2003年5月11日(日)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/b1/88e5770b5e956c5041c8a13fda9a6c63.jpg?1649620225)
永井ホトケ隆率いるW.R.B.B.は75年に解散したが、その8年後の83年、このアルバムで復活する。
レコーディング・メンバーは永井(vo)、塩次伸二(g)、山岸潤司(g)、小堀正(b)、松本照夫(ds)。黄金期の5人が勢ぞろいだ。
現在のホトケ氏のライヴでも演奏されることの多いナンバーが揃ったこの一枚、ファンなら必聴だが、そうでなくてもなかなか楽しめる出来ばえ。
いわば「隠れた名盤」であります。
<筆者の私的ベスト3>
ウェストロードの場合、ジャズ、ジャズ・ブルースのラインより、ピュア・ブルース、ファンク系の音が筆者的には好みなんで、そういうチョイスになりました。
3位「SHOTGUN」
ジュニア・ウォーカーの代表的ヒット。ヴァニラ・ファッジ、BB&Aでもおなじみのナンバーをカヴァー。
ホーン・セクションをバックに、タイトでファンキーな演奏を聴かせる。ホトケのシャウトも絶好調。
現在N.O.で活動中のジュン山岸がアレンジ、ギターで大活躍、センスのよさを見せつけてくれる。
彼のスピーディでスリリングなギター・プレイは、他に「I CAN'T BE SATISFIED」あたりでも堪能できます。
2位「SHAKE YOUR HIPS」
スリム・ハーポのナンバー。典型的ワン・コード・ブギのスタイルでノリまくる一曲。
ジェイムズ・コットンをカヴァーした「BOOGIE THING」などにしてもそうだけど、ホトケさん、こういうブギが実にお好きなようです。
小堀&松本が弾き、叩き出すビートがなんともイカしている。さすが老舗バンド、息の合いかたはハンパじゃない。
おもわず、一昨年のパークタワーでの興奮を思い出しちゃいました。
そしてなにより、ゲストのウィーピングハープこと、妹尾隆一郎のハープがさすがの出来。
もちろん彼は、ウェストロードの面々とは旧知の仲であります。
1位「TAKE ME TO THE RIVER」
なんともシブい選曲。大御所、アル・グリーンぢゃござんせんか!
トム・ジョーンズ、ブライアン・フェリー、キャンド・ヒート、トーキング・へッズなど、白人シンガー&バンドにもカヴァーされることの多い、人気ナンバー。ソウル大好き人間にはたまらない一曲だ。
こちらは伸ちゃんこと塩次がアレンジ。強烈なフックのあるメロディに見事にハマった、ガッツあふれるサウンド。彼のアンニュイなギター・ソロもいい。
一度とりこになると、抜けられらなくなる「ヤク」のような魔力をもった音であります。
本盤にはこの他、その年に亡くなった、マディ・ウォーターズへのトリビュートも2曲、入っている。こちらのほうは、歌の出来が今ひとつなんですが。
ホーンを本格的に導入、きめこまかいアレンジをほどこし、ジャズやファンクの隠し味を加えて、洗練された音を聴かせる先駆者、ウェストロード。
20年前にこれだけのハイ・クォリティなサウンドを生み出していたとは、さすがトップ・バンド。
キレのいい音を、あなたもぜひ楽しんで欲しい。
<独断評価>★★★★