2009年2月21日(土)
#66 meg「GROOVE TUBE」(room girl/ワーナーミュージックジャパン)
しばらくブルース漬け状態だったので、ここいらで気分転換、口直し的な一曲。日本の女性シンガー、megのデビュー・アルバムより、4thシングルを。樫原伸彦プロデュース。
シブヤ系がお好きなひとなら当然ピン!と来るだろうが、フリッパーズ・ギターのヒットのカバー。DOUBLE KNOCKOUT CORPORATIONこと小沢健二&小山田圭吾の作品だ。
meg(現在はMEGに改名)は広島県出身の28才。上京してファッション・モデルとして活動、そのかたわらインディーズでCDを出し、2002年に岡村靖幸のプロデュースでメジャーデビュー。
モデル、シンガー、そしてファッション・デザイナーの三足のわらじを履く彼女だが、「デキる女」ふうの肩肘はった感じはみじんもなく、キュートな容姿、自然体のキャラ、抜群のファッション・センスで若い女のコたちに人気が高い。
歌のほうも、実力派というよりは、ちょっと舌足らずな発声がチャラ&ユキふう。最近では、中西ヤスタカ(Perfumeを手がけている)のプロデュースでエレクトリック・ポップ路線のシングルを数曲出しているが、着ぐるみの猫をバックに従えたダンスなど、ファンシーな演出がどこかトミフェブを連想させたりする。ポップでおしゃれでキュート、それが彼女なんである。
さて、今日の一曲は、ファンクだけどめちゃポップ。バンドの編成はシンプルながら、ボーカルの多重録音や凝ったミキシングにより、カラフルなサウンドに仕上がっている。
この人の声の、独特の甘さと透明感をそこなわずに、ダンサブルな曲になっているのだ。樫原というプロデューサー、なかなかの仕事人と見た。
最近のテクノな音(アルバム「BEAM」「STEP」)も決して悪くはないんだけど、期間限定的な試みにしといたほうがいい気がする。あくまでも、MEG本来の持ち味は、ナチュラル系だと思うから。
ステージでは思い切りポップではじけて、でもスタジオでは彼女の「生成り」のような歌の魅力を引き出していってほしいもんだ。
彼女は地方出身ながら、ローカルな匂いが全くしない。「都会的でポップでキュート」という女性シンガーが最近あまりいないけど、MEGはかなりいい線いってる。お客さん、今年はブレイク必至、買いでっせ。