NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#312 オリジナル・サウンドトラック「Dazed and Cofused」(THE MEDICINE LEBEL 9 24533-2)

2022-09-22 06:18:00 | Weblog

2006年3月26日(日)



#312 オリジナル・サウンドトラック「Dazed and Cofused」(THE MEDICINE LEBEL 9 24533-2)

AMGによるディスク・データ

きょうは、ちょっと毛色の変わった一枚。映画のサウンドトラック盤であります。

「Dazed and Cofused」はリチャード・リンクレイター監督、1993年公開のアメリカ映画。残念ながら、日本では未公開であります。

ときは1976年5月。舞台はテキサスの、とある田舎町。卒業を迎えた4人組の高校生を中心とする、青春コメディ。かの名作「アメリカン・グラフィティ」の70年代版といった感じですな。

筆者自身、まだ映画自体は観たことがないのですが、この映画のバックに使われている音楽がなんともごきげん。70年代前半の、英米ハードロックのキャッチーなナンバーが14曲、てんこもりなんであります。

映画タイトルの「Dazed and Cofused」はもちろん、レッド・ツェッぺリンの代表的ナンバーから引用したわけですが、どういうわけだか、その曲自体は、サウンドトラックには入っていないのです。映画の主題として、象徴的に使われているだけみたいです。

まずはオープニング・ナンバーの「ロックンロール・フーチークー」から。以前にもソロ・デビュー・アルバムを取り上げたことのある、リック・デリンジャーの大ヒット曲。もう、のっけから盛り上がります。

続いて、これまた以前ライブ盤をレビューしたフォガットの「スローライド」。スタジオ・テイクもライブに負けず劣らずへヴィーでカッチョいいです。

お次はアリス・クーパーの「スクールズ・アウト」。筆者の中高生時代のなつかしいヒットが目白押しで、涙ちょちょ切れ状態です。AMやFMラジオでロックを聴きまくったあの頃が、まざまざとよみがえってきますな。

「ジム・ダンディ」はブラック・オーク・アーカンソーのヒット。ちょっとシブいところで攻めてきました。日本じゃほとんど人気が出なかったバンドだけど、今改めて聴いてみると、けっこうイケてますやん。軽快なロックン・ロールが、ハイスクール・ライフそのものといえそう。

続いてはZZトップの「タッシュ」。まだ、ディスコ系のヒットを出す前の、ひたすらなブギなナンバー。泥臭いけど、いい感じであります。

そして、泣かせるのはナザレスのバラード・ナンバ-、「ラヴ・ハーツ」。いやー、実にいいメロディ、ハートにジワーンと来るボーカルでありますわ。

「ストラングル・ホールド」といえば、そう、当時のロック界でも極めつけの野獣派、テッド・ニュージェント(正しい発音はナジェントらしい)のナンバー。ワイルドな彼らしい、スゲえタイトルの曲ですな(笑)。ZEPの「幻惑されて」「ハウ・メニー・モア・タイムズ」あたりのナンバーをほうふつとさせる重量感あふれるアレンジが、なんともカッコいいです。

そして次に登場するのは、な、な、な~んとランナウェイズではありませんかっっ!!

76年、その年にデビューしたばかりの平均年齢16才(!)の5人組、ランジェリー・コスチュームで世の男どもを悩殺(笑)した、ガールズ・バンドのハシり的存在の彼女たち。曲はもちろん、デビュー・ヒット「チェリー・ボム」であります。

この曲は本国アメリカのみならず、この日本でも一大センセーションを巻き起こし、普段ならロックなど聴きもしない中年男性層まで巻き込みましたから、記憶に残っているかたも多いでしょう。あれから、実に30年の歳月が経ってしまったというのですから、いやはやなんともであります(笑)。

ごきげんなナンバーはまだまだ続きます。スウィートの「フォックス・オン・ザ・ラン」、ウォーの「ロー・ライダー」、レイナード・スキナードの「チューズデイズ・ゴーン」、そしてディープ・パープルの「ハイウェイ・スター」。当時の英米の代表的ロックバンド、揃いぶみの感があります。

そしてドラマのクライマックスをかざるのはやはり、当時アメリカで一番の人気を誇ったバンド、キッス。曲はきわめつけの一曲、「ロックン・ロール・オールナイト」!

映画を観ているわけでないのでこれはもちろん推測ですが、この曲は映画のハイライト、卒業生の祝賀会と、新入生の歓迎会をかねたパーティのシーンで使われたに違いありません。この曲以上に、その手のパーティにぴったりの曲はありますまい。とんでもなく盛り上がった様子、目に浮かぶようです。

ラストはブラック・サバスの「パラノイド」。これまた、ハードロック・スタンダードといえる重厚なナンバー。しめくくりにふさわしい一曲ですな。

こういったナンバーが、ほんの5年くらいの間にぞくぞくと登場してきた70年代前半は、まさにハードロックの黄金時代であった、いまさらながらそう思います。
76年の5月といえば、筆者的にも高校を卒業、予備校生生活をスタートしたあたりで、映画の主人公たちの状況ともシンクロしまくりであります。聴いてきた音楽も、筆者自身の青春そのもの。
映画を観たら、間違いなく、感激の涙ちょちょ切れ状態になることでしょう。そのうちぜひ、日本でも発売されているというDVDを、チェックしてみたいと思ってます。

なお、映画「Dazed and Confused」の内容は、下記のサイトで詳しく紹介されています。参考まで。

Dazed and Confused(1993)

Dazed and Confused

<独断評価>★★★★


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