少年といえよう。14才でギターを弾き始めたあたりとか、とても親しみが湧いてくる。
ECやジミヘンを初めて聴いたときの衝撃を忘れず、彼らへのリスペクトをストレートに音楽で表現する。ECがBB、マディやウルフらをカバーしたのと同様、自分に音楽の魅力を教えてくれた「父親」への敬意がそこにはあるのだ。これっていいよね。
この「The Wind Cries Mary」は、日本盤の「Stranger In This Town」にはボーナストラックで入っているので、ぜひチェックしてみてほしい。
アメリカのハードロックバンド、ボン・ジョヴィのギタリスト、リッチー・サンボラのソロデビュー曲。ジミ・ヘンドリクスの作品のカバー。
リッチー・サンボラは59年、ニュージャージー州ウッドブリッジの生まれ。ヘンドリクスに強い影響を受けて、14才からギターを始める。
ジョン・ボン・ジョヴィを中心としたバンド、ボン・ジョヴィに加入、84年レコードデビュー。86年リリースのサードアルバムで全米的にブレイク。以後、アメリカのトップ・バンドのひとつとして、30年近く活動を続けている。
サンボラはリードギターのほか、各種弦楽器、キーボード等を担当。フロントはあくまでもジョンに任せてバッキングに徹しているが、歌もOKで、バックコーラスでそのワイルドな歌声を聴くことが出来る。
そんなサンボラが初めてソロで歌ったのが、この「The Wind Cries Mary(風の中のマリー)」だ。きっかけは、90年公開の20世紀フォックス映画「フォード・フェアレーンの冒険」の挿入曲を依頼されたことである。サンボラはそこで、自分が一番影響を受けたヘンドリクスのカバーをやったのである。
「The Wind Cries Mary」は先日取り上げた「Manic Depression」が収録されているアルバム、「Are You Experienced?」で聴くことが出来るナンバー。
ヘンドリクスの曲としてはもっとも静かな雰囲気をもつといえる、3分半ほどの短いナンバーを、サンボラがどう料理しているかというと・・。
冒頭はヘンドリクス同様、静かなコードワークと、低く、つぶやくような歌声で始まる。
だが、コーラスが進むに連れ、次第にサンボラのテンションは高まっていく。
そして、激しいギターソロへ突入。そのパッションをストラトキャスターにぶつけるようにして、かき鳴らす。
歌に戻り、見事なまでのシャウトを聴かせて、再度のギターソロへ。ここからがまさに圧巻で、聴いてすぐにわかるように「Hey Joe」のコード進行やリフを引用して、延々と展開される狂熱のソロ。スゴいのひとことだ。
この間、6分ジャスト。怒濤のごとき一曲が終わっても、興奮はさめやらない。メリハリあるアレンジの大勝利だ。
いわば、シンガーとして、ギタリストとして、アレンジャーとして持てるもの全てを、サンボラはこの一曲に叩きこんだといっていいだろう。
サンボラはその後、この曲が呼び水となったのであろうか、翌91年にはファーストソロアルバム「Stranger In This Town」を制作、リリースしている。
そのアルバムにはボン・ジョヴィのメンバーのほか、エリック・クラプトンもゲストで参加している。ECは、サンボラにとってヘンドリクスと並ぶヒーロー・ギタリストで、サンボラの強い要請により「Mr. Bluesman」という曲での共演が実現したのだった。
「ポップなハードロック」というイメージのあるボン・ジョヴィではあるが、その中ではサンボラはブルース指向が強いのだということがよくわかる。実際、ボン・ジョヴィではやらないタイプのブルーズィなサウンドを、その「Stranger In This Town」ではメインにしている。
サンボラも今年で54才。すでにオヤジ世代だが、筆者などともほぼ同時期に音楽にハマった元ロック少年といえよう。14才でギターを弾き始めたあたりとか、とても親しみが湧いてくる。
ECやジミヘンを初めて聴いたときの衝撃を忘れず、彼らへのリスペクトをストレートに音楽で表現する。ECがBB、マディやウルフらをカバーしたのと同様、自分に音楽の魅力を教えてくれた「父親」への敬意がそこにはあるのだ。これっていいよね。
この「The Wind Cries Mary」は、日本盤の「Stranger In This Town」にはボーナストラックで入っているので、ぜひチェックしてみてほしい。
音曲日誌「一日一曲」#1~#100 pdf版もダウンロード出来ます