NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#464 ALBERT COLLINS, ROBERT CRAY, JOHNNY COPELAND「SHOWDOWN!」(Alligator ALL87432)

2023-02-24 06:18:00 | Weblog
2023年2月24日(金)


#464 ALBERT COLLINS, ROBERT CRAY, JOHNNY COPELAND「SHOWDOWN!」(Alligator ALL87432)

米国のブルース・ミュージシャン、アルバート・コリンズ、ロバート・クレイ、ジョニー・コープランドの3人によるセッション・アルバム。85年リリース。ブルース・イグロア、ディック・シャーマンによるプロデュース。

当時コリンズは53歳、クレイは33歳、コープランドは48歳。ブルースマンとして脂の乗り切ったコリンズとコープランド、新進気鋭のクレイががっぷり組んだかたちである。

レコーディング・メンバーは3人のほか、オルガンのアレン・バッツ、ベースのジョニー・B・ゲイデン、ドラムスのケイシー・ジョーンズ。いずれもコリンズのバック・バンドのメンバーだ。

オープニングの「T-Bone Shuffle」は言うまでもなく、Tボーン・ウォーカーの代表曲。軽快なテンポのシャッフル・ナンバー。

ボーカル、ギターを3人で回していく。まずはコープランドが歌い、ギターを弾く。次いでコリンズ、そしてクレイ。

ギター・プレイは、それぞれのスタイルの違いがはっきり出ていて興味深い。どちらかといえばベテランふたりがホットなプレイなのに、若手のクレイの方がクールなのが面白い。

「The Moon Is Full」はコリンズの妻、グウェンの作品。ゆったりとしたテンポのファンク・ブルース・ナンバー。コリンズのお得意パターンである。リード・ボーカルはもちろん、コリンズ。

ギター・ソロはクレイ、コリンズのふたり。つまり3人全員でなく、デュオというかたちの曲もあるということか。

「Lion’s Den」はコープランドの作品。アップ・テンポのツービート・ナンバー。リードボーカルをコープランドが取り、そのまま熱いソロに突入する。

後半はコリンズ、そしてクレイのギター・ソロも炸裂。嵐のような、あっという間の4分だ。

「She’s Into Something」はコンポーザー、カール・ライトの作品。マディ・ウォーターズが歌ったこの曲で一番知られている。リード・ボーカルはクレイ。

ギター・ソロは、まずはクレイから。エイト・ビートからシャッフルにリズム・チェンジした後は、コリンズ。それぞれの持ち味をうまく活かした構成だな。

「Bring Your Fine Self Home」はコープランド作のスロー・ブルース。

コープランドがとるリード・ボーカルのバックで聴こえる、シブいブルースハープはコリンズによるもの。ライブではまずお目にかかれない、コリンズの意外な側面を知ることが出来る。

ギター・ソロはコリンズ。こちらはいつものエグいコリンズ・トーンだ。

「Black Cat Bone」はブルース・ミュージシャン、ホップ・ウィルソンの作品。ウィルソンは21年生まれなので、彼らより先輩、大先輩にあたる。

コープランドのリード・ボーカル、コリンズ、コープランドのギター・ソロ、コープランドとコリンズのデュオ・ボーカル。脂っこいふたりのプレイが満喫できる一曲。

「The Dream」はクレイとプロデューサー、ブルース・ブロムバーグの作品。スロー・テンポのブルース・ナンバー。

クレイのリード・ボーカル。ギター・ソロはコープランド。これがなんともパッショネートなプレイで、当盤でも一番かという出来だ。

その盛り上がりぶりの影響が、クレイの歌にも熱が入って、次第にエキサイトしていく感じがよく伝わってくる。

「Albert’s Alley」は「The Y Twist」「Full Time Lover」などの曲で知られるブルース・ミュージシャン、フランク・”サニー”・スコットの作品。シャッフル・ビートのインストゥルメンタル・ナンバー。

まずはコリンズがソロ、次いでコープランド、そしてクレイ、再びコリンズに戻って、締め。三つ巴のギター・バトル激しくが繰り広げられる。

「Blackjack」はレイ・チャールズ作のスロー・ブルース。リード・ボーカルはコリンズ。

ギター・ソロはコープランド、クレイ、コリンズの順で続く。

3人のギターがねちこく絡み合う、コテコテのエンディングがセッションらしくていい。

ボーナストラックの「Something to Remember You By」はギター・スリム作のスロー・ブルース・ナンバー。リード・ボーカルはコリンズ。

ギター・ソロは前半コープランド、後半コリンズ。ともに哀感漂うプレイが◎であります。

3人のブルースマンの個性をそれぞれ際立たせる選曲、そして演出。単なるジャム・セッションを収めたイージーな企画ではない、入念な作りはさすがアリゲーター・レーベルの作品だ。

気軽にさらりと聴けるが、聴き込めば聴き込むほど、いろいろな発見がある一枚。

ブルースほどシンプルで、かつ奥深い音楽はないと思い知らされます。

<独断評価>★★★★


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