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音盤日誌「一日一枚」#444 シャ乱Q「シングルベスト10★おまけつき★」(BMGビクター BVCR-759)

2023-02-04 06:24:00 | Weblog
2023年2月4日(土)



#444 シャ乱Q「シングルベスト10★おまけつき★」(BMGビクター BVCR-759)

日本のロック・バンド、シャ乱Qのベスト・アルバム。96年リリース。

92年にレコード・デビュー、94年に「シングルベッド」のヒットでブレイクしたシャ乱Qの、シングルA面曲で構成したベスト盤。プラスワンとして「ラーメン大好き小池さんの唄」を収録。

【個人的ベスト5:第5位】

「いいわけ」

ヒットした頃、筆者もやたらカラオケで歌った記憶があるナンバー。つんく作詞・作曲。

シャ乱Qといえば、綺麗ごと抜きのリアルな歌詞がウリだが、この曲も本音に満ちた、触れば血が吹き出るような言葉に満ちている。

出てくる男も女も、とことんズルいし、痛々しい。だが、そこが嘘くさくなくていい。

そんな痛い男女だからこそ、せめてカッコだけはつけろということなのか。

ほとんどノイローゼ・ソングのような鬱っぽい曲調が、クセになる一曲。

【個人的ベスト5:第4位】

「ラーメン大好き小池さんの唄」

シングルカットはされなかったが、妙に耳に残るナンバー。つんく作詞、シャ乱Q作曲。

ムーンライダーズの白井良明がアレンジャーとして参加している。

ネタ元はもちろん、藤子不二雄の「オバケのQ太郎」のキャラ、小池さん。これとアニメ「ひみつのアッコちゃん」のED「すきすきソング」をパロった、昭和文化トリビュートな一曲。

サブカルな雰囲気がムンムンしていて、まことにGOOD。

ラップ、オペラ風コーラスなどなんでもあり。ステージでは絶対、盛り上がるだろうな。

【個人的ベスト5:第3位】

「上・京・物・語」

彼らのブレイクのきっかけになった一曲。まこと作詞、はたけ作曲。

デビューして1年半が経ち、なかなかヒットが出ず、契約打ち切りの危機にあった彼らが、ようやく放ったスマッシュ・ヒット。

TV番組「浅草橋ヤング洋品店」とのタイアップで、12万枚を売った。

曲調は爽やかなフォーク・ロックふうだが、奇抜な髪色と衣装の彼らが演奏する違和感はハンパない。

でも、それが彼ららしさでもある。

花のお江戸で爽やかボーイズを目指してカッコつけようとしても、ちっとも決まらない。

でも誰かが君たちのひたむきさを、しっかりと見ているものさ。

そう肩を叩いて、応援してやりたくなる連中なんだ、シャ乱Qは。

【個人的ベスト5:第2位】

「シングルベッド」

シャ乱Qの知名度を一気に上げた、バラード・ナンバー。つんく作詞、はたけ作曲。

上京して頑張るヤツ。あるいは底辺から上を目指して歯をくいしばるヤツ。

このコンセプトは、この曲にも流れている。コンプレックスに苛まれながらも、夢を語ることは忘れない。

そういうピュアさに、リスナーはハートを掴まれたに違いない。

彼ら初のミリオン・セラーは、そのしるしだ。

【個人的ベスト5:第1位】

「ズルい女」

いうまでもなく、彼らの最大のヒット曲。つんく作詞・作曲。145枚のセールスを記録している。

ジャズィなアレンジがキマったナンバー。ロック・バンドにしては水商売っぽい雰囲気が濃厚な彼らには、こういう夜の世界の歌が妙にハマるんだよなぁ。

つんくの歌声の過剰なビブラートは、こういう下世話な曲でこそ、威力を発揮するってもんだ。

コスい女に振り回される男の滑稽さを、ここまでストレートに描き切った歌は、それまでになかった。

いくらカッコつけても、オンナに手玉に取られるオトコの情けなさ。

リスナーにとっても「あるある」の話を、粋なロック・ナンバーにまで昇華したつんく。

歌詞にもメロディにも歌唱にも、まったく抜かりのない、パーフェクトな楽曲とはこれ。

あんたはやはり、スゴいお人や。

<独断評価>★★★★

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