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音曲日誌「一日一曲」#57 セントルイス・ジミー「Dog House Blues」(Goin' Down Slow/P-Vine Japan)

2023-05-28 05:06:00 | Weblog
2008年11月9日(日)

#57 セントルイス・ジミー「Dog House Blues」(Goin' Down Slow/P-Vine Japan)





日本のP-Vineレーベルから92年にリリースされた、セントルイス・ジミーのアルバムより、彼のオリジナルを。

セントルイス・ジミーこと、ジェイムズ・オーデンは1903年、テネシー州ナッシュヴィル生まれ。

8才で両親を失い、その後14才頃、セントルイスへ移住し、音楽活動を本格的に始める。芸名はもちろん、彼の地にちなんで付けられたものだ。そこで、名ピアニスト/シンガー、ルーズヴェルト・サイクスと知己になり、レコーディングでも共演している。

33年、齢30にしてシカゴに活動の場を移し、そして41年、名曲「Goin' Down Slow」のヒットを出す(55年にも再録音)。これにより「セントルイス・ジミー」の名は全国区レベルで知られるようになる。

吹き込んだレコードは、複数のレーベルにて、32年から55年の間に50曲ほど。しかし、57年、交通事故に遭い、入院したのがきっかけで、ソングライターに転向することになる。

以前から付き合いのあったマディ・ウォーターズ、そしてハウリン・ウルフらに楽曲を提供して、彼は後半生を終えることとなった。77年、シカゴにて逝去。享年74。

歌手としてのセントルイス・ジミーは自らピアノを弾きながら、訥々と半ば語るように歌うスタイルが持ち味だった。

その曲も、畢生の名曲「Goin' Down Slow」をはじめとして、苦労の多かった前半生を反映してか、ちょっと苦みのある内容のものが多い。

きょうご紹介するのは、「Dog House Blues」。これも複数回レコーディングを行っている曲だが、これはピアノ、エレキギター、ウッドベース、ドラムスというカルテットによる演奏だ。

バックにホーン・セクションが加わったバージョンもあるが、少人数のコンボによるこのバージョンのほうが、しっとりと味わい深いように思う。

ソリッドなギターに、オブリで決めるピアノ。ジャズィな演奏をバックに、かみしめるように歌うセントルイス・ジミー。決して派手なものはないが、ジンと心にしみてくる歌だ。

こういう歌は、やはりバーボン・ウィスキーをチビチビやりつつ、じっくりと味わうのが一番ですな。おすすめです。


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