2002年8月10日(土)
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クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル「EARTHQUAKE - LIVE AT BUDOKAN 1972」(KILLING FLOOR KF 99036)
https://youtu.be/W0q5KCUCWSU (Youtubeで聴けます)
(1)INTRODUCTION (2)BORN ON THE BAYOU (3)GREEN RIVER ~ SUSIE Q (4)IT CAME OUT OF THE SKY (5)DOOR TO DOOR (6)TRAVELIN' BAND (7)FOURTUNATE SON (8)COMMOTION (9)LODI (10)BAD MOON RISING (11)PROUD MARY (12)UP AROUND THE BEND (13)HEY TONIGHT (14)SWEET HITCH HIKER (15)KEEP ON CHOOGLIN'
いやー懐かしい。CCR、30年前のライヴを収めたプライベート盤なのだが、なにが懐かしいといったって、この演奏を筆者自身、ナマで聴いていたのだから。
時は1972年2月29日、場所は日本武道館。CCR初の日本公演である。
アルバム・タイトルの由来は、その公演の直前、震度4の中震が起き、武道館をも揺らしたことから来ている。そしてもちろん、CCRの三人も、地震に負けじと(?)迫力あるサウンドで武道館を大きく揺るがした、そういうわけだ、
(1)では懐かしのDJ、今はなき糸居五郎さんがMCで登場、地震の報告をしている。あの日の光景が目に浮かぶようだ。
音源はもちろんライン録りではなく、観客席でのテレコ録りのようだ。それにしては、まあまあ聴ける音質。
オープニングは、定番の(2)から始まる。まさに彼らの南部志向を象徴するような名曲。
オリジナル・メンバーのトム・フォガティが脱退してまもない頃で、残りの三人がそのままトリオとして活動を続け、今回の日本公演もそのメンバー構成。
続いて(3)は、69年のヒット「グリーン・リバー」、そして68年のデビュー曲にしてデイル・ホーキンスのカバー「スージーQ」のメドレーを。いずれも白人離れした黒いフィーリングに満ちあふれたナンバーだ。
今考えてみると、「グリーン~」のようにメロディよりリズム先行型の、えらくシブい曲をA面にもってくるというのは、実に画期的なことだったと思う。
(4)は69年末に発表した4枚目のアルバム、「WILLY AND THE POOR BOYS」からのナンバー。アップテンポで陽性のノリが実にカッコいい。
(5)は72年発表のアルバム「マルディ・グラ」に収録、ベースのステュ・クックが始めてリードヴォーカルをとった、ミディアム・テンポのナンバー。
ジョン・フォガティの黒いヴォーカル・スタイルとはかなり違った、軽妙な歌いぶり。CCRとしては異色の作品だ。
(6)はいかにもCCRらしい、威勢のいいロックン・ロール・ナンバー。70年の大ヒットだ。
続く(7)は69年のヒット曲「ダウン・オン・ザ・コーナー」のB面。ジョンの力強いシャウト、そしてハードなビートが印象的なナンバー。もちろん当時の彼らの常として、両面でヒットしている。
(8)は同じく69年リリース、「グリーン・リバー」のB面。アップテンポでグイグイと飛ばす、ロカビリー・テイストの一曲。ジョンの「ブラック・ビューティ」が奏でる、泣きのソロがなかなかよい。
B面ものでもう一曲。続く(10)のB面にあたる(9)を。曲調はガラリと変わって、ゆったりしたテンポのカントリー・ソング。
ブラックな面とは別に、こういういなたい、白人好みのフレーバーも加わることで、CCRのサウンドは奥行き、深みをそなえているといえそうだ。
(10)は69年にヒット。CCRの陽気さ、そしてメロディアスさを代表するようなナンバー。
(11)は説明不要、CCRといえばこれ!という代表曲。多くのひとにカバーされているが、やはりご本家の味わいには格別のものがある。明るさ、楽しさにおいて、他の追随をゆるさない。
オリジナルとはアレンジを少し変えて、スローなテンポからスタートしたのは(12)。もちろん、あのおなじみの高音のギター・フレーズが始まって、軽快にテンポ・チェンジ。タイトなグルーヴは、やはりナンバーワン・バンドならではのものだ。
ヒット曲テンコ盛りの攻勢に、会場も大いにのりまくる。
(13)は70年リリースのアルバム「ペンデュラム」から。アップテンポで飛ばす。極めつけのロックン・ロール。
ステージもいよいよ終盤。「グゥイーーーン」という、おなじみのグリッサンド・ギターではじまったのは、やはりアップテンポのロックンロール、(14)。
観客も全員手拍子、そして足を踏み鳴らして、エキサイト。先刻の地震をはるかに上まわるパワーで、武道館はROCKし、そしてROLLした。
ラストは、これまたコンサートの定番メニューだったという、(15)。(2)同様、名盤バイヨウ・カントリー」の中核をなす、、もろにディープ・サウスなナンバー。
これをジョンは13分以上にわたって、ハープ、そしてギターソロを聴かせてくれるので、CCRの「南部」な音が、とことん楽しめる。。
以上、シングル曲中心の構成のため、約60分と短めだが、ロックのエッセンスがすべて詰まったステージ。
「あの日」、現場にいたひとには感涙ものだが、そうでないひとにも、70年代ロックのいちばん「おいしい」ところを味わってもらえるであろう一枚。
正規盤のライヴ二枚とともに、ぜひチェックしてみて欲しい。
<独断評価>★★★