2024年2月23日(金)
#323 エルモア・ジェイムズ「Dust My Broom」(Trumpet)
#323 エルモア・ジェイムズ「Dust My Broom」(Trumpet)

エルモア・ジェイムズのファースト・シングル曲。1951年リリース。ロバート・ジョンスンの作品(クレジット上はジェイムズ)。
エルモア・ジェイムズは1918年ミシシッピ州リッチランド生まれ。10代から楽器を弾き始め、ダンス・バンドを率いるようになる。
ロバート・ジョンスン、タンパ・レッドなどのミュージシャンの影響を受け、彼らの曲をレパートリーとしていく。10代後半には、サニーボーイ・ウイリアムスンIIとも組むようになる。
兵役を経て、ミシシッピに戻り、同州ジャクスンのレコード会社、トランペットでサニーボーイらのサイドマンとして初レコーディングを行ったのが51年。同年8月に初リーダー録音したのが、この「Dust My Broom」だ。
翌52年にこの曲に火が点く。R&Bチャートで9位というスマッシュ・ヒットとなったのだ。これによりジェイムズは一躍、ブルース界の寵児となる。
もともとはロバート・ジョンスンによりアコースティック・ギターで弾き語りされた30年代のナンバーが、ハープも加えたバンド・サウンドにアレンジされたことで、50年代に再び蘇ったのである。
この曲があまりにもウケたせいだろうか、ジェイムズはしばらくは同工異曲のリメイク・ナンバーばかりリリースすることになる。
53年リリースの「I Believe」はまさにそれで、55年の「Dust My Blues」然り。54年の「Standing At the Crossroads」も曲こそ違え「Dust My Broom」同様、ロバート・ジョンスンの作品で、アレンジもまた「Dust My Broom」そっくりの、攻撃的な3連リフが印象的なシャッフルなのだ。
さらには60年代にも「Dust My Broom」をホーンを含むラウドなバンド・サウンドにリアレンジしてリリース。一般的に知られているのは、このバージョンだろう。
聴く人によっては「全部同じ曲に聴こえる」と言われてしまう、そんなワンパターン。まとめて「ブルーム調」などと呼ばれてしまうのも、無理はない。
とは言え、リメイクが量産されてヒットを続けたということは、それだけこの「ブルーム調」が強烈な魅力を持っていたことの証明でもある。
ラジオから流れて来た途端、「ああ、あのエルモア・ジェイムズね」と万人に思わせることが出来る。ワンパターンほど、ある意味強いものはない。
その後ジェイムズは、アップテンポのブルーム調だけでなく、スロー・ブルースでも「It Hurts Me Too」「The Sky Is Crying」といった、今でも多くのミュージシャンにカバーされる名曲を数多く生み出した。
いずれの曲でも、ジェイムズのエグみの強いボーカル、そしてテンションの高いスライド・ギターがフィーチャーされていて、それらに魅せられた多くのエルモア・フォロワーを生むこととなる。
その代表がフリートウッド・マックのジェレミー・スペンサーである。彼はスライド・ギターだけでなく、ボーカルのスタイルも忠実にフォローしている、いわば信者だ。
そして、ロック界においてスライド・ギターで覇権を取ったデュアン・オールマン、そしてその直系であるデレク・トラックスにしても、ジェイムズの存在なしには登場しなかったはずだ。
全てのスライド・プレイヤーたちにとって、神となったエルモア・ジェイムズ。63年に45歳の短い生涯を終えるまでに残した作品群はいまだに多くのブルース・ピープルを惹きつけてやまない。
その第一歩にして、すでに完成されたスタイルを持った「Dust My Broom」。永遠のマスターピースとは、この曲をおいて他にない。必聴。
聴く人によっては「全部同じ曲に聴こえる」と言われてしまう、そんなワンパターン。まとめて「ブルーム調」などと呼ばれてしまうのも、無理はない。
とは言え、リメイクが量産されてヒットを続けたということは、それだけこの「ブルーム調」が強烈な魅力を持っていたことの証明でもある。
ラジオから流れて来た途端、「ああ、あのエルモア・ジェイムズね」と万人に思わせることが出来る。ワンパターンほど、ある意味強いものはない。
その後ジェイムズは、アップテンポのブルーム調だけでなく、スロー・ブルースでも「It Hurts Me Too」「The Sky Is Crying」といった、今でも多くのミュージシャンにカバーされる名曲を数多く生み出した。
いずれの曲でも、ジェイムズのエグみの強いボーカル、そしてテンションの高いスライド・ギターがフィーチャーされていて、それらに魅せられた多くのエルモア・フォロワーを生むこととなる。
その代表がフリートウッド・マックのジェレミー・スペンサーである。彼はスライド・ギターだけでなく、ボーカルのスタイルも忠実にフォローしている、いわば信者だ。
そして、ロック界においてスライド・ギターで覇権を取ったデュアン・オールマン、そしてその直系であるデレク・トラックスにしても、ジェイムズの存在なしには登場しなかったはずだ。
全てのスライド・プレイヤーたちにとって、神となったエルモア・ジェイムズ。63年に45歳の短い生涯を終えるまでに残した作品群はいまだに多くのブルース・ピープルを惹きつけてやまない。
その第一歩にして、すでに完成されたスタイルを持った「Dust My Broom」。永遠のマスターピースとは、この曲をおいて他にない。必聴。