#281 フレディ・キング「Get Out Of My Life, Woman」(Freddie King Is A Blues Master/Atlantic)
フレディ・キング、69年のコティリオンからのアルバムより。アラン・トゥーサンの作品。
先週取り上げたキング・カーティスつながりで、取り上げてみた。アルバムそのものも、すでに2006年12月3日の「一日一枚」で取り上げているのだが、いい曲は何度でも聴きたくなるものなのだ。ご勘弁を。
「Freddie King Is A Blues Master」は、ボーカル・アルバムとしても、またインスト・アルバムとしても本当に名盤だと思う。それはもちろん、主役のフレディ・キングの実力によるところではあるが、それを支えるプロデューサー、キング・カーティス、そして彼が率いるバンド、キングピンズの類い稀なる演奏力によるところも大きい。
まずは、きょうの一曲「Get Out Of My Life, Woman」を聴いていただこう。
この曲は、われわれ日本のリスナーにとっては、バターフィールド・ブルース・バンドのバージョンが一番おなじみであるが、もともとはニューオーリンズのR&Bシンガー、リー・ドーシーがオリジナルなのだ。
ドーシーは24年、N.O.に生まれ、自作の「Ya Ya」が61年に大ヒット、一躍人気シンガーとなる。65年に「Ride Your Pony」、66年にこの「Get Out~」をヒットさせ、再び注目を浴びることとなる。その仕掛人が、かのアラン・トゥーサンだった。
シンプルなリフレインの繰り返しが基本だが、それが強力なグルーヴを生み出しているこの曲、またたく間に黒人・白人を問わず多くのミュージシャンを引きつけ、さまざまなカバーバージョンが生まれた。
バターフィールド・ブルース・バンド、フレディ・キング以外では、トゥーサン本人、アルバート・キング、ソロモン・バーク、ジョー・ウィリアムズ、ビル・コスビー、アイアン・バタフライ、ジェリー・ガルシア、マウンテン、などなど。わが国では、原田芳雄、内海利勝らも演っている。
みんな、ニューオーリンズならではの粘っこいファンクネスに、魅せられたのだろうね。
フレディ・キング版も、この曲の持ち味を最大限に引き出した、ベスト・パフォーマンスに仕上がっている。
イントロのギター・ソロから既に、フレディ節全開。これでもかというぐらい、スクイーズしまくっている。そして、あのホットな歌声が耳を直撃する。
フェンダー・ローズ(NO出身のジェイムズ・ブッカー)、ホーン・セクション(キング・カーティス、デイヴ・ニューマン、ジョー・ニューマンら)が、それを見事にバックアップしているが、とりわけゴキゲンなのは、ベースのジェリー・ジェモット、ドラムのノーマン・プライドが生み出す、極上のグルーヴだろう。
その重心の低い、ファンキーなビートは、フレディ・キングの求めていたサウンドとぴったり重なり、後のシェルター時代のファンク・ロックへと連なっていく。そんな印象が、この曲にはある。
この時期のフレディ・キングの音楽は、たとえていうなら、ブルースにしてブルースを越えた、より高次元の音楽へと生まれ変わろうとしているかのようだ。
白人ロッカーらにも絶大なる影響を与えたフレディ・キング。この一曲を聴いただけでも、その理由は十分わかるんじゃないかな。ぜひ聴いてくれ。
フレディ・キング、69年のコティリオンからのアルバムより。アラン・トゥーサンの作品。
先週取り上げたキング・カーティスつながりで、取り上げてみた。アルバムそのものも、すでに2006年12月3日の「一日一枚」で取り上げているのだが、いい曲は何度でも聴きたくなるものなのだ。ご勘弁を。
「Freddie King Is A Blues Master」は、ボーカル・アルバムとしても、またインスト・アルバムとしても本当に名盤だと思う。それはもちろん、主役のフレディ・キングの実力によるところではあるが、それを支えるプロデューサー、キング・カーティス、そして彼が率いるバンド、キングピンズの類い稀なる演奏力によるところも大きい。
まずは、きょうの一曲「Get Out Of My Life, Woman」を聴いていただこう。
この曲は、われわれ日本のリスナーにとっては、バターフィールド・ブルース・バンドのバージョンが一番おなじみであるが、もともとはニューオーリンズのR&Bシンガー、リー・ドーシーがオリジナルなのだ。
ドーシーは24年、N.O.に生まれ、自作の「Ya Ya」が61年に大ヒット、一躍人気シンガーとなる。65年に「Ride Your Pony」、66年にこの「Get Out~」をヒットさせ、再び注目を浴びることとなる。その仕掛人が、かのアラン・トゥーサンだった。
シンプルなリフレインの繰り返しが基本だが、それが強力なグルーヴを生み出しているこの曲、またたく間に黒人・白人を問わず多くのミュージシャンを引きつけ、さまざまなカバーバージョンが生まれた。
バターフィールド・ブルース・バンド、フレディ・キング以外では、トゥーサン本人、アルバート・キング、ソロモン・バーク、ジョー・ウィリアムズ、ビル・コスビー、アイアン・バタフライ、ジェリー・ガルシア、マウンテン、などなど。わが国では、原田芳雄、内海利勝らも演っている。
みんな、ニューオーリンズならではの粘っこいファンクネスに、魅せられたのだろうね。
フレディ・キング版も、この曲の持ち味を最大限に引き出した、ベスト・パフォーマンスに仕上がっている。
イントロのギター・ソロから既に、フレディ節全開。これでもかというぐらい、スクイーズしまくっている。そして、あのホットな歌声が耳を直撃する。
フェンダー・ローズ(NO出身のジェイムズ・ブッカー)、ホーン・セクション(キング・カーティス、デイヴ・ニューマン、ジョー・ニューマンら)が、それを見事にバックアップしているが、とりわけゴキゲンなのは、ベースのジェリー・ジェモット、ドラムのノーマン・プライドが生み出す、極上のグルーヴだろう。
その重心の低い、ファンキーなビートは、フレディ・キングの求めていたサウンドとぴったり重なり、後のシェルター時代のファンク・ロックへと連なっていく。そんな印象が、この曲にはある。
この時期のフレディ・キングの音楽は、たとえていうなら、ブルースにしてブルースを越えた、より高次元の音楽へと生まれ変わろうとしているかのようだ。
白人ロッカーらにも絶大なる影響を与えたフレディ・キング。この一曲を聴いただけでも、その理由は十分わかるんじゃないかな。ぜひ聴いてくれ。
音曲日誌「一日一曲」#1~#100 pdf版もダウンロード出来ます