2023年2月16日(木)
#456 BRYAN ADAMS「LIVE! LIVE! LIVE!」(ポニーキャニオン/A&M POCY-10080)
カナダのミュージシャン、ブライアン・アダムスのライブ・アルバム。88年リリース。アダムス自身によるプロデュース。
84年のアルバム「レックレス」で全世界的にブレイクしたアダムスの初ライブ・レコーディング。
ベルギーのヴェルヒターにおけるロック・フェスティバルでの16曲と、日本・東京での1曲を収録。
【個人的ベスト6:6位】
「ヘヴン」
「レックレス」収録、シングル・カットもされたバラード・ロック・ナンバー。もともとは83年に映画のサウンド・トラックとして作られたが、シングルとして初の全米1位を獲得した記念すべき曲だ。
キーボードとギターをフィーチャーしたドラマティックなサウンドには、アダムスがOAとして競演したこともあるジャーニーの、「時への誓い」からの強い影響が感じられる。
日本のアーティストにも、ジャーニーやアダムスのこういうアレンジにインスパイアされている人がほんと多いよね。
もはや、バラードなロックの定番スタイルとなった感があります。
【個人的ベスト6:5位】
「カッツ・ライク・ア・ナイフ」
アダムスの出世作、83年のアルバム「カッツ・ライク・ア・ナイフ」からのシングル・ヒット。
徐々に盛り上がっていくバラード・ナンバー。
オーディエンスも掛け声を発しているうちに自然に歌に参加していき、最後は大合唱となる。
こういう、「観衆はライブのもう一つの主役」という演出が、コンサートをさらに盛り上げるのだ。そのへん、よく分かっていらっしゃる。
アダムスの曲が、男女を問わず一緒に歌いやすいメロディを持つということも、大きいね。
【個人的ベスト6:第4位】
「イッツ・オンリー・ラヴ」
コンサートでは2曲目に演奏される、「レックレス」からティナ・ターナーと共演しているバージョンがシングル・カットされてヒットした。
覚えやすいイントロやリフ、ダンサブルでノリのいいビート、派手なギター・プレイ。もう、ウケ以外の要素がありません。
このライブでは、バンドメンバーと共にシャウトしまくるアダムスの歌声が堪能できる。
アダムスの少しハスキーでパワフルな声が、セクシー極まりない。
【個人的ベスト6:第3位】
「ハーツ・オン・ファイヤー」
「レックレス」に続く87年のアルバム「イントゥ・ザ・ファイヤー」を代表する、ミディアム・テンポのハード・ロック・ナンバー。
ガンガン飛ばすというよりは、粘り腰で迫って来る感じが実にいいんだよなぁ。
本盤ではデイヴ・テイラーのベースソロがちょこっと入っているくらいで比較的コンパクトにまとまっているが、他のライブではアダムスとギタリスト、キース・スコットが延々とギター・バトルになることも多いとか。そちらのバージョンもぜひ聴いてみたいものである。
他の曲でも(例えば「ラン・トゥ・ユー」)ツイン・リードをやったりしていることから分かるように、アダムスとスコットはリズムとリードに完全に分業しているのでなく、ギターの実力も互角なのだと思う。ただギターをお飾りで持っているだけの、どこかのアイドル・シンガーとは違うのだよ。
【個人的ベスト6:第2位】
「想い出のサマー」
「レックレス」からのシングル・ヒット。全米5位となり、アルバムのセールス拡大に寄与したナンバー。
原題は「Summer of ‘69」。1969年にはアダムスはまだ10歳だったから、その頃の想い出というよりは、青春すなわちS◯Xを象徴する、ちょい意味深な数字として使ったらしい。
そういえば「おもいでの夏(Summer of ‘42)」という青春映画が昔あったが、それを少し意識しているのかもしれない。
ロックスターを目指して頑張って来たが、今ひとつ手ごたえがつかめず、もう夢を諦めて地道に生きようかなと迷っていた頃を歌詞にしたという。
この曲はイントロが始まると、アダムスは自分で歌わずに、オーディエンスにマイクを向け、彼らに歌わせる。
異国のオーディエンスも、曲をしっかりマスターしていて、彼の代わりにボーカルをつとめてくれる。
この曲に、絶大な人気があればこそのことだよな。アーティスト冥利に尽きるってヤツだ。
筆者も、聴衆に自分の曲を一緒に歌ってもらうのは究極の憧れである。
【個人的ベスト6:第1位】
「サムバディ」
「レックレス」からのシングル・ヒット。全米11位を獲得している。コンサートではラストを飾る人気ナンバー。
「みんなオレたちと一緒に歌ってくれ」とアダムスが前置きして始まる。
「I Need Somebody」の大コーラスが巻き起こり、コンサート会場は興奮のるつぼと化す。
怒涛のアンコールへとつながっていく、最高のフィナーレだ。
単に歌って聴かせるだけでなく、数千人のオーディエンスと心でつながることができる。それがライブ・コンサート。
生国カナダでも、アメリカでもなく、ヨーロッパや日本でこれだけの観衆をわかせることが出来たのは、ブライアン・アダムスにとってもこの上なく幸せな体験だったろう。
彼の生の歌声、その魅力をとくと味わってほしい。
<独断評価>★★★
カナダのミュージシャン、ブライアン・アダムスのライブ・アルバム。88年リリース。アダムス自身によるプロデュース。
84年のアルバム「レックレス」で全世界的にブレイクしたアダムスの初ライブ・レコーディング。
ベルギーのヴェルヒターにおけるロック・フェスティバルでの16曲と、日本・東京での1曲を収録。
【個人的ベスト6:6位】
「ヘヴン」
「レックレス」収録、シングル・カットもされたバラード・ロック・ナンバー。もともとは83年に映画のサウンド・トラックとして作られたが、シングルとして初の全米1位を獲得した記念すべき曲だ。
キーボードとギターをフィーチャーしたドラマティックなサウンドには、アダムスがOAとして競演したこともあるジャーニーの、「時への誓い」からの強い影響が感じられる。
日本のアーティストにも、ジャーニーやアダムスのこういうアレンジにインスパイアされている人がほんと多いよね。
もはや、バラードなロックの定番スタイルとなった感があります。
【個人的ベスト6:5位】
「カッツ・ライク・ア・ナイフ」
アダムスの出世作、83年のアルバム「カッツ・ライク・ア・ナイフ」からのシングル・ヒット。
徐々に盛り上がっていくバラード・ナンバー。
オーディエンスも掛け声を発しているうちに自然に歌に参加していき、最後は大合唱となる。
こういう、「観衆はライブのもう一つの主役」という演出が、コンサートをさらに盛り上げるのだ。そのへん、よく分かっていらっしゃる。
アダムスの曲が、男女を問わず一緒に歌いやすいメロディを持つということも、大きいね。
【個人的ベスト6:第4位】
「イッツ・オンリー・ラヴ」
コンサートでは2曲目に演奏される、「レックレス」からティナ・ターナーと共演しているバージョンがシングル・カットされてヒットした。
覚えやすいイントロやリフ、ダンサブルでノリのいいビート、派手なギター・プレイ。もう、ウケ以外の要素がありません。
このライブでは、バンドメンバーと共にシャウトしまくるアダムスの歌声が堪能できる。
アダムスの少しハスキーでパワフルな声が、セクシー極まりない。
【個人的ベスト6:第3位】
「ハーツ・オン・ファイヤー」
「レックレス」に続く87年のアルバム「イントゥ・ザ・ファイヤー」を代表する、ミディアム・テンポのハード・ロック・ナンバー。
ガンガン飛ばすというよりは、粘り腰で迫って来る感じが実にいいんだよなぁ。
本盤ではデイヴ・テイラーのベースソロがちょこっと入っているくらいで比較的コンパクトにまとまっているが、他のライブではアダムスとギタリスト、キース・スコットが延々とギター・バトルになることも多いとか。そちらのバージョンもぜひ聴いてみたいものである。
他の曲でも(例えば「ラン・トゥ・ユー」)ツイン・リードをやったりしていることから分かるように、アダムスとスコットはリズムとリードに完全に分業しているのでなく、ギターの実力も互角なのだと思う。ただギターをお飾りで持っているだけの、どこかのアイドル・シンガーとは違うのだよ。
【個人的ベスト6:第2位】
「想い出のサマー」
「レックレス」からのシングル・ヒット。全米5位となり、アルバムのセールス拡大に寄与したナンバー。
原題は「Summer of ‘69」。1969年にはアダムスはまだ10歳だったから、その頃の想い出というよりは、青春すなわちS◯Xを象徴する、ちょい意味深な数字として使ったらしい。
そういえば「おもいでの夏(Summer of ‘42)」という青春映画が昔あったが、それを少し意識しているのかもしれない。
ロックスターを目指して頑張って来たが、今ひとつ手ごたえがつかめず、もう夢を諦めて地道に生きようかなと迷っていた頃を歌詞にしたという。
この曲はイントロが始まると、アダムスは自分で歌わずに、オーディエンスにマイクを向け、彼らに歌わせる。
異国のオーディエンスも、曲をしっかりマスターしていて、彼の代わりにボーカルをつとめてくれる。
この曲に、絶大な人気があればこそのことだよな。アーティスト冥利に尽きるってヤツだ。
筆者も、聴衆に自分の曲を一緒に歌ってもらうのは究極の憧れである。
【個人的ベスト6:第1位】
「サムバディ」
「レックレス」からのシングル・ヒット。全米11位を獲得している。コンサートではラストを飾る人気ナンバー。
「みんなオレたちと一緒に歌ってくれ」とアダムスが前置きして始まる。
「I Need Somebody」の大コーラスが巻き起こり、コンサート会場は興奮のるつぼと化す。
怒涛のアンコールへとつながっていく、最高のフィナーレだ。
単に歌って聴かせるだけでなく、数千人のオーディエンスと心でつながることができる。それがライブ・コンサート。
生国カナダでも、アメリカでもなく、ヨーロッパや日本でこれだけの観衆をわかせることが出来たのは、ブライアン・アダムスにとってもこの上なく幸せな体験だったろう。
彼の生の歌声、その魅力をとくと味わってほしい。
<独断評価>★★★